Led Zeppelin Ⅲ (Deluxe Edition 2014)を聴いて思ふ

led_zeppelin_3高原に在って思うのは、昼夜問わず自然の音が常に在ること。
虫の声が当たり前のように存在すること。木々の、植物のざわめきから声が聞こえること。
無数の昆虫が合唱する様、そこには特別な旋律はなく、なるほどそれでも不思議に心地良いのはやっぱり「律動」と「和声」があるからだとあらためて気づいたり。

古の音楽も、現代の音楽も、調性音楽も無調音楽も、その根底にあるのは「律動」だ。そして、そこに一定の「力」があり、特別な創造力があることで、音楽は未来へ引き継がれ、聴き継がれてきたのだろう。そうでなければ何百年も残るはずがない。

レッド・ツェッペリン。結成から40年以上もロック界の奇跡として、しかもすでに解散して30余年であるにもかかわらず、影響を受ける若手は後を絶たず、21世紀の今に存在する事実。ましてや今年、ジミー・ペイジによって新たにリマスターされた初期3枚を聴いて、やっぱり不滅だと確信した。そして、彼らの音楽の内に在るのもやっぱり「律動」だ。

中でも、エレクトリックとアコースティックが見事に融合した傑作「Ⅲ」は、自分たちの方向性だけでなく、その後のロックのベクトルをも決定づけた大傑作、超名作だと断言する。発表当時、それまでのアルバムと同質のものを期待したファンは大変失望したというが、これほど重くかつ繊細で柔らかい、律動と旋律に溢れた作品は他でもなかなか見当たらない。

Led Zeppelin Ⅲ (Deluxe Edition 2014)

Personnel
John Bonham (drums, percussion, backing vocals)
John Paul Jones (bass guitar, organ, moog synthesiser, mandolin, double bass, string arrangement)
Jimmy Page (acoustic, electric and pedal steel guitar, banjo, dulcimer, production, bass guitar, backing vocals)
Robert Plant (lead vocals, harmonica)

事実、フォーク、トラディショナル、第三世界的要素(”Friend”のあまりのかっこよさに初めて聴いたとき卒倒した)・・・、あらゆるイディオムを駆使した高い音楽性に舌を巻く。

”Celebration Day”における独特のギター・リフはペイジにしか不可能なもの(実に新鮮!!)。そして、ブルース・ナンバー”Since I’ve Been Loving You”はジョンジーとボーナムの圧倒的リズム隊に支えられ、ペイジのギターがうねり、プラントが絶唱する永遠の名作(ここでの「律動」は半端でない)。最高である。
さらに、冒頭を弾きなおされる”Tangerine”のあまりに美しいアコースティックと、プラントの哀愁溢れるヴォーカルにひれ伏してしまいそう。

ところで、ジミー・ペイジが「コンパニオン・オーディオ」と称するボーナス・ディスクを聴いて、特に未発表曲”Keys To The Highway/Trouble In Mind”、”Bron-Yr-Aur Stomp”の原点であるインストゥルメンタル曲”Jenning Farm Blues”、そして”Out On The Tiles”のインストゥルメンタル・ヴァージョンである”Bathroom Sound”を耳にして思った。なるほど、4人のメンバーは最初から「共鳴」していたんだと。まさに4人は奇跡だと。

ちなみに、以前のリマスターに比較して本リマスター盤は、分離に優れ、抜けが良く、しかも低音がしっかりしていることが特長かな。

 

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