レーグナー指揮ベルリン放送管のビゼー「アルルの女」(1974録音)ほかを聴いて思ふ

ブリティッシュ・モダン音楽の最右翼?
インデックスの奇数番がロキシー・ミュージック時代の、そして、偶数番がソロ時代のブライアン・フェリーの洒落たベスト・アルバム。それにしても初期ロキシーの野暮なくらいの斬新さとファンキーなフェリーの歌唱にあらためて感動。
最初のソロ・アルバムからのファースト・シングル”Slave To Love”の懐かしさ。
また、亡きジョン・レノンに捧げた、ロキシーの”Jealous Guy”でのこぶしの聴いた深みのある歌の永遠。フェリーは泣いているのだ。

I didn’t mean to hurt you
I’m sorry that I made you cry
I didn’t want to hurt you
I’m just a jealous guy

・MORE THAN THIS The Best Of Bryan Ferry + Roxy Music (1995)

そして、カヴァー・アルバム“Taxi”からの”I Put A Spell On You”は、いかにもソフィスティケートされた「夜の音楽」。いかす。

子どもの頃に戻ったような気分。
母親に物語を読み聞かせてもらっているのではないのかと錯覚するくらい、彼の音楽はどの瞬間も描写的で、美しい。音楽は歌い、語り、そして絵を描く。
ただし、この夭折の作曲家は、生前評価されなかった。

ジョルジュ・ビゼーの「アルルの女」。
悲劇への付随音楽でありながら、少なくとも組曲はとても明朗だ。これほどの音楽が、初演当初評価されなかったことは不思議でならないが、おそらくそれは、ビゼーの作曲技法の革新によるのかもしれぬ。

晩年は精彩を欠いた(といわれる)ハインツ・レーグナーが残した名演奏。
ビゼーの音楽が光り輝き、色彩豊かに描かれる様。
第1組曲第1曲「前奏曲」から確信に満ちた足取りで、歩が進められる。ちなみに、僕のお気に入りは、第4曲「鐘」。何と繊細で豊かな音調を示す音楽なのだろう。そして、第2組曲から有名な第3曲「メヌエット」の、ハープを伴奏にフルートによって奏される旋律の静けさと可憐さ。元々は「美しきパースの娘」中の曲だったものをエルネスト・ギローが編曲転用したものだが、こんなに心を震わせる音楽はなかなかない。
それにしてもレーグナーの音楽作りは何と重厚で、その上美しいのだろう。

ビゼー:
・「アルルの女」第1組曲
・「アルルの女」第2組曲
・組曲「子供の遊び」作品22
・組曲「美しきパースの娘」
ハインツ・レーグナー指揮ベルリン放送管弦楽団(1974-75録音)

音楽が弾け、飛ぶ。
組曲「子供の遊び」第1曲「行進曲(ラッパと太鼓)」での躍動が堪らない。あるいは、第2曲「子守歌(人形)」は、心底優しい。レーグナーのビゼーは実に洗練された音響の中にある。

国家というものが誕生しはじめた世界にあって、イギリス人がふと自分たちは何者なのか、どこから来たのかを知りたいと思ったのは当然といえば当然だ。アーサー王の物語は、もちろん作り話なのだが、ひとつの説得力のある答ではあった。ブリテンはアーサー王によって統一され、その時代の英雄たちは友愛、勇気、名誉というすばらしい価値観で結ばれていたというイメージは、読者の琴線にふれるものだった。
マーティン・J・ドハティ/伊藤はるみ訳「図説アーサー王と円卓の騎士―その歴史と伝説」(原書房)P234

大陸続きのヨーロッパ世界の歴史は戦争一色。
15世紀、百年戦争でフランスを勝利に導いたのがジャンヌ・ダルクであり、その後に戴冠したのがシャルル7世。王はブルゴーニュを平定し、プロヴァンスとブルターニュを統合、そのときほぼ現在のフランスの形に成った。

 

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