武道館公演2日目。そして日本ツアー最終日。
時間&空間芸術である音楽の面白いところは、全く同じ演奏は2度とできないこと。だから同じセットリストであっても価値がある。
ましてや、聴く側の思い込みや期待や、そういう心構えも初日とは異なるのである。その上、空気も違う。この1週間に猛烈な台風が通過し、そして昨日は皆既月食。さらに季節の変わり目のこの時期の1週間の気候の差は大きい。明らかに気温も湿度も先週よりは低くなり、過ごしやすくなっているゆえに。
だから・・・、とても良かった。
もちろん問題もなくはない。やっぱりこもり気味の音響が、大爆音になった時に音の分離を曖昧にする点。その分、音響が抑えられるバラード、特に”To Be a Man”に痺れた。ブラッド・デルプに負けず劣らずのトミー・デカーロの伸びのある美しいヴォーカルと、後に続くトム・ショルツの魔法のようなギター・ソロに釘付けになった。
BOSTON JAPAN TOUR 2014
2014年10月9日(木)19:00開演
日本武道館
Set List
―Rock & Roll Band
―Smokin’
―Feelin’ Satisfied
~MC
―Last Day of School
―Life, Love & Hope
―Peace Of Mind
―Cool the Engines
―Surrender To Me
―Don’t Look Back
―Something About You
~MC
―Amanda
―The Launch
―More Than a Feeling
―Instrumental Jam
―To Be a Man
―Walk On
―Foreplay / Longtime
~MC~アンコール
―I Think I Like It
―Party
Personnel
Tom Scholz (lead and rhythm guitar, keyboards, backing vocals)
Gary Pihl (rhythm and lead guitar, keyboards, backing vocals)
Jeff Neal (drums, percussion, backing vocals)
Kimberley Dahme (rhythm guitar, vocals)
Tommy Decarlo (lead vocals, keyboards, percussion)
Tracy Ferrie (bass guitar, backing vocals)
Siobhan Magnus (special guest vocals)
2回の武道館公演に触れて思うこと。
今回の公演では、”Surrender To Me”はキンバリー・ダームが、”Walk On”ではシボーン・マグナスがヴォーカルをとっていた。最大の問題はそこ。統一体としてのボストンが、これによってバランスを崩してしまった(ように僕には感じられた)。トム・ショルツが軸であることは絶対(それにしても”Walk On”中間部のショルツのキーボード・ソロは神懸かり的だった。この人は天才だ)。しかし、何がどうあろうとリード・ヴォーカルは分けてはならない。かつてデルプやコスモが単独でリードをとったように、「ひとりの男」がすべてを謳い切らないとダメなんだ・・・。リード・ヴォーカルとショルツの独特のギターが絡むその「間(ま)」にこそボストンの「魔(ま)」力があるのだから。
最後に欲を言えば・・・、やっぱりセットリストを多少なりとも変えてほしかった。
とはいえ、それでも先週と違って心が動いたことは間違いない。「あの場」に没頭する僕がいた。
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