ビーチ・ボーイズもライブで実力を発揮するバンドだったんだ

60年代後半のビーチ・ボーイズの人気というのは途轍もないものだったんだということを、当時のライブ・アルバムを聴いて再確認する。基本的にはブライアン・ウィルソンのバンドだという認識が僕の中にはあるが、このバンドの特徴はビートルズなどと同様、全員がヴォーカルをとれるということ。このあたりの面白さはコンサートの実況録音盤だと一層明らかで、様々な曲調の音楽が目白押しで、当然ながら誰がヴォーカルをとるかによって見事に変化があり、それがビーチ・ボーイズの「芸術性」の幅を拡げ、単なる一介の人気バンドでないことを証明する。

1990年に2 in 1のCDとして一挙リリースされたビーチ・ボーイズのアルバム(海外盤)を、当時僕はすべて購入した。1枚30分強のアルバムを2枚分抱き合わせにして1枚のCDにボーナス・トラックとともに収録するというアイデアはとても画期的で、価格がいくらだったかは覚えていないが、お得感満載で、何日もそれらをずっと聴いていたことが昨日のように思い出される(確か、今日のようなうだる暑さの真夏日じゃなかったか・・・)。

1964年にリリースされた”The Beach Boys Concert”(1963年5月のコンサートから)の方は、Brian在籍中のもの。
そして、1968年8月12日と12月1日のコンサートから編集された”Live In London”にはBrianに代わりにBruce Johnstonが加入している。何とこちらの方は”Darlin’”から始まり、”Wouldn’t It Be Nice”、”Sloop John B”と続く!!!(”Pet Sounds”の名曲たちがライブで再現されている!しかし、それにしても健闘はしているがBrianの抜けた穴は大きい)

The Beach Boys:Concert
The Beach Boys:Live In London

2つのアルバムの収録にはちょうど5年の開きがある。この時代の5年という時間がどれほど大きかったのかを2つのアルバムを聴き比べてみて垣間見ることができる。バンドの演奏技術はもちろんのこと楽曲の質も随分変わった。それと何より僕が注目するのは観客の質!これはアメリカでのコンサートかイギリスでのものかという差もあろうが、”Concert”の方では観客のヒステリックな絶叫が終始鳴り止まない様子に対し、”Live In London”の方は少なくとも演奏中は大人しく音楽に浸っていることがよくわかる。

ところで、”Concert”はビーチ・ボーイズ初のナンバー1アルバム。それほどに選曲も演奏も歌唱も優れ、全盛期のビーチ・ボーイズの全てがこの中にある。ブライアンの歌う”In My Room”の美しさよ!!

今日も暑かった。
こういう日にビーチ・ボーイズの音楽は似合う。

“Live In London”における”Their Hearts Were Full Of Spring”のアカペラ・コーラスの美しさ。カール・ウィルソンの歌声が眩しい”Good Vibrations”、そして”God Only Knows”!!
ビーチ・ボーイズも実にライブで実力を発揮するバンドだったんだ・・・!!


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。

>ビーチ・ボーイズも実にライブで実力を発揮するバンドだったんだ・・・!!

じゃあ、今月は絶対に行って、ご自分の目で確かめなきゃ(笑)。
日程が合わないとは言わせない(笑)。
身軽な岡本さんなら、大阪だろうが名古屋だろうが、ちょちょいと行ったらいいだけ。

「結成50周年を記念して再結成したThe Beach Boysが8月に東京・名古屋・大阪をまわる来日ツアーを開催」
http://privatedub.com/p/42483

私の趣味としては、どちらかというと、9月のバート・バカラックの来日公演の方が気になりますが。
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=8158&shop=1

どちらにしても、50年の時の流れは重いですね。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
そうなんです。
ビーチボーイズなんです。しかも50年です。
しかしながら、日程的にどうしても無理・・・。
今回は諦めております。

それにしてもバカラックってもう84歳なんですね!!当然と言えば当然ですが、驚きです。

>ちらにしても、50年の時の流れは重いですね。

同感です。

返信する

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