冬の凍てついた空気に触れ、乾いた寒空に映える月は見事に美しい。しかも今夜の欠けた月はことのほかきれいだ。光があり、翳があり・・・、どうにもその翳の方に惹かれるのだけれど。
ジョンが逝き、ジョージも逝った。この2人のビートルは一時期インド哲学に夢中になった。そして、ジョージの方がより一層影響を受けた。ひとりになって進化、深化したジョージの音楽が僕は好きだ。
ビートルズ最後の録音においてジョージ・ハリスンは太陽について歌う(”Here Comes The Sun”)。
Here comes the sun and I say
It’s alright
安心と安寧の象徴としてのお日様に、ジョージはおそらく自身の恋愛の愉しかった思い出を被せる。そして、ソロになり、今度は月について歌うのだ(”Here Comes The Moon”)。
Impulse always quickens when it’s full
As it turns my head around me
Yes it does and here it comes
Here comes the moon
ここで語られるのはあくまで孤独な自分自身。恋人とのふれあい、そして愛について語るジョージと、あくまで自身を振り返り過去に思いを馳せるジョージと・・・。それらはいずれもジョージ・ハリスンの一面。真に人間というものは表があり裏がある。そして明があり暗があるんだ。
george harrison:best of dark horse 1976-1989
ジョン・レノンを追悼して発表された”All Those Years Ago”はやっぱり泣ける。ジョージ・ハリスンの想いが詰まった秀作。
I’m talking all about how to give
They don’t act with much honesty
But you point the way to the truth when you say
All you need is love.
Living with good and bad
I always looked up to you
Now we’re left cold and sad
By someone the devil’s best friend
Someone who offended all.
等身大のレノンから少々かけ離れ、美化したきらいはあるが、あの状況から創造されたものだとするなら仕方ない。しかし、すべてはこの一言に集約される。すなわち、” Living with good and bad, I always looked up to you”(生きていれば良いことも悪いこともある、でもどんな時も僕は君を尊敬していたんだ)。
今宵のお月様が笑みを浮かべている。
そんな気がした。
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