ミラクル・トランペット!!

trumpet_worls_nakarjakov.jpg20年ほど前、ある女性から「ぜひ聴いてみて!」と手渡された1枚のCD。つい最近まで「楽器聴き」などという聴き方に目覚めていなかったものだから、当然その時も「まぁ、そこまで強力におっしゃるなら・・・」という程度で受け取ったまま、しばらく聴かずに放置しておいた。何日かした後、その方とまたお会いする機会があり、感想など求められたら大変とばかりに慌てて聴き始めたところ驚いた。トランペットってこんなに簡単に吹けるものなんだろうか・・・。

10歳で楽器を手にして、15歳の時に録音したという音盤。アルバム邦題が「ミラクル・トランペット」ということだが、ほんとにミラクル!

先日の雪模様が嘘のような暖かさと、竜巻かと思うほどの強風。春の気配を少し感じた。季節の移り変わりが肌で感じられる。そんな春めいた日に気楽に取り出せるこういう音盤の存在はありがたい。


この15歳の少年も今や34歳になる。そういえば彼は、アルゲリッチの独奏によるショスタコーヴィチの第1協奏曲でも抜群のトランペット・ソロを披露してくれているが、20年前のこの時の衝撃に比べたら少しばかり感動の度合いは落ちてるかも。いずれにしても実演未体験なので機会を作って彼の演奏に触れてみたい。

・ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(ドクシツェル編)
・アレンスキー:コンサート・ワルツ
・アーバン:「ヴェニスの謝肉祭」の主題による変奏曲
・ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
・バーンスタイン:ロンド・フォー・リフィー~ブラスのための5つの小品より
・グラズノフ:アルバムブラット
・ストールティ:ブルレルケ
・ハルトマン:アーバックルニャン・ポルカ(ホックス編)
・フィビヒ:詩曲
・リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
・ディニーク:ホラ・スタッカート
・グリエール:ワルツ
・リュッフ:トランペットとピアノのためのソナチネ
セルゲイ・ナカリャコフ(トランペット)
アレクサンドル・マルコヴィッチ(ピアノ)

1曲目の「ラプソディ・イン・ブルー」からもう自分の身体にトランペットが生えてる(笑)んじゃないかと思わせるほど。上手過ぎる・・・。それに、アーバンによる「ヴェニスの謝肉祭」の主題による変奏曲!!

3 COMMENTS

雅之

おはようございます。
トランペットは、あれほどカッコよく人気のある花形楽器なのに、クラシックの協奏曲での名曲は、信じられないくらい少ないのが不思議ですよね。名作とはいえ、いつまでもハイドンとかフンメルばかりじゃ、華のあるトランペッターには物足りないと想像します。トランペット協奏曲で凝った作品は、ポピュラーではないものが多いですし・・・。だから、いきおいどうしてもこの楽器のファンは、ジャズのほうに憧れてしまいがちです。
で、クラシック界では、スター性のある天才ナカリャコフによる、循環呼吸や循環呼吸+タンギングなどの超高度な技を用いた、ご紹介の超絶技巧名曲集などが喝采を浴び迎えられたりするわけですが、超絶技巧を超絶技巧と感じないくらい自然に滑らかで、見事ですよね。私も大好きです。
>先日の雪模様が嘘のような暖かさと、竜巻かと思うほどの強風。春の気配を少し感じた。季節の移り変わりが肌で感じられる。そんな春めいた日に気楽に取り出せるこういう音盤の存在はありがたい。
同感です。
私が、ナカリャコフで内容的により好きなCDは、
1. チェロ協奏曲第1番ハ長調(ハイドン)(ソロ・フリューゲルホーンのためのアレンジ版)
2. ヴィオラ協奏曲ニ長調(ホフマイスター)(ソロ・トランペットのためのアレンジ版)
3. ヴァイオリン協奏曲ニ短調(メンデルスゾーン)(ソロ・トランペットのためのアレンジ版)
演奏: ヴィルテンベルク室内管弦楽団, ナカリャコフ(トランペット)
指揮: フェーバー
http://www.amazon.co.jp/%E8%B6%85%E7%B5%B6%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E9%9B%86-%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC-%E3%82%A4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%AF/dp/B00005HI4J/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1298071779&sr=1-1
です。
この中では、特にメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(あまり有名でない二短調のほう。1951年にヴァイオリニスト、ユーディ・メニューインによって発見されるまで忘れられていた作品)のソロ・トランペット編曲版が掘り出し物で素晴らしく、クラシックの、特にロマン派で、トランペット協奏曲の名作が少ないという寂しい現実の、多少なりとも喝をいやしてくれます。このCDもお薦めしますので、機会があれば聴いてみてください。

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雅之

喝をいやしてくれます。は、渇をいやしてくれます、ですね。変換ミスm(_ _)m

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
おっしゃるとおりですね。
トランペット吹きはどうしてもジャズに目が行きがちになりますよね。
昨日、ナカリャコフを聴きつつ、Youtubeでいろいろと検索していて、メンデルスゾーンのニ短調のコンチェルトトランペット版を発見して、いいなぁと思っていたところでした。
CDもリリースされていたんですね。機会を作ってきちんと聴いてみるようにします。ありがとうございます。

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