イザベル・ファウストのバッハと対峙して感じる

bach_solo_violin_faust_2師走は種々忘年会やら何やら。
久しぶりの午前様で頭は働かず。

酔い覚ましにリルケを読む。丑三つ時にバッハを聴きながら。

子守唄
或る日お前が 母さまのものでなくなっても
お前は それでも眠れるかしら?
お前の上で 菩提樹の梢みたいに
ざわめくわたしが居なくても。

小さな胸と手と足と それから可愛い唇に
たくさんの まぶたみたいに
たくさんの言葉を あちこち置きながら
わたしがこうして守しなくても。

星のかたちの茴杏と メリサの花でいっぱいな
花園みたいな 小ちゃなお前の
しずかな眠りを乱さぬように
暖かく包んであげる この母さまがいなくなっても。
リルケ詩集(片山敏彦訳)

J.S.バッハ:
・無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004
・無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調BWV1005
・無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調BWV1006
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)(2009.9録音)

1ヶ月半前の、さいたま芸術劇場でのあの舞台を思い出す。
あの時、一挺のヴァイオリンが織り成す孤高の世界を体感した僕はまったく言葉を失った。
しかし、この音楽は、真冬の凍てついた空気を背景に、独り静かに耳にするのに一層相応しい。ただひたすらバッハとのみ対峙する。

つまり、ただひたすら感じるのみ、ということだ・・・。
人間臭さを感じさせないイザベル・ファウストのヴァイオリンの音色が輪をかける。
おやすみ。

 


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