地球がひん曲がっている(笑)

shostakovich_stern_ma.jpg5泊6日の滋賀の旅を終え、本日午後帰京。癒されました。
今回の催しでは今後の展開に役に立つようないろいろな気づきをいただけたことが何よりも収穫。例えばコンサートの集客について。15日の信楽町文化協会主催のコンサートは無料であったが、次回からは有料にしたほうが良いのではないか。たとえ数百円でも料金をいただくことでお客様も必ずいらしてくださるだろうし、演奏する側も一層本気モードになれる。それと、今回は第2部の初めに童謡や唱歌を会場の皆様と歌うコーナーを設けた際、友人らに舞台上で一緒に歌っていただくよう段取りをとったが、子どものことには親御さんも一生懸命になるだろうから、ひょっとすると地元の小学校や中学校の協力を得て、子どもたちに舞台上に上がっていただけるよう手配することで、より集客が見込めるのではないかということ。

昨日は滋賀ダイハツ販売株式会社の「エクセレント後継者育成塾」にお招きいただき、1時間の講演(第2部は愛知とし子リサイタル)。19時からの開演だったゆえ、さすがにご参加いただいた70名ほどの幹部社員の方々もお疲れのようだったが、若輩者の拙い話を一生懸命傾聴いただき感謝の念でいっぱいである。ともかく「人間力」の重要性について僕なりの観点で多少の実習を織り込みながらお話できたことはとても良い経験だった。ありがとうございます。

それにしても東京の人の多さは半端でない。空気の良い、人気の少ない田舎にしばらく滞在するとその「異常さ」が身に染みてわかる。地球がひん曲がっているのではないかと思わせるほどの「気」の乱れ。そういえば今回のツアーには1泊だけとはいえHがはるばる東京から遊びに来てくれた。ぜひ一度連れて行きたいと思っていた飯道神社にも帯同できたのでこれは良かった。彼曰く「これほど汚れていない神社は日本国内探しても珍しい」と。我が故郷は神様に守られているよう。よかった(笑)。

ショスタコーヴィチ:
ピアノ三重奏曲第2番ホ短調作品67
チェロ・ソナタニ短調作品40
アイザック・スターン(ヴァイオリン)
ヨーヨー・マ(チェロ)
エマニュエル・アックス(ピアノ)

赤ちゃん&子どものためのコンサートと並行して、愛知とし子が室内楽に挑戦する。5年計画でラフマニノフ、プロコフィエフ、そしてショスタコーヴィチのチェロ・ソナタに取り組み、5年後に一気に披露するという試み。早速友人のチェリストから楽譜が送られてきたようで、1発目はショスタコーヴィチ。もう今から楽しみでしょうがない(嬉)。僕は地球がひん曲がったようなイメージを想起させる(僕だけか?)ショスタコのスケルツォ楽章が大好きである。どの楽曲を聴いても、一聴ショスタコーヴィチであるとわかる独特の節回し。ヨーヨー・マはもちろん、アックスも好演。いかにもアメリカナイズされたおよそロシアっぽくない響きではあるが、これはこれで良し。


7 COMMENTS

雅之

こんばんは。
お疲れさまでした。いろいろと有意義だったようで、よかったですね!
大成功のリサイタル(岡本さんの朗読付)を聴けなくて、本当に残念です。
愛知とし子さんの、5年計画での、ラフマニノフ、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタ演奏の壮大な取り組み、称賛と敬意の気持ちでいっぱいです。じっくり練り上げていただき、5年後に最高の演奏になることが、心底楽しみです。
3作品は、どれも20世紀前半の、いずれ劣らぬ傑作ですよね。ラフマニノフ作品はショパンのチェロ・ソナタ(この名作も演奏していただきたいです!)との共通性が興味深いですし、プロコフィエフ作品も作曲者晩年の美しい名作ですし、ショスタコーヴィチ作品は「ムツェンスク郡のマクベス夫人」などを書いたころの、作曲者の極めて充実した時期のものですよね。
5年後の演奏会、私にとっては、井上道義のショスタコの交響曲全曲ツィクルスに匹敵する感動を味わえるものになるかもしれません。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
いやあ、朗読は大変でした。台本があるものを気持ちを入れてプレゼンテーションするっていうのは難しいですね・・・。勉強になりました。
>ラフマニノフ、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタ演奏の壮大な取り組み、称賛と敬意の気持ちでいっぱいです。じっくり練り上げていただき、5年後に最高の演奏になることが、心底楽しみです。
この3曲でリサイタルを開くということなので本当に楽しみです。
しかし、5年後というのは遠いですねぇ・・・。50歳になってしまいます(笑)。

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kevala

岡ちゃん様
帰京。お疲れ様でした。というより東京が疲れますかね。
私はソウル、東京育ちですので都市育ちのため癒される感覚をあまり知らずに来たのは
残念ですが、東京にいても自分を癒せるようなそういう都市空間を作ることを大切に
していきたいと思っています。東京が私の故郷なので。
岡ちゃんさんのように帰るべきところがあるのはうらやましい。
いつも音楽に対するコメントが書けないのは恐縮ではありますが・・・
地球がひん曲がっている感覚は私も同じように思います。
今は緊急事態宣言のような感じでみんなが自分に目覚めるときだと思っています。
昨日は、チャイコフスキー先生に教えていただいた“音感”を磨くことを実践。
この曲はなんの音から始まっているでしょうか?クイズを自分で実践し
れいこせんせいに答えてもらいました。
音感もしかり感じることをみんなあまりにもしていないように思います。
自分も地球も今どうなんだろう・・って感じることですね。
感じることを避けているように思います。感じない方が傷つかないからだと思い込んでいるようです。
では近くお会いできるのを楽しみにしています。
kevala

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まーの

雅之さん
今回、一緒に組むチェロの方とは、ショパンの「序奏と華麗なるポロネーズ」は演奏したことがありますよ。
ショパンのチェロソナタは、まだやったことがありませんが、是非やってみたいです!!
5年以内にやる!という目標設定なので、楽しみです☆
是非、聴いてくださいね。

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岡本 浩和

>kevalaさん
コメントありがとう。
そう、田舎があるといいよね。癒されます。
>今は緊急事態宣言のような感じでみんなが自分に目覚めるときだと思っています。
その通りね。
>チャイコフスキー先生に教えていただいた“音感”を磨くことを実践。
へぇ、面白いことをやってるのね。
>自分も地球も今どうなんだろう・・って感じることですね。
そうそう、それが大事です。

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雅之

まーの様
ショパンもラフマニノフも、チェロ・ソナタは、ピアノがチェロ以上に大活躍しますよね。その他にも似たところが多く、昔から両曲とも大好きです。ショパンのほうも、ぜひいつか演奏してください!(「序奏と華麗なるポロネーズ」の再演もお願いします!)
それにしてもラフマニノフ、ショスタコ、プロコのチェロ・ソナタの5年以内の演奏会でのご披露とは、何と壮大な計画なのでしょう!超楽しみなので、心から応援します!
いろいろな発見に満ちた、素晴らしい演奏になることを夢見て、
その日を心待ちにしています。
まーの様の演奏のご予定、楽しみなものばかりになりましたね!

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アレグロ・コン・ブリオ~第4章 » Blog Archive » プロコフィエフの第5シンフォニー

[…] ラテン及びスラヴ系の作品を振らせると右に出る者はなかなかいないんじゃないかと思わせるデュトワの棒は真に堂に入る。「古典」交響曲の方は実に可憐で瀟洒で、繰り返し聴けば聴くほどプロコフィエフがあらゆる時代の音楽を研究し尽くし、そのイディオムを自身に取り込み、そして独自の言語としてアウトプットしているということがよくわかり興味深い。ショスタコーヴィチの最初のシンフォニーがマーラーまでの巨大化する音楽(あるいはシベリウスの凝縮された世界)の語法を受け継ぎながらショスタコーヴィチならではの天才性を発揮したものであるのに対し、プロコフィエフのそれはいわば「古きを温ねて新しきを知る」という語法を駆使しての、こちらも天才が横溢する傑作。久しぶりに耳にして、それもショスタコーヴィチと比較してみてそんなことを考えた。 一方の第5交響曲。独ソ戦の最中に作曲が開始され、初演はレニングラードがドイツ軍の包囲から解放された直後にあたるらしい(1945年1月13日)。ショスタコーヴィチが親友ソレルチンスキイの突然の死を悼んで第2ピアノ・トリオを書き、第2弦楽四重奏曲をちょうど書いていた頃である。 第1楽章を聴くと僕はウルトラセブンなどの特撮ものを思い出してしまう(これは勝手な僕の想像だけれど)。決して作曲者本人の中にそういう意図はないだろうが、開放的で勝利の喜びを謳歌する意思を感じるのである(打楽器の使い方が素敵)。 それと、第3楽章アダージョ。決して甘ったるくなく、といって難解で耳を塞ぎたくなるような玄人向け音楽でもない過去を追想するかのような懐かしさを秘めた音楽。そして、フィナーレでは冒頭で第1楽章の主題が回想される(どきっ!)。コーダの打楽器群の活躍も痺れる。 そういえば、小澤はどんな音楽を創っていたのだろう。終演後の熱狂的な拍手喝采だけが脳裏を過る。 […]

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