四重人格

The_Who_Quadrophenia.jpg今はとても便利な時代である。どんなことでも知りたいと思えば、ネットで検索するといくつもの該当ページが表示され(検索ワードを間違えない限りだが)、必要な情報で満たされており、いつ何時でも知りたいことの詳細を得ることができる。

「クラシック音楽講座」をやるにあたり、いつもは雑誌や書籍、あるいはインターネットなどを駆使して、文献を漁り、時代背景や作曲家の人となりをそれなりに調べた上で資料を作成することにしている。今月はロドリーゴの「アランフエス協奏曲」を採り上げることになっているのだが、ロドリーゴに関する資料のいかに乏しいことか・・・。今年は没後10年という節目に当たる年であり、「レコード芸術」や「音楽現代」などの雑誌類、あるいは新刊予定書などをあたりつくしても、ある程度まとまったものがなさそうなのである。ひょっとして2002年の生誕100年のときに特集が組まれていたのかもしれないが、残念ながらまったく記憶にない。所有する雑誌の全てをひっくり返して調べるわけにもいかずどうしたものか悩み中。はたと困った・・・。

夏になると24年前に催された「Live Aid」を思い出す。当時まだ録画機器を所有しておらず、眠い目をこすりながらお目当てのアーティスト観たさに24時間ロンドンとフィラデルフィアだったかの映像を食い入るように観ていたっけ・・・。Queen然り、Led Zeppelin然り・・・。でも、一番観たかったのは何といってもThe Who。「Love, Reign O’er Me(愛の支配)」が流れた瞬間の背筋が凍りつくような感動は、テレビとはいえ他にないくらいの体験だった。

The Who:Quadrophenia

Personnel
John Entwistle(Bass, Horns, Vocals)
Roger Daltrey(Lead Vocals)
Keith Moon(Percussion, Vocals)
Pete Townshend(Reminder)

Can you see the real me doctor?
先生、本当の僕がわかる?
Can you see the real me mother?
お母さん、本当の僕ってわかる?
Can you see the real me, can you?
本当の僕ってわかるかな?

「自分って誰なんだろう?」
人類永遠のテーマをロック・オペラに仕立てたPete Townshend渾身の傑作。僕は20代の頃からThe Whoの作品の中でことのほかこの「Quadrophenia(四重人格)」を好む。一般的にはどういうわけかそれほど評価は高くない。でも、同じコンセプトをとっていても「Tommy」よりよほどシンパシーを感じるのである。荒波のSEをバックに「I am the Sea」が流れ、4つ(4人)の主題が提示される。そして「The Real Me」へ。その後インスト・ナンバー「Quadrophenia」へという繋がりは怒涛の如くで、そのかっこう良さは他の何ものにも代え難い。

今宵、中目黒で出逢った輩はなかなかの男であった。25歳にして起業家。今後とも大事にしていきたい関係である。


3 COMMENTS

雅之

おはようございます。
資料、文献の少ない歴史上の人物を調べるのは大変ですね、お察しいたします、お疲れ様です。資料に残っていない部分を強引に肉付けして、NHK大河ドラマになってしまってはいけませんしね(笑)。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1772963
難しいですね。
・・・ここから、ガラっと変ホ長調に転調(笑)・・・
「Live Aid」は、いろいろ生でのトラブルもあったけど、壮大なイベントだったよね。ああいう催しはオリンピックやワールドカップ並みに、4年に一度くらいはやるべきだとは思わない?
ちょっと、そこの団塊の世代より上の人!!退職してお気楽にボーッとして遊んでないで、こういう世界平和につながる企画実現のために、再結集しなさい! 出せる人はお金もどんどん出しなさい! 小さくまとまって我に入らずに!(笑)
ご紹介の盤は所有してないけど、最高だよね! 俺はもっと大昔、ロック全盛時代のウッドストックの映像のDVDも持ってるよ! これは宝だよ! クラシック・マニアがいう「人類の至宝」よりね!(高笑い)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%88-%E3%82%A6%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%82%AF-%E6%84%9B%E3%81%A8%E5%B9%B3%E5%92%8C%E3%81%A8%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%81%AE3%E6%97%A5%E9%96%93-40%E5%91%A8%E5%B9%B4%E8%A8%98%E5%BF%B5-%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%A1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/dp/B00273D5GO/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1249510170&sr=8-1
ここでのThe Whoもカッコいい!
ロックに熱中した今や老いぼれた当時の若者よ! 次世代の平和と幸せために今一度立ち上がってくれ! 俺達も協力は惜しまないぜ!
そして21世紀に生きてる若いみんな! もっと音楽の持つ力を信じようぜ!!!

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
>資料に残っていない部分を強引に肉付けして、NHK大河ドラマになってしまってはいけませんしね
そうですね(笑)。いずれにせよ、ないものはしょうがないので、今回の場合は音楽を聴くことを中心に進めようかと思ってはいます。
転調後のメッセージ、いいですねぇ!!
>ウッドストックの映像のDVD
僕は残念ながらDVDはもってないですが、25年以上前に映画館でツェッペリンの「永久の詩」との2本立てで観た記憶があります。
The Whoかっこいいですよねぇ。
>そして21世紀に生きてる若いみんな! もっと音楽の持つ力を信じようぜ!!!
同感!

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