若い頃、クラシック音楽を高尚な別格の音楽だと勘違いし、その他のジャンルを否定していた時期があった。18歳の頃ビートルズに出逢いロックの世界に目覚めた後も邦楽に関してだけは偏見の目で見ていた時期が長かった。山下達郎にかぶれ必死でその「良さ」をアピールしている友人を馬鹿にしながら、僕は相変わらずフルトヴェングラーがどうの、バックハウスがどうのとのたまわっていた。
自分自身の音楽に対する「器」が広がったのはもう少し後のこと。仕事をするようになっていつしか達郎の音楽世界に感化され、気がつくと彼の音源を追っかけている自分がいることに気づくのに時間はかからなかった。
そろそろ梅雨明けの季節。そして真夏の到来。夏といえば山下達郎である。僕にとって達郎デビューは「メロディーズ」(1983年)というアルバムであった。今でこそクリスマスの定番ソングになっている「クリスマス・イブ」を含む全10曲の傑作アルバムである。このアルバムである意味一気にメジャーにのしあがっていくのだが、25年近くを経た今聴いてもとても新鮮。最近は何年も新作を発表しない彼だが、この頃はまだまだ少なくとも2年に1枚はリリースしていたように思う。
思いっきりボリュームを上げて聖なるこの「浄化音楽」に耳を傾けてみよう!!
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[…] 僕が初めて達郎の音楽に触れたのは確か”Ride On Time”のスマッシュ・ヒットで一般的にも有名になった70年代後半のことだったと思う。その後、きちんと聴き始めたのは83年のアルバム”Melodies”から。以降はほぼすべてのアルバムをオン・タイムで聴いてきているものの、何と言っても山下達郎のライブを一度も経験していないところが僕の弱点。これまで機会はもちろんあった。本気になればチケット争奪戦なども軽くクリアするだけの根性はあったのだけれど、クラシック音楽のコンサートの場合と違ってどうにもそこまでの気合いが入らず、結局今の今まで完全にチャンスを逸してしまっていた。今回の映画を観て、そのあたりを少し、いや、猛烈に後悔、反省した。 […]