自己犠牲にはまる時、というより「犠牲的精神」に則って行動する人は結局依存心が強いのだと思う。
自立していると自分のこともはっきり客観的に観察することができるのだが、すがっている時はまったく自らを見失ってしまう。
よくよく考えると、それは他人に何かをしてあげているという状況に酔っているようなもの。この人は自分が支えてあげなければ駄目になるなんていう思いは単なる自惚れに過ぎない。自分がいなければという幻想に縛られ、かっこうをつけているだけでそこに依存しているに過ぎない。その事実に早く気づき、考え方を改め、見方を変えれば状況は随分変わるだろう。
品川から新幹線に乗り、京都を経由して実家へ。車中でそんなことを考えながら、The Beach Boysの”Smile”を聴く。60年代末に封印された音源がようやく陽の目を見、40数年ぶりに公になったが、そのニュースだけでも心が躍ったのに、実際に音を聴いてみて本当に感激した。数年前にBrian Wilsonが単独でリリースしたものとやっぱり何かが違う。ここにはCarlがいてDennisがいて、MikeもAlも、そしてBruceもいて、5人のハーモニーがリアルに響いている。こういう音楽はイヤホンを通して聴くことで一層その意味が明確になる。一切の外部音をシャットアウトし、自分の殻に入り込んでその音の波に埋没する。
The Beach Boys:Smile
確かにこれらの音楽は当時の耳からすると相当にアバンギャルドなのだろう。ようやく時代が追いついたということか・・・。繰り返し聴くたびに新たな発見がある。そもそも1967年のあの頃、Brianを除くメンバーがリリースに決して前向きではなかったのではないのか。それが現代になり、鬼籍に入った2人を除く3人の全面協力の下発売にこぎつけたというのだから、The Beach Boysの面々の意識がそれだけ進化、進歩したということ(単にお金儲けという意味合いもなきにしもあらずだろうけど・・・笑)。
いぜれにせよ「この時」をいつかいつかと心待ちにしていたファンにとってはメンバーからの思いもかけぬプレゼントになるはず。安易に歓喜の声をあげてしまうのを少々抑えて、この年末年始は”Smile”の世界に浸ろう。
アルバム・タイトル通り「微笑」により2011年の暗澹たる雰囲気をぶっ飛ばそう。
そして、まもなく迎える2012年を最高の年にすべく祈ろう!
[…] 40余年の時を経てリリースされた”The SMiLE Sessions”を初めて聴いたとき、僕は心底感動した。確かにこの「前衛的な?音」は、マルチに楽器を操りながら作曲からプロデュースまで一人 […]