20年ほど前だったか、フォーレの有名な「レクイエム」と双子のような鎮魂曲が存在することを知り、早速仕入れ聴いたとき、その美しさに打ちひしがれた。もっと以前からフォーレの作品が大好きで、これまで何度か実演にも触れているが(いつだったかサントリーホールで聴いたパイヤールのも良かったし、「ラ・フォル・ジュルネ」でコルボが演奏した時のも涙が出るほど素晴らしかった)、それらの体験と比較してみても、このデュリュフレの「レクイエム」は敬虔な祈りと永遠の平和を願う人々の心に満ち満ちており、繰り返し何度聴いても心が洗われる。
1947年の作曲というから、そこには当然第2次世界大戦の生々しい傷痕に対するメッセージが込められているのだろうが、震災復興のために一丸となっている今の日本人の心にも直接的に響く音楽なのでは。いわゆる宗教音楽だから、なかなか一般人が聴く機会には恵まれないもののように思うが、ともかくたくさんの方々にぜひ触れてみていただきたい、そんなことを感じさせてくれる名曲だと確信する。
圧巻は”Pie Jesu”以降の後半部。
『慈悲深いイエス』(Pie Jesu)
慈悲深い主イエスよ、
彼らに安息を与えたまえ。
彼らに永遠の安息を与えたまえ。
フェリシティー・パルマーの深みのある叫びにも似た歌声がズシンと響く。『アニュス・デイ』、『永遠の光』、『われをときはなちたまえ』を経て、最終章『天国へ』。この流れは光に包まれて魂が本当に浄化されていくようで、音楽の力で「邪な思考を止めよ」と説得されるよう(笑)。ただただひたすらにその音の中に身を委ねてみると、気分もすっきり。
『天国へ』(In Paradisum)
願わくは天国に天使たちが導いてくれるように。
あなたが到着するとき、殉教者たちが迎え、
エルサレムにあなたを導いてくれるように。
天使の合唱があなたを迎え、
貧しかったラザロとともに
永遠の安息を持てるように。
ところで、いつもサロンを使用していただいている方が本日の放射線量を計ってくれた。何とサロン内は0.09マイクロシーベルトで、極めて数値が低いと。ちなみに、1階部分ではもう少し高い数値が出ているようで、エルーデ・サロンはどうやら守られているみたい。朝から繰り返し流れるデュリュフレの音楽の力で浄化されたのかな・・・?!
こんばんは。
デュリュフレのレクイエムは、私も、フォーレのそれより好きかもしれません。ショスタコの「24の前奏曲とフーガ」みたいに、古さと新しさの見事な融合ですよね。私は、コルボ指揮の1984年録音で親しみました。
日本もそうですが、戦後、1960年代くらいまでは、戦争の記憶がまだ人々に生々しく残っていて、だからこそ普通に笑顔で暮らせるありがたさも、みんなが身に沁みていたんじゃないですかね。戦争体験は、確実に芸術に深みを与えますよね。何でもものがあって不自由なく暮らせた恵まれていた我々現代人は、そういう幸せと感謝の実感を忘れていましたよね。
>何とサロン内は0.09マイクロシーベルトで、極めて数値が低いと。
※ネガティブ
そりゃ結構には違いないですが、放射能汚染の深刻さは、そんな甘っちょろいものではないですよ、岡本さん。特に今後長期にわたり一番やっかいなのは、室内汚染ではなくて、食物汚染じゃないですか。1階部分が4階部分より放射線量が高いのは地面に近いので当然ですが、汚染問題の本質は別なところにあります。
↑ ああいう人は駄目。
※ポジティブ
おめでとうございます。それは本当によかったです。食品なども放射能に注意しなければならなくなってしまった私達の日常生活ではありますが、まず、安全な空間として保障されたのは、この上なく喜ばしいことだと思います。名古屋でも、0.09マイクロシーベルトよりずっと高い値が観測された場所がありましたから・・・。エルーデ・サロンは、皆さんの学びと憩いの場として、ますます活用されそうですね。
私も東京滞在の折には、また、ぜひとも安全なエルーデ・サロンにお邪魔したいです(笑)。
↑ こういう人になりなさい。
>雅之様
こんばんは。
>戦争体験は、確実に芸術に深みを与えますよね。何でもものがあって不自由なく暮らせた恵まれていた我々現代人は、そういう幸せと感謝の実感を忘れていましたよね。
同感です。人間もそうですが、挫折や苦しい体験があるからこそ「深み」が出るものですよね。
ところで、サロンの放射線量についてのネガポジ対決(笑)、ありがとうございます。
どっちもありですねー。両方ないと思考をフリーハンドにできませんものね!
本日も貴重なコメントありがとうございます。