1968年

vavaldi_il_pastor_fido_rampal.jpgお陰さまで「Positive Thinking Method講座講師」の認定試験に合格したようで、ポジティブ心理学カウンセラーとしても正式に活動ができるようになった。偶然だが、今週はとある企業でのキャリア・カウンセリングが数件入っており、早速「ストレングス・ファインダー」や「100の幸せリスト」を使わせていただいていたところだから、3ヶ月間地道に晴香先生の下に通って勉強した甲斐があったとホッと胸を撫で下ろした。

昨日、パーソナルコーチ&SOURCEトレーナーである外岡君と話をしていて、自分の方向性が見えないという若者がとても多いという話題になった。誰でも持って生まれた才能があるのだが、どうも活かしきれていなかったり、あるいはそもそも才能に気づいていなかったり、最悪は自分で否定して潰してしまっていたり、様々。こういう人たちの力に何とかなれないものか、エルーデ*サロンが発信する「才能開花プロジェクト」のコンテンツのひとつとして協力してより魅力的なプログラムを創ってみようということになった。楽しみだ。

今度の「早わかりクラシック音楽講座」のためにレジュメを作成しながら、60年代のロック音楽をいろいろと聴き続けたお陰で、どうも疲れた。いやはや、当時のロック音楽は凄まじいエネルギーを秘めており、真っ向から対峙すると精神的にも持っていかれてしまうが、それ以上に、歳をとるとあの「電気処理された」音についていけなくなるものなんだということに今更ながら気がついた。ロックはやっぱり若い時に十分に吸収しておかなけりゃ無理だ。とはいえ、今度、第39回のロック講座は相当面白いものになりそう。残席はまだまだあるので、今からでもご興味ある方はエントリーください。

ということで、古楽でも聴こうかと棚を漁ったが、結局ヴィヴァルディを取り出した。

ヴィヴァルディ:フルート・ソナタ集作品13「忠実なる羊飼い」
ジャン=ピエール・ランパル(フルート)
ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(チェンバロ)

ヴィヴァルディの音楽は基本的に単調だが、心に直接に響くところが良い。しかも楽器がフルートとなると尚更だ。ところで、この音盤は1968年の録音。そう、アメリカでは「愛と平和と自由」を求めていわゆるフラワー・ムーブメントが起こり、ヒッピーが世の中を席巻していた頃。ドアーズもいた、ジミ・ヘンもいた、そしてジャニスもいた、あの時代である。そして日本では、東大紛争があり、かの3億円事件が起こった年。

僕はこの年わずか4歳。それでも記憶にあるのはピンキーとキラーズの「恋の季節」といしだあゆみの「ブルー・ライト・ヨコハマ」。なぜなら物心ついて初めて買ってもらったシングル・レコードだから。音楽の記憶というのは大変なものである。その頃の世間の様子など全く覚えがないのに、流行歌についてははっきり覚えているから。

ドイツ負けたなぁ・・・。やっぱりオランダ優勝かなぁ・・・。


6 COMMENTS

雅之

おはようございます。
>「Positive Thinking Method講座講師」の認定試験に合格したようで、ポジティブ心理学カウンセラーとしても正式に活動ができるようになった。
おめでとうございます。そこで、さっそく直球での質問です。
岡本さんの考えるPositive Thinking とは何ですか?
何でこんな質問をしたかというと、私の場合、日頃からここで書き込む「ネガティブなもう一人の私の思考・思索」が、仕事や生きるためのプラス思考やポジティブ思考に、とてつもなく役立っているのを、日々実感しているからです。岡本さんにはとても申し訳ないのですが・・・、頭が冴えわたってこのところずっと運が向いているのは、私の場合、紛れもなくこのコメント欄での「ネガティブなもう一人の自分」の思索のおかげです。感謝、多謝です。この原因についての、納得できる解説をいただきたいのです。
植木 理恵 (著「ウツになりたいという病 」(集英社新書) 
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A6%E3%83%84%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E7%97%85-%E9%9B%86%E8%8B%B1%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%A4%8D%E6%9C%A8-%E7%90%86%E6%81%B5/dp/4087205460/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1278626716&sr=1-1
という新刊本を読みました。植木さんは1975年生まれの若い心理学者ですが、今年私が詠んだ本の中でもっとも共感できた好感の持てる一冊でした。万人に読んでいただきたいお薦め本です。 欧米を中心とした80件以上にわたる豊富な巻末の参考文献リストも、新書本にしては凄いです。
「第三章 ポジティブシンキングとウツ症状の侮れない関係」の中で、彼女はこんなことを書いています。
 
ポジティブシンキングは、現代人にとってもはや必須アイテムのような生き方の一つになっているように思う。それはある人にとっては宗教のような篤い信仰の対象であったりする。
 ポジティブシンキングの流行は、「根暗(ネクラ)」が嫌われ、マイナスと見なされる風潮の裏返しでもある。
 ここまで広く浸透しているポジティブシンキングですから、それはどこから見てもこの上なくいいことで正しい考え方であると誰しも思う。たしかに積極的なプラス思考そのものはいいことだ。
 しかし、心理学の立場から見ると、実はいろいろと大きな問題を内包しているものなのだ。
 とくに近年増えているウツもどきの人たちの中には、強いポジティブシンキングによってウツ的な症状をまねいたり、そうした状況からなかなか抜け出せないというケースがよく見受けらる。
 私は、ウツもどきの患者さんに認知療法として、ウツ状態をまねきやすい自分の思考のクセに気づいてもらうことがある。しかし、その際、「そんな考え方はネガティブだからポジティブに変えていきましょう」といったことは一切言わない。
 ネガティブな状況にある人をポジティブに持っていくのは、今そうあらざるをえないその人の存在を否定することになってしまうのだ。
 だからポジティブに誘導しようとすることは、そうとう慎重でなければいけないと思う。
 ポジティブシンキングがなぜそんな問題を起こすかと言うと、それが時と場合によっては、心に対してひじょうに不自然な圧力をかけるものだからだ。
 たとえば、天気を例にとるとわかりやすいかもしれない。晴れが好きといっても天気はいつも晴れてはくれない。曇ったり雨が降ったり、絶えず天気は変化している。晴れだけや雨だけの天気はありえない。
 自然というのは、絶えず変化するものである。人の心も自然と同じだ。明るくなったり暗くなったり、笑ったり、泣いたり、絶えず変化するものだ。
 その変化を自然と受け入れることが、心にとってはもっとも負荷がかからないのだ。
 しかしポジティブシンキングが強いと、心のプラスの面だけを受け入れてマイナスの面は否定したり排除しようとするという不自然な動きになる。
 その不自然さは心が辛い時や悲しい状態にある時は大きな負担になる。
 そんな時に無理にポジティブシンキングしようとすると、かえって苦しくなってウツ気分に陥ったり、ウツ病やウツもどきにかかっている時はいっそう深いウツ状態をまねいたりするものだ。
 現に強いポジティブシンキングがウツ病やウツもどきへの引き金を引いたり、あるいはそこからなかなか脱出できない原因をつくることは、臨床の現場ではよく見られることだ。
続いて、
《ポジティブシンキングで窮地に追い込まれる》
《「もうひとりの自分」との落差に心が壊れる》
《「塩塗療法」で辛い記憶から脱出する》
《辛い時は徹底して落ち込むのがいい》
《森田療法は白クマ曲線理論をうまく利用している》
《「認知的不協和」が心の傷を深くする》
《状況によってポジティブシンキングを出し入れする》
《大切なのはその時々の気分に同調すること》
という、上記見出しのテーマで論は進んで行き、
《気分は言葉でなく色で表現するといい》
といった提案をされています。
植木さんは、ポジティブシンキングの強いタイプの人に、81色からなる「心の色パレット」をわたして、家でセルフカウンセリングしてもらうことがあるそうです。
81色というのは、レッド、グリーン、オレンジ、ブルー、といった基本的な色がそれぞれ薄くなったり濃くなったり細かいグラディエーションの色も含めた数だそうです。
「一昨日はワインレッドのような赤だったけど、昨日は明るめのグリーンだった・・・・・・今日は、何だろう、オレンジを濃くした濃いめのイエローといったところかな・・・・・・」
そんなふうに気分カラーを選ぶと、気分カラーは日によって変わっていくものだといいます。朝と晩とで違うこともしょっちゅうあるという指摘は、私もまさしく共感できるところです。
本当は一つの色だけでずっと表せる自分などどこにもいないのだ、気分を色で毎日表せば、そのことがはっきりとわかると彼女はいいます。
 「人が刻々と変化する」そんなことが実感できれば、「いつもポジティブでいる」「いつも明るく元気でいたい」と考えることがいかに不自然なことかがわかると思う。「いつもポジィブで元気」な人など、ありえないのだ。ポジティブで元気な状態をオレンジの色で表すとすれば、いつもそういう状態でいたいという人はオレンジ一色でずっと変わらないということ。
 しかし気持ちは、安らぎを求めたいグリーンのこともあれば、憂鬱なブルーのこともあり、怒りで攻撃的なレッドになっていることもある。こんなふうにめまぐるしく変わっていくことが脳の構造上、自然で当り前のことなのだ。
 いつだってポジティブで元気でいなければと思うのは、オレンジ一色にしなければダメだというきわめて不自然な発想。
「人は毎日、変わる」
「いろいろ変わって一つところにとどまることはない」
「今日はこんな気分だけど今日は今日。明日になればまた変わるさ」
「一週間後、一ヶ月後にはきっともっと変わっているさ」
「変われる」という可能性を確信することは、自分の存在へのもっとも確かな自信になると、彼女はいいます。
「演じなければいけない色」と「今の本当の気分カラー」の中間点あたりに自分を置けばいい。
「理想の自分」と「現実の自分」の間の距離がどんどん近づくのが「心の成長」。やみくもなポジティブシンキングでは、そんな「心の成長」は到底起こり得ません。
気分を色で知り、そこから自分を適切に調整する方法がつかめれば、ポジティブな自分だけが価値があるという考え方が間違っていることが体でわかる。ネガティブな自分もポジティブな自分と同じように大事。ともに等価である・・・彼女のこの思想に、私は拍手を惜しみません。
>やっぱりオランダ優勝かなぁ・・・。
量子力学での結論は至極簡単です。オランダが優勝する世界とスペインが優勝する世界は、共に存在しています。
「シュレーディンガーの猫」のように・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=Q8savTZOzY0
「人は毎日、変わる」
「いろいろ変わって一つところにとどまることはない」
「今日はこんな気分だけど今日は今日。明日になればまた変わるさ」
「ポジティブな自分」も「ネガティブな自分」も共存しているのです。
「シュレーディンガーの猫」のように・・・。

返信する
岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
来ましたね!
ご質問にお答えします。
「ポジティブ・シンキング」という言葉、方法については実は僕も懐疑的です。いや、というより植木さんが言うように「不自然」ですから。
ゆえに「ワークショップZERO」ではマイナス面にも着眼し、認識できるようにプログラムを組んでおります。やはり表と裏、プラスとマイナス、両側面をしっかり把握しないことには「ありのまま」の自分を受容することにならないからです。
ただし、カウンセラーという立場で言うと、ポジティブ・シンキングというメソッドは「クライアントにポジティブに考えさせる」、「クライアントのマイナスをプラスに読み替える」ためにあるのではなく、カウンセラー側がフィードバックを適切に行うためにあるものだと僕は考えます。
これは相手が健常者であろうと病んでいようといずれにせよ重要なポイントですが、相手に想いをもち、相手がよりよくなるようサポートするために、「カウンセラーがよりポジティブな姿勢で対応できる」ための方法なのです。
よって、愛を持って「ネガティブな側面に斬り込み、ストレートにお伝えする」ということもポジティブ・シンキング・メソッドであるといえます。この、「愛」、「想い」を持って、という点が重要です。
「ポジティブシンキング」という言葉自体が僕は誤解されていると思います。あまりに独り歩きし過ぎています。ただ前向きに考えるようにするなんてやっぱりおかしいですよね。落ち込んだ時は明るく考えるようにしようなんて無理です。そういう時は徹底的に落ち込み、マイナスに浸らないと人間は上がっていきません。
ということで世間一般で認識されている「ポジティブシンキング」については雅之さん同様、僕も糞食らえ!です。(笑)
そのことについては、常日頃セミナーの中でも、あるいは出逢った人には公言しております。
じゃあ、なぜ「Positive Thinking Method講座講師」なんていう資格をとったのかと問われそうですが、わかっていただけますよね?
ただそこにあったから、というだけです。
ということで、答になってますかね?

返信する
岡本 浩和

>雅之様
ちなみに、植木さんの考えについては100%同意です。僕も日頃同じことを考えていますから。吃驚したほどです。植木さんの考え方こそが「ポジティブシンキング」ですね。
それにしても相手が納得するように「伝える」ことって簡単じゃないですよね。僕の場合は、いつも雅之さんに鍛えられていますから、だいぶフィードバック、回答が上手になりました。
ありがとうございます。

返信する
愛知とし子

雅之さん
いつも勉強になるコメントをありがとうございます。
私は、ポジティブに見えて、かなり暗いです。(笑)
ピアノを聴いていただけば、すぐにお分かりになると思いますが・・・
ところで、植木さんの考えも雅之さんが思われることも、まさに、私の敬愛する佐治晴夫先生の「ゆらぎ」の世界ですね。
すべてが揺らいでいて、存在する。
P.S:いつもコメントしたくても、なかなか出来ずごめんなさい。
以前、コンサートの開演が11:00~については、なるほど。と思いました。参考にさせていただきます!

返信する
雅之

愛知とし子様
>私の敬愛する佐治晴夫先生の「ゆらぎ」の世界ですね。
おそらく、そのとおりなんでしょうね。
調弦理論(ちょうげんりろん、superstring theory)なんていう近年最も有力で注目されている先端物理理論もあり、私のような素人の音楽好きには、科学や数学と音楽との関係は、堪らない神秘的魅力なんです。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AA%E5%AE%87%E5%AE%99%E2%80%95%E8%B6%85%E3%81%B2%E3%82%82%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%8C%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%82%92%E8%A7%A3%E6%98%8E%E3%81%99%E3%82%8B-%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3-%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3/dp/4794211090%3FSubscriptionId%3D0F7HWSZ41KYDW40VSV02%26tag%3Dsocialtunes-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4794211090/ref=nosim
愛知とし子様は、ポジティブであってもネガティブであっても、じつにお美しく「エレガント」な「ゆらぎ」です(でも、ひょっとすると我々男性よりも遥かに力強く逞しい「ゆらぎ」かも・・・、コラコラ、失礼・・・笑)。
>コンサートの開演が11:00~について
これは、しらかわホールのグッドアイデア、クリーン・ヒットの良い企画だと思いました。
演奏者には、リハ等の負担は大きいのでしょうが、休日家族連れで聴く側にとっては、とてもありがたいと思いました。潜在的なニーズは物凄くあると思います。
愛知とし子様もぜひ!!

返信する
雅之

アッチャー!打ち間違い、また発見です。すみません。
×調弦理論(ちょうげんりろん、superstring theory)
○超弦理論(ちょうげんりろん、superstring theory)
名古屋在住ド素人下手くそヴィオラ弾きのチューニング(調弦)のことではありませんので念のため(爆)。

返信する

雅之 へ返信するコメントをキャンセル

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む