コンスタンツヤへのショパンの想い

だいぶお酒が入っているせいかお目当ての音盤が探し当てられない(笑)。
しからば、昨日の流れでショパンをと思い、プレーヤーの前に転がっていたルービンシュタインのノクターン第1集をかけてみた。それも極々微かな音量で。「夜想曲」という名の通り、深夜に耳にするにはもってこいの音楽。
ショパンのノクターン、特に初期のものは入門者にはうってつけのわかりやすい作品。これほどまでに美しい旋律を生み出せるショパンはやっぱり天才だと確信する。
それに、歴史的に振り返ってみても、彼の前に彼のような存在はないし、同時に彼の後に彼のような存在もない。当然、ショパンを模範にした作曲家は数多いるが、それでもショパンの後継だといえる音楽家は残念ながらいない(ように思う)。

1980年代の中頃から後半にかけてともに切磋琢磨した仲間たちと四半世紀ぶりに会合を持った。それぞれ50歳近い年齢になっているが、誰も何も変わっていないところがミソ。今や皆、自分の築き上げた舞台で活躍し、奔走する。彼らに言わせれば、毎日のように更新するこのブログは怪しいらしいが(笑・・・ちなみにFacebookに連動させているので見てはいただいているみたい)、そんなものなのかな??確かにこの記事だけを見ていると「何をやっている人なんだろう?」と思えなくもない。しかし、それはそれで良い。誰の目も気にすることなく好き勝手に書きたいことを書いているブログだから。

ショパン:ノクターン全集Ⅰ(第1番~第10番)
アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)(1965.8.30-9.2録音)

ルービンシュタインはこの全集をたった4日で一気に録音したんだ!作品の深度はそれぞれに変化があるけれど、ピアニストの楽曲に対峙する姿勢はどれもひとつも変わらない。常に真摯で「想い」がこもり、ショパンという作曲家の当時の心情が見事に再現されるのだから畏れ入る。ルービンシュタインの作曲家への尊敬の念が半端でないのだろう。録音はもうずいぶん古くなったように感じるが、それでもこの音盤の価値は永遠であり、不滅である。

第1番変ロ短調作品9-1の冒頭の流れるような甘美な旋律からして虜になる。
ワルシャワ時代の終わりからパリに出るまでの間に書かれた3曲のうちのひとつ。
これは切ない恋文だ。誰に宛てたものなのか?
おそらく、ショパンの初恋の相手で、結局ふられることになるコンスタンツヤ・グワトコフスカへの想いに違いない・・・。
恋愛こそは偉大な音楽家にとって大きな贈りもの・・・。

そういえば、27年前の今日、日航機の御巣鷹への墜落事故があったんだ。あれも昨日のことのように鮮明に思い出せる。そんな懐かしい日々と重なるショパンのノクターン。


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