世紀の邂逅

gershwin_bernstein.jpgピアニスト、バーンスタインは自由闊達でノリがよく、洒落た演奏を聴かせてくれる。さすがに一世を風靡したミュージカル「ウェストサイド・ストーリー」の作曲家らしく、聴かせどころを押さえており、大衆へのサービス精神を忘れない心構えがかっこいい。
そういえば、若い頃の彼の指揮は映像でも残っているが、台上で飛び跳ねたり、お尻を振ったり、最近流行のグスターヴォ・ドゥダメルがまだまだ「ひよっこ」に思えるほどそのパフォーマンスが堂に入って、まさに生まれながらのエンターテイナーなんだということがよくわかって面白い。ただし、ドゥダメルに関しては、評判のCDをきちんと聴いたこともなく、先日NHKで放映された来日公演の、それもアンコールで「のだめ」のSオケさながらのアクロバティック・パフォーマンスを観たに過ぎないからこれ以上の言及はできないけど。そういえば、「のだめ」のアニメやドラマでSオケが学園祭で仮装コンサートをやったシーンがあったのを思い出した。ピアニカ入りの特別編成版での「ラプソディ・イン・ブルー」。なかなか刺激的で面白かった・・・。

ところで、今回の滋賀でのコンサート、及び講演会では愛知とし子がピアノ・ソロ版の「ラプソディ・イン・ブルー」を弾く。この音楽はディズニーの「ファンタジア2000」でも採用されていたが、万人受けするメロディとノリ、そしてほど良い演奏時間で聴きやすく、今や誰もが知るであろう超有名曲。楽しみだ(この音楽を独りで表現するとなると相当難しいんだろうな・・・)。

ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(グローフェ編)
レナード・バーンスタイン(ピアノ&指揮)
ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団

僕はこの曲のオリジナル版といわれるものでの演奏は聴いたことがない。少なくとも長いクラシック愛好人生の中で、この曲に惚れ込んであらゆる音盤を聴き漁ったという事実もない。バーンスタインの弾き振りした新旧2種の音盤で満足してしまい、あえて他に食指が動かなかったということもあるだろう。それにしても久しぶりにこのCDを取り出して聴いてみたが、やっぱりジャジーで滅法かっこいい。
ちなみに、ピアニスト、バーンスタインといえば、彼がウィーン・フィルを振ってのラヴェルの協奏曲も僕が好きな演奏の一つ。「レコード芸術」2007年3月号では「ラヴェル&ガーシュウィンとその時代」と題して特集が組まれていたが、二人の初めての出逢いは1928年3月7日、ニューヨークのことであったそう。アメリカを訪れていたラヴェルの53回目の誕生日を祝うパーティーを予定していたゴーチエ夫人が「プレゼントは何がいいですか?」と尋ねたところ、ラヴェルは「そうだな、ガーシュウィンに会って、彼の演奏を聴いてみたいな」と答えたことで、この世紀の邂逅が実現したのだという。素敵・・・。ラヴェルが協奏曲を作曲したのが1932年のことだから、やっぱりガーシュウィンの影響を受けてるのだろうか・・・。


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。
>最近流行のグスターヴォ・ドゥダメルがまだまだ「ひよっこ」
おっしゃるとおりです!私もあの演奏会のアンコール以外は、芸術的な面で真面目に評価するつもりも毛頭ありませんし。ただ、ああいうパフォーマンスを観ることにより、クラシック音楽ファンの裾野が拡がればいいなと思います。彼にはバーンスタインみたいにクラシック音楽の啓蒙活動に貢献して欲しいです。
ところで、ラヴェルとガーシュイン、この二人の作品をカップリングしたロジェ(p)ド・ビリー&ウィーン放送響 の演奏によるSACDは、私の昨年買ったなかで、最も気に入っているものでした(演奏も録音も最高です。私は、特にラヴェルの「左手」を偏愛しており、この曲のCDの全収集を目指しています)。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2680544
ロジェは、デュトワとのCDのころより格段に深みを増していて、文句のつけようがありません。私は、このSACDで、ガーシュウィンとラヴェルは、脳手術後1937年没、生涯独身、存命中から人気作曲家、といった共通点が多いことに気づきました(HMV レビューより)。
なお、ガーシュイン自身が「ラプソディ・イン・ブルー」を弾いた映像の一部は、NHK「映像の世紀: 第3集: それはマンハッタンから始まった」 で観ることができます(このDVD、所有しています)。彼自身の弾くこの曲は、我々のイメージするものとかなり違いますので、「ラプソディ・イン・ブルー」に興味のある方には、必見、必聴だと思います。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1460973
ご紹介のバーンスタインの諸盤についての素晴らしさについては、同感です。
(いつもすみません、さっきのコメント、文章のつながりがおかしかったので削除お願いします)。

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岡本浩和

>雅之様
おはようございます。
さすがは雅之さんですね。
ご紹介のロジェのSACDは未聴ですが面白そうですね。それに左手の協奏曲を蒐集されているとは!
>ガーシュウィンとラヴェルは、脳手術後1937年没、生涯独身、存命中から人気作曲家、といった共通点が多い
僕は「レコ芸」の例の2007年3月号の特集でそのことを知りました。
あと、「映像の世紀」も観ていないのでとても興味あります。

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