あなたの勇気に感謝します

elp_tarkus.jpg2日間にわたってタッグを組み、チームでとことん作業を続けると相応の信頼関係ができる。そのプロセスにおいていろいろなことが起こる。時にいらいらしたり、時に笑みがこぼれたり・・・。そんな中、楽しいひと時はともかくとして、嫌な思いを相手に率直に伝えることは勇気がいる。特に、出会って間もない人に対してはそうそう厳しい言葉をかけることを人は躊躇うものだ。

とはいえ、お互いがきちんとコミュニケーションがとれている状態で、しかもきちんとその意味合いを伝えてフォローし、しっかりレールを引いてあげると、素直な若者たちはお互いに相手に感じたことを率直に指摘し合う。こういうところはこのようにするともっと良くなると思うよ、と。

アドバイスをいただいた後、いただいた方に対して必ず次の言葉で返答するよう僕は促す。すなわち、「あなたの勇気に感謝します」。家族などの近しい関係の人でない限り、到底言いにくいことをこの場で勇気を出して言ってくれた、その「勇気」に感謝する、と。

そういうセッションの後は、必ず場がひとつになる。今回の研修も結果的にはすごくよかった。最後はひとつになった。きちんと対峙し、自分とみんなを信じてやるべきことを進めてゆけば確実に成果が出ることをあらためて確認した。

明日から渋谷の某大学での「キャリア・プランニング講座(前期全13回)」が始まる。1年生の最初の授業。さて、どんな若者たちに出逢えるのか、また楽しみである。

別れと出逢いが交錯するこういう時期にはシューベルトの音楽(例えば即興曲集!)などがぴったりのように思うのだが、今日はあえてそういう音楽をやめにして、自らを鼓舞するために久しぶりの音盤を取り出した。

Emerson, Lake & Palmer:Tarkus

初期のEL&Pは刺激的だ。プログレというジャンルそのもの、そして演奏スタイルそのものがもはや古びた感を否めないが、このトリオの生みだす音は古くて新しい。時折聴いても、最初のイントロのところから一気に引きこまれる。それにしても、この音盤を初めて聴いた時はぶっ飛んだ(例によって当時のアナログ盤を処分してしまったことが悔やまれてならない)。

このアルバムがリリースされた1971年5月というと、僕は小学校2年生になったばかりの小僧である。明確な記憶は完全に薄れてしまっているが、当時の空気感は頭の片隅のどこかに残っている。もちろんEL&Pのことなど知る由もなかったが、「帰って来たウルトラマン」が放映され始めた直後だった。毎週テレビの前に釘づけになっていた。映画館に連れて行ってもらい、映画版の「帰って来たウルトラマン」を観た思い出も確かにある。小林昭二氏が出演したシーモンスとシーゴラスの物語だったと思う。懐かしい。


7 COMMENTS

雅之

おはようございます。
Emerson, Lake & Palmer:TarkusのLPジャケットも懐かしいですね。私は過去も現在もこの音盤は所有しておりませんが、カセットで借りてダビングしたものは中学時代っだったかに聴いておりました。確かに当時の特撮ものを彷彿とさせる音楽だったように記憶しています。
私は(初代)ウルトラマンやセブンまでにぞっこんだったので、「帰ってきた」にはがっかりしたクチなんですよね。かと言って1971年の同時期にスタートした「仮面ライダー」にも、対象年齢的にももうのめり込むことはなく、この時期は、あまりテレビには熱中していませんでした。
しかし「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明氏を筆頭に、我々と同世代の映像クリエーターは「帰ってきた」に子供のころ大きく影響を受けた人が多いですね。そして「エヴァンゲリオン」が作られなければ「踊る大捜査線」(フジ)や「映像の世紀」(NHK)などでの明朝体の特徴的なタイトルバックも無かったわけで、「バタフライ効果」を実感します。
「初代」「セブン」「帰ってきた」から平成の「ティガ」「ガイア」などに至るまで連綿と続く「ウルトラ」の最大の魅力、そして私が教わったことは、正義はひとつではないこと。怪獣や宇宙人から見た論理や正当性だってあるんだということ。相手の立場になって考えてみることの重要性。360度様々な角度からものを眺める習慣は、毎週異なる脚本家や監督の世界観、光の当て方、違うカメラのアングルで、私達の価値観を揺さぶりつつ本当に大切なものは何かということを教えてくれた、このシリーズの影響だと自覚しています。
私が本日聴きたくなった手持ちの音盤
「ピアノよ歌え第6集 思い出のシ-ンを弾く」小原孝 (ピアノ)
から、
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン Featured By “残酷な天使のテーゼ” (「新世紀エヴァンゲリオン」より)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/450481

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
今朝になってLP棚をみたら、このアナログ盤残ってました。どうやら捨てていなかったようです。
>私は(初代)ウルトラマンやセブンまでにぞっこんだったので、「帰ってきた」にはがっかりしたクチなんですよね。
おっしゃりたいことはわかります。
>かと言って1971年の同時期にスタートした「仮面ライダー」にも、対象年齢的にももうのめり込むことはなく
えー、そうなんですか?!雅之さんとは2歳違いですが、子どもの頃の2歳の差というのは大きいですね。「仮面ライダー」など変身ベルトも買ってもらうくらい大好きでした(そういえば、何年か前大人向けにリアルな変身ベルトが発売されて話題になったじゃないですか!思わず購入しそうになりました・・・笑)。
>「バタフライ効果」を実感します。
そうですね。今から考えると「帰って来た」は重要な役割を担っていると思います。
>正義はひとつではないこと。怪獣や宇宙人から見た論理や正当性だってあるんだということ。相手の立場になって考えてみることの重要性。
まさに!です。「人間」が唯一で、かつ一番偉いわけじゃないですからね。
>「ピアノよ歌え第6集 思い出のシ-ンを弾く」小原孝 (ピアノ)
また面白い音盤をお持ちですね。未聴ですが、何だか興味深いです。

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雅之

こんばんは。
今更ながら東京っていいですねぇ!
3月14日、藤岡幸夫 指揮 東京フィルで「タルカス」(K.エマーソン/編曲:吉松隆)演奏したんですねぇ! 知りませんでした。
http://homepage3.nifty.com/t-yoshimatsu/~data/concert/2010.03.14.html
 
http://yoshim.cocolog-nifty.com/tapio/2010/03/post-d1ff.html
ああ、聴いてみたかったです。吉松先生編曲の「タルカス」!!

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岡本 浩和

>雅之様
こんばんわ。
うおー、知りませんでした!!
プログラム、「タルカス」以外も魅力的ですね。
これは痛恨の極み!!
悔しいです。

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雅之

大変です、岡本さん! 吉松先生の2010年5月25日 (火)付ブログ、読んでください!
http://yoshim.cocolog-nifty.com/tapio/
「NHK405スタジオで「FMシンフォニー・コンサート」6月分2本の収録。
6月6日(日)放送分は、3月の「新・音楽の未来遺産」コンサートから、吉松隆「アトムハーツクラブ組曲第1番」、ドヴォルザーク「アメリカRemix」(p:中野翔太)、黛敏郎「BUGAKU」、K.エマーソン「タルカス」。藤岡幸夫指揮東京フィル。
(中略)
というわけで、いよいよお待ちかねの「タルカス」登場。
 
CD「タルカス〜クラシック meets ロック(仮)」の方は、日本コロムビアから7月21日に発売予定。
乞うご期待。」
だそうです!! エライコッチャ!!
先日EL&P「タルカス」CD買って、本当に久しぶりでこの音楽、聴きました!
ところで、「タルカス」って、ウルトラセブンに出てくる「恐竜戦車」
http://www14.atwiki.jp/pulog1/pages/42.html
に影響受けているんじゃないのですか?

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岡本 浩和

>雅之様
こんにちは。
これは「エライコッチャ!!」ですね。
しかもCDまで発売されるとは!!
>「タルカス」って、ウルトラセブンに出てくる「恐竜戦車」に影響受けているんじゃないのですか?
確かに!タルカスの方が後ですから、そういうことなんでしょうかね。

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アレグロ・コン・ブリオ~第5章 » Blog Archive » 輝きをもって速く

[…] ところで、僕がエマーソン・レイク&パーマーのアルバムに初めて触れたのは30年前のこと。「展覧会の絵」だったか「タルカス」だったか、あるいは「トリロジー」だったか、そのあたりはすっかり忘却の彼方だが、彼らの作品ほど「アレグロ・コン・ブリオ」という記号が相応しいものは他にはなかなか見当たらないのでは。特に、「恐怖の頭脳改革」までの初期作品には勢いと創造性と芸術的才能と、あらゆるセンスが詰まっており、それらを総括して一般聴衆にエマーソン・レイク&パーマーとは何ぞやと問うたのがたった今耳にしているライブ録音だったのだろう。 […]

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