結果的に週末の2日間だけサイトにアクセスできなかったということで問題は解決した。
お陰様でドメイン復活。自分の確認ミスから起きたことだが、極めて短期間で元に戻ったことと、その間いろいろな気づきを得ることができたことが不幸中の幸い。
気づいたこと。
まず、いかに無意識に日常インターネットに依存しているのかということ。まる2日間サイトにアクセスできず、メールもチェックできないという事実に愕然としながらも、日々そのことに費やしていた時間がどれだけ多かったことかを再認識。一切を忘れて、例えばワークショップに没入し、あるいは新宿御苑の木漏れ陽の中で読書し、感じようと意識した。帰宅してもやっぱり読書をするか音楽を聴くか、観るか・・・。
とても充実した「時間」を過ごせた。
ようやく「レコード芸術」7月号を買い求め(あわせて久しぶりに「音楽現代」7月号も。こちらも吉田秀和さんの追悼特集記事)、久しぶりにじっくりと読んだ。中で、2011年4月1日の、吉田さんの水戸芸術館全職員への挨拶抜粋の言葉に心を動かされた(いや、その正しいお考えにショックを受けた)。
「今度の災害で、僕が思ったのは、あんなに巨大な地震が来て、あんなに大きな津波が来るというのは、想定外だと言っているけれど、でも日本にも何人か学者もいるでしょうし、あれだけの危険なエネルギーの源泉を日本のこの狭い国土のあちこちに建てるについては、やっぱり国民の生命と財産の安全に責任を持った上でした仕事だろうに、想定外ということで間に合わせるような気風を見ていると、その人たちを責めるというよりも、やっぱり僕たち、日本人全体として、イマジネーション、貧弱だったのかな」(「レコード芸術」7月号P71から抜粋)
知らず知らずのうちに感じること(想像すること)を忘れ、考えることばかりに終始していた。
インターネットは便利で、今ではなくてはならないツールだけれど、あくまでツールに過ぎない。たった2日間だが、使えないからといって(大事なメールが来ているのではないかという少しの不安はあったけれど)実はまったく問題にならなかった。それより、そういう便利なものを偶然に手放さざるを得ない状況に置かれ、そんなものがなかった時代の感覚、そう、ほんの一瞬でもあの頃の「原点」に戻れたことがとても良かった。
このブログについてもそう。何だか後ろからせっつかれるような忙しさを感じながら、何とか考えて記事にするという日も多かった(もちろん大勢の読者の方々がいらっしゃるお蔭でブログが存続できているわけで、それに感謝しつつも)。いずれにせよ継続して書くことを決心しているので、章を新しくするにあたって、これからはもう少し感じながら、そう、貧弱になってしまったイマジネーションをもう一度取り戻すよう意識しながら書いてみようと思っている。
ということで、今日から記念すべき第5章に入る。
さて、イマジネーションを掻き立てる音楽は何か?ここはやっぱり「マタイ受難曲」。
最新のラトル&ベルリン・フィルによるBlu-ray(この映像は実に興味深い。早く鑑賞してみたい)といきたかったが、このところのバタバタで未入手。然らばオーソドックスにリヒターの40年前の映像で。
いや、本当に素晴らしい。言葉にならない圧倒的感動。リヒターの「マタイ」は新旧両盤、そして来日ライブ盤のいずれも大切な愛聴盤だが、このDVDはおそらく音と映像が別収録されてミックスされていて、口の動きと歌に多少のずれが生じているということを差し引いても、若き日のシュライヤーをはじめとしてゲロウト・シュラムやユリア・ハマリの抜群の歌唱を、彼らの姿を観ながら聴けるところが嬉しい。
人として生まれた幸せ、そしてこの宇宙、この大地に存在していられる喜び。
「マタイ」を聴く悦び。イマジネーション・・・。
おはようございます。
吉田さんは東日本大震災や原発の問題に心を傷められ、度々言及されていましたからね。
気付かない人、見て見ぬふりをする人、問題意識を持ちながら行動に移さない人、皆大罪人だと思います(もちろん私もその1人です)。
リヒターの「マタイ」を持ち出されたら、中々対抗することは出来ません。
Jesus Christ Superstar [DVD] [Import] (1973)
http://www.amazon.co.jp/Jesus-Christ-Superstar-DVD-Import/dp/B0068FZ0R4/ref=sr_1_5?s=dvd&ie=UTF8&qid=1340657855&sr=1-5
ジーザス・クライスト=スーパースター(リメイク版) [DVD]
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC-DVD-%E3%82%B2%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%BA/dp/B0002K7BHS/ref=sr_1_1?s=dvd&ie=UTF8&qid=1340657855&sr=1-1
1973年版が思い出深いです。
>雅之様
おはようございます。
リヒターへの対抗盤、そう来ますか!
いやぁ、懐かしいです。
リメイク版は観ておりませんが、久しぶりに観たくなりました。
ありがとうございます。
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