七夕に~出逢いも別れもすべて必要にして必然なり

prokofiev_romeo_dutoit_nhk.jpg「生まれる前から計画を立て、その計画通りに人生を歩む。よって良くも悪くも身の周りに起こるすべてのことは計画通りなのである」
もう15年近くも前にベストセラーになった「生きがいの創造」(飯田史彦著)という書籍がある。発売と同時にすぐに目を通したが、当時の僕にとってとても衝撃的だった。どういうわけか僕には、「輪廻転生」、「生まれ変わり」という考え方がすんなりと理解、納得できた。今の両親は自分が選んで生まれてきたということ、そして人生で経験することはすべて「生まれる前に」決めた上で出てきているのだと(ただし、都度の選択によって未来はもちろん変わるが)。

「人間の本質は決して変わらない」、
「変わるのは関係性だけ」、
そして、「関係性の良し悪しで状態の安定・不安定が決まる」
「人間力」とは、すなわち「人の間の力」と書く。まさに「関係構築力」。ほんの少しずつだが、本質が見えてきたよう・・・。

ところで、今日は七夕であり、そして満月でもある。1年に一度の彦星と織姫の逢瀬の日。新宿文化センター大ホールで愛知とし子が出演するランチタイム・コンサートが開催された。題して「ピアノ・プラネタリウム~織姫と彦星の恋物語~」。運よく晴天で、2百数十名のお客様にご来場いただけ、お陰さまで好評のうちに終了した。
現代はどんなに遠距離であろうとも電話やメールですぐに人と交流することができる。それに、いざとなったら新幹線や飛行機でどこにでもすぐに移動することもできる。自由恋愛の時代に、彦星や織姫の気持ちに共感できる若者も少ないだろうが、それでも恋人同士が離れ離れになる(互いの目を見つめ合うこともできず、身体に触れることができないという)辛さは十分理解できるだろう。

今月の「早わかりクラシック音楽講座」のお題はジュゼッペ・ヴェルディ。ヴェルディには「マクベス」や「オテロ」、「ファルスタッフ」などシェイクスピア劇を題材にした作品がある。作曲者自身も生涯シェイクスピアを崇拝し、読み続けていたのだとか。残念ながら僕はシェイクスピアに関して詳しくなく、多くを語ることができない。それでも「リヤ王」や「ロメオとジュリエット」の悲劇くらいは知っている・・・。ちなみに、「ロメオとジュリエット」は、「モンターギュ家とキャピュレット家の争い」を背景に、それぞれの息子であり娘であるロメオとジュリエットの許されない恋愛と、最期は双方とも壮絶な死を遂げるという悲しい物語である。この作品は、古今の作曲家にとって音楽化しやすい題材だったのだろう、ベルリオーズをはじめチャイコフスキーやプロコフィエフらが音楽をつけている。

プロコフィエフ:
・バレエ音楽「ロメオとジュリエット」(抜粋)
・交響曲第6番変ホ短調作品111
シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団

職人デュトワの棒は相変わらずイカす。モントリオール響との録音も素晴らしいが、このN響との音盤は、あまり評判にはならなかったように思うが、デュトワとN響の相性の良さが如実に証明された傑作だと思うのだが・・・(このシリーズも途中で頓挫したからなぁ。よっぽど売れなかったのかなぁ)。

bernstein_westside.jpgついでに今日はもう1枚、現代版「ロメオとジュリエット」。そう、「ウエストサイド・ストーリー」。

バーンスタイン:ウエストサイド・ストーリー
キリ・テ・カナワ、ホセ・カレーラス、マリリン・ホーンほか
レナード・バーンスタイン指揮管弦楽団&合唱団

劇中では名もない少女の歌として設定されている第2幕の「Somewhere」。マリリン・ホーンの歌声が切なく美しい。

There’s a place for us,
Somewhere a place for us.
Peace and quiet and open air
Wait for us
Somewhere.

どこかにきっと
私たちの場所がある
平和で静かな安らぎの場所が
私たちを待っている
どこかにきっと


4 COMMENTS

雅之

おはようございます。
愛知とし子さんの「ピアノ・プラネタリウム~織姫と彦星の恋物語~」、さぞロマンチックで素晴らしかったんでしょうね。行ってみたかったです。
>今日は七夕であり、そして満月でもある。
ところで、コメントを書く前にちょっと「七夕」についてWikipediaで調べて、私は知らなくて驚いたんですが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%83%E5%A4%95
「元来は中国の節句の一つであり、太陰太陽暦の7月7日 (旧暦)である。中国暦において7月は秋の最初の月「孟秋」であり、7日は上弦の月すなわち半月の日である」
じゃあ、新暦の七夕と意味がまったく違うじゃん!と思った次第です。
ちなみに旧暦の七夕はいつになるのかを調べてみたら、年によって物凄くバラつきがあり、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88:%E4%B8%83%E5%A4%95
何と今年は新暦では8月26日なんですね!これでは七夕に抱く季節感は大きく異なってしまいます。
楽しみで待ち遠しい、愛知とし子さんの新しいCD「bathing ikn the moonlight(月光浴)」は8月発売に延びましたね。せっかくですので、旧暦の七夕の日に聴いて、まーの様の名演を心から堪能しようかな。
>デュトワとN響の相性の良さが如実に証明された傑作
同感です。N響はユニオンがしっかりしていますから、モントリオール響のように奏者の首を挿げ替えてでも指揮者の音にすることはできませんからね、権限の枠の中ではデュトワは立派な仕事をしたと思っています。
>バーンスタイン:ウエストサイド・ストーリー
キャストがキリ・テ・カナワ、ホセ・カレーラス他ですからね、この時期のバーンスタインの重い指揮もあってほとんどオペラなんですが、私もこの録音、大好きです。

返信する
岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
おっしゃるとおり七夕ももとは旧暦がベースですね。
月の満ち欠けに対応した太陰暦こそ宇宙や自然の道理と一体になったもので、人間の意識と対応しているんだと思います。そう考えると今のグレゴリオ暦というのは味気ないです。
>8月発売に延びましたね。
そうなんです。編集上でトラブルがありまして、1ヶ月ほど延期です。これも何か意味があるんでしょうね。
いいですねぇ、バーンスタインの「ウエストサイド」自演盤。おっしゃるとおりミュージカルというよりオペラですが。

返信する
ともみ

七夕のブログにさかのぼって、今頃、カメなコメントですみません。
生きがいの創造に反応してしまいました。
もう15年も経つんですね・・・つい数年前の事のようなのに、月日のたつのは早いものです。
当時、2歳だった息子に、おなかのなかの記憶とか聞いたら、とても詳しく、ぺらぺらしゃべるんですよ。
おなかの中に入る前の記憶まで・・・・
もうびっくりしました。
妊婦の頃「ゴロちゃん」という熊のぬいぐるみをつかって、家族一同、私の妹も、夫の妹も「ボク・・・ゴロっていうんだよ生まれてきたら、一緒に遊ぼうね・・」なーーんて私のおなかに語りかけていたのですが、
生まれてからは、そのぬいぐるみ、実家の押入れにしまってしまって、息子とは遊んでいなかったのですが、その2歳の時に、おなかの中の記憶を聞いたとき「ゴロちゃん」って言ったのには驚きました。
おなかの中はちゃぽちゃぽしてたとか、暗かったとか、光がさしてきたとか、それはそれは、二歳児がしゃべっているとは思えない詳細でした。
3歳になったら、見事にその記憶はリセットされてしまってね・・
ボク、そんな事話したの?なんていっていましたけど・
あのあと、生きがいの創造は何度か、引っ張り出してきて読んでます。
ソウルメイトも信じてます。
私ね、おかちゃんご夫妻とも、初めて出会った気がしなくて、なんだか以前からのソウルメイトなような気がしています。

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岡本 浩和

>ともみさん
こんばんは、ご無沙汰しております。久しぶりのコメントもありがとうございます。
ともみさんも「生きがいの創造」にはまってらした時期があるんですね?!そうなんです!2歳頃の子どもって生まれる前の記憶をもってるんですよね。大抵そうです。
ともみさんのお子さんもそうだったですか!
もちろん人間は輪廻転生を繰り返していますから、過去世もソウルメイトもありますしね。
>おかちゃんご夫妻とも、初めて出会った気がしなくて、なんだか以前からのソウルメイトなような気がしています。
あ、確かに。昔会ってますね。

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