チェリのチャイコ

tchakovsky_5_celibidache.jpg明日からほぼ1週間毎日某大学での午前中の講義に出講する。片道2時間の道程ゆえいつもより早い時間に起床し、準備をしなければならない。「早起きは三文の得」というし、実際夜明け前の空気は爽快な冷たさで、それが妙に気持ちよいので、楽しみにはしているのだが。
昨年の12月に集団討議やエントリーシートの講義を受け持った生徒たちに、今この時期に準備しなければならないポイントを体感的に教えてゆくのである。模擬面接やディスカッション。大人数での実施だから、ひとりひとりを個別に細かくフォローすることは物理的に難しいが、できるだけ「お役に立てるよう」ベストを尽くそうと考えている。それにしても今年就職活動をする学生諸君は大変である。頑張ってもらいたい。

わずかな時間とはいえ、学生と対峙することがとても面白い。若者を相手に語るとき、自分の中にある「熱いもの」が大いに高ぶる。これこそまさに天職なりと思えるのだが、いかんせん報酬が低い(苦笑)。ほとんど名誉職のようなものだと捉えているから、依頼をいただければ二つ返事で引き受ける。自分自身も十分楽しませていただいているからいいのだけど。

節分が過ぎ、いろんなことが整理されてゆく。心の中もすっきりさせた方がよいだろう。良い兆候もみられる一方でいわゆる「灰汁」も染み出してくる。心が騒いだとしても、冷静に、落ち着いて、地に足を着けろ、と戒められる。軽快に前に向って進んでいこう。

僕は頭の中でぐるぐると考え込む癖がある。悩むより人に相談を持ちかけた方が早いとわかっているくせにいざ自分事となるといつもの行動パターンにはまりこんでしまう。案ずるより産むが易し。

チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(1991.5Live)

チェリビダッケが熱い。もう少し若い頃、そのテンポのあまりの遅さに辟易した。残念ながら僕は彼の実演には触れられていない。チェリビダッケが嫌った録音でしか彼の音楽を聴いたことがない。ゆえに云する資格はまったくない。

それでも昨日の「悲愴」交響曲といい、この第5交響曲といい、ライヴでは「さぞかし」だったんだろうと思える名演奏だ。チェリのチャイコ、僕は好きである。


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。
チェリビダッケ&ミュンヘン・フィルのチャイ5は、1988年の映像も、LDで所有しています。晩年のバーンスタインとは別な意味で、あのテンポは凄かったですね。
チェリビダッケもヴァントも、チャイ5と「悲愴」の録音は残していても、チャイ4の録音はありません。難易度のより高い4番であの水準の演奏を聴くことができないのが、私には物足りないところです。ムラヴィンスキーにショスタコの第4交響曲の録音がない残念さほどではありませんが・・・。
チェリビダッケの解釈で一番聴きたかったのは、シベリウスの第6、第7交響曲あたりなのですが、録音は残っているのでしょうか? また、そもそもシベリウスは彼のレパートリーに入っていたのでしょうか? 絶対相性最高によさそうなんですが・・・。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。LDで所有されているんですね。
残念ながら僕はその映像は観ていないので、とても興味深いです。確かに4番の録音がないのは痛いところですね。
>チェリビダッケの解釈で一番聴きたかったのは、シベリウスの第6、第7交響曲あたり
あぁ、確かに!シベリウスは相性良さそうですね。
2番と5番に関してはスウェーデン時代の録音が残っていますよね。壮年期ですから、晩年の解釈とはおそらく違うでしょうが。(残念ながらこの盤は未聴です)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00005HMCU/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=classical&qid=1265581077&sr=1-1

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