青空チベット体操

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ハイドン:十字架上のキリストの最後の7つの言葉
リッカルド・ムーティ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団以前も採り上げたが、時折この音盤が聴きたくなる。ムーティの音楽は余程でない限り耳にすることはまずない。ただ、これは彼がザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルと録音した実況盤とあわせてハイドンのこの傑作を知らしめてくれた僕にとって大切なCDである。
ハイドンの音楽は後輩であるモーツァルトやベートーヴェン(特に初期)の音楽とは似ているようで非なるもの、独自の輝きを放つ。しかしながら、この「十字架上」に関しては、明確な確証は一切ないものの、どことなくモーツァルトから影響を受けている、あるいはモーツァルトに大いなる影響を与えている、そんな音楽のように直感的に僕には感じられる。「ハフナー」交響曲や小ト短調交響曲の木霊する、果てしなく魂を癒してくれる、そんな傑作なのだと僕には思えるのだ。よくよく調べてみると、この「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」は1786年に作曲されたことがわかる。実際、礫刑に遭ったキリストの悲劇を表すに、ハイドンが1773年に創られたモーツァルトの小ト短調の激性を参考にしたとは考えられまいか。あるいは、1776年に生み出された「ハフナー」セレナーデの第1楽章第1主題-ともかくあの明快な機会音楽からあえて意識的に序章のテーマは借用されているのではないか。この音楽の持つ力は大きい。このハイドン一世一代の傑作は、実はあくまで悲しみの衣を纏った「歓喜」の音楽なのではないか。そんなことをついつい考えさせられる。

モーツァルト:交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

バーンスタインが晩年に録れたモーツァルトの一連の音盤は侮れない。決して鈍重にならず、かといって軽すぎず、モーツァルトの持つ愉悦感、そして時に哀惜感までもが十分に計算され-否、計算はない。まったく自然に奏でられるところが見事なのである。この「ハフナー」交響曲についても非の打ちどころがない。大袈裟かもしれないが、モーツァルトの音楽がこれほどまでに安心して聴ける音盤は珍しい。

aozora_tibet_091018.jpg朝から代々木公園で開催された「青空チベット体操at東京ベジフードフェスタ2009」のヘルプに借り出される。何と100名近くの方が参加された。快晴の中、大勢での体操は壮観である。それにしても、僕がこの体操を始めた6年前には想像もできなかったほど今や認知度が高くなっているのは驚くほどだ。何より手軽であること。そして継続さえしっかりすれば確実に成果が即みえてくるところがチベット体操の良いところ。ともかく始めるからには続けて欲しいと心底思う。


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。
ハイドンの「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」につきましては、岡本さんのブログをきっかけに、その後何回も聴いて学び、素晴らしい傑作だと感動しました。岡本さんに感謝です。
不勉強恥さらしついでに岡本さんに質問ですが、この当時からハイドンとモーツァルトにはフリーメーソンの結びつきがあったのでしょうか?
今思いついたんですが、前に岡本さんはベートーヴェンの弦楽三重奏曲をブログで取り上げられたことがあるでしょ。
「3」はフリーメーソンにとって重要な数字
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88K.563
ベートーヴェンも、「3」好きな岡本さんも、ひょっとしてひょっとするとフリーメーソン?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%B3

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
モーツァルトがフリーメイソンに入会したのが1784年12月といわれています。その後すぐ、1785年2月16日にハイドンを加盟させているようですから、「十字架上」作曲当時(1786年)はすでに二人の間にはフリーメイソンの結びつきがあったということになります。ハイドンがどれくらい密にフリーメイソンに関わったのかなどは勉強不足で不明ですが、「十字架上」にはそういう経緯が反映されてるかもしれませんね。
「自由、平等、友愛」をスローガンとしたフリーメイソンは「3」という数字を大事にしましたよね。ベートーヴェンもフリーメイソンなんですかね?少なくとも僕は違いますよ(爆笑)。ただ、フリーメイソン云々は抜きにして「3」には何か不思議な力が宿っているように思います。

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