江戸末期の儒学者、佐藤一斎は美濃国岩村藩、今の恵那市の出身である。妻の実家が隣町の瑞浪市であることからこの3年で恵那市は急激に身近な町になった。佐藤一斎の直弟子には佐久間象山、渡辺崋山など、幕末に活躍した人たちが多いが、西郷隆盛も愛読したという「言志四録」は何年か前から僕の座右の書になっている。
前職で学生向けの入社前対策のコンテンツのひとつとしてプレゼンテーションの講座を受け持っていただくためにK氏に初めてお会いしたのはかれこれ15年ほど前。自己紹介のたびに「◎◎会社の坂本金八です」とおっしゃっておられたが、姿形も金八先生なら、若者教育に向かう姿勢や「熱さ」も金八先生並みで(いやそれ以上かも)、講義を受けるたびに学生たちが感動のあまり涙していたことを思い出す。そのK氏が当時から決まって薦める書籍がある。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」と「峠」、そしてかの「言志四録」である。西郷じゃないが、一斎のこの重要書をK氏なりに解釈して口語化し、配られたプリントをいまだに大事にしている。それくらいに意味深い「言」が並ぶ本なのである。
3年ぶりにK氏にお会いした。お変わりない。この6月に恵那文化センターで「佐藤一斎『言志四録』の心と今求められる『三学の精神』」と題し、講演されたとのこと。さぞかし、熱意あふれる素晴らしいお話だっただろうと、その場に居合わせることができなかったことが悔やまれる。1時間少し近況を含めいろいろなお話をさせていただいたが、尽きない。最後に前述の講演のテープ起こしをレポートとしてまとめられており、いただいて帰って来た。ありがとうございます。
三学の精神その一、「読書のすすめ」、とにかくたくさん本を、それも古典を読むこと。
三学の精神その二、「求めて学ぶ」、師といわれる人に会いに行く、そう人から学べということ。
三学の精神その三、「学んで生かす」、「学実合一」、要は学んだことは実践せよ、と。
J.S.バッハ:フランス組曲第5番ト長調BWV816
グレン・グールド(ピアノ)
フランス組曲の中でも最も明るく、美しい音楽をグールドは軽快に語りかける。夜中に聴くグールドのバッハって何て新鮮なのだろう(なお、この音盤の1枚目は以前採り上げている)。
今宵、銀座のain soph.でイベントがあったため帰宅は午前様。良い集まりでした。感謝。
ちなみに、明日、ポジティブ心理学研究会定期勉強会で研究発表をすることになっている。といっても、小難しいものでなく、日頃思っていること、感じていることを少しばかり語ればいいということなので気楽に構えているが、とはいえ多少の準備はせねば。さて、何を話そうか・・・。
おはようございます。
私にとりまして瑞浪市近辺というと、本当は「瑞浪市化石博物館」
http://www.city.mizunami.gifu.jp/sightseeing/institution/fossil_museum/
なんです。この古い博物館の展示物は貴重なものが多いし、展示方法や解説も優れています。瑞浪は有数の化石発掘地であり、(合法的に)河原での化石採集経験もありますし、この一帯での地層からは、昔、中央自動車道建設中も、たくさんの化石が出土したということです。化石博物館の近くにある「化石の地下壕」でのトンネル壁面に見られる大量の貝の化石は圧巻です。ひとりでも家族でも、もう相当回数行きましたが、行く度に新しい発見があり飽きません。
因みに私の中では、クラシック音楽、鉱物、観葉植物、将棋の趣味は等価なんです(だからどれかの趣味で行き詰ったり、気まずい思いをしても、即他の趣味に心を逃避できます・・・、こういう趣味のリスク分散って、意外に大事なことかもです、執着からも逃れられますし。趣味がひとつだけっていうのは、危険だと心底思います)。
昨日ワールドカップ決勝を見終わって高一(16歳)の息子曰く、次の大会(ブラジル)の時、僕はもう二十歳だと・・・。岡本さんに真にいろいろなことを教えていただきたいのは私ではなく息子の方なんですよ。特に職業意識など、私から見ても相当甘い部分が多いので・・・。何か高校生向けにも勝川あたりで企画していただけませんか?
歴史上の人物は、学者や、作家や、脚本家や、俳優のフィルターを通してしか見ることができません。だから100人が坂本竜馬について語ったり映像化したら、100通りの竜馬像が生まれます。私なら、超悪役に仕立てることも可能です。今回の大河ドラマ初回冒頭をもっと誇張して・・・。
大河ドラマ初回冒頭、郵便汽船三菱社長・岩崎弥太郎(香川照之)が、土佐新聞の坂崎紫瀾(さかざきしらん)に語る坂本龍馬・・・。
「龍馬はの・・・わしがこの世で一番嫌いな男やった! あんな能天気で、自分勝手で、人だらしで、おなごに好かれて、あればぁ腹の立つ男は、どこにもおらんのじゃき!」
その発展型で、こんなのもどうですか?
「グールドはの・・・わしがこの世で一番嫌いな男やった! あんな能天気にバッハを弾いて、自分勝手で、人の嫁はんに手を出して、人の家庭を滅茶苦茶にしよって、あればぁ腹の立つ男は、どこにもおらんのじゃき!」
今年はマーラー生誕150年。久しぶりにグールドの指揮する「復活」の一部を、ある方のブログ内で観ました。何だかジンと来てしまいました。
http://blog.goo.ne.jp/gezkaz/e/d7c8f6a1724c2bbfed435df128cb316e
第4楽章
「子供の不思議な角笛」から
アルトソロ
おお、深紅のかわいらしい薔薇よ!
人間は大きな苦悩に閉ざされている!
人間は大きな苦難に閉ざされている!
それよりも私は天国にいたいと思う!
私は一本の広い道にたどり着いた。
一人の天使がそこに来て、私を先に行かせまいとした。
いいや、私はそうはさせはしなかった!
神から生まれた私はまた神のもとにいくのです。
神はきっと一筋の光を私に授けなさり、
永遠の喜びの生命の中で私を照らしてくださるにちがいない。
第5楽章
クロプシュトックの賛歌『復活』に従いて
合唱とソプラノ
よみがえる、そう、汝はよみがえるのだ。
私の塵は、短い安らぎの後で。
汝を呼んだ永遠の命が
汝に与えられる。
種蒔かれた汝は再び花を咲かせる。
刈り入れの主は歩き、
我ら死者の
束を拾い集める。
アルト独唱
おお、信ぜよ。わが心よ! おお信ぜよ。
失うものは何もないのだと!
汝のもの─それは汝が望んだもの
汝のもの─それは汝が愛したもの、戦って来たものなのだ!
ソプラノ独唱
おお、信ぜよ。汝がいたずらに生まれて来たのではないのだと!
いたずらに生を楽しみ、苦しんだのではないのだと!
合唱とアルト
生まれて来たものは、滅びなければならない。
滅び去ったものは、よみがえらねばならない。
震えおののくのをやめよ!
生きるために汝自身を用意せよ!
ソプラノとアルト独唱
おお、苦しみよ! 汝は全てにしみ通る。
おお、死よ! 全ての征服者だった汝から
私は逃れ出る!
今こそ、汝は征服されたのだ!
私は勝ち得た翼をたずさえて、舞い上がろう!
愛の命ずる求心力の中へと
眼にも届かぬ光のもとへ!
合唱
私が勝ち得た翼を広げて、
私は舞い上がろう!
私は再び生きるために死ぬのだ!
よみがえる、そう汝はよみがえるのだ。
私の心よ、今ただちに!
汝の高鳴ったその鼓動が
神のもとへと汝を運んでいくだろう!
(訳 Wikipediaより)
>雅之様
おはようございます。
瑞浪市化石博物館、噂には聞いておりますが、僕はまだ行けておりません。僕は鉱物や化石については無知ですが、それほど圧巻だとおっしゃるならぜひとも行ってみたいです。
>こういう趣味のリスク分散って、意外に大事なことかもです、執着からも逃れられますし。
同感です。趣味の分散どころか趣味がないという人も今多いじゃないですか。「執着」は人間の精神に異常を来しますよね。現代社会で精神的に病んでしまう人が多いのもそんなところにも原因があるのではないかと思います。
>何か高校生向けにも勝川あたりで企画していただけませんか?
これは実際切実な問題で、ニーズは大いにあると思うんです。というより、むしろ僕は高校生や大学生を対象に「人間力」や「仕事」ということについて教えたいと思っているんです。
機会を作って名古屋近辺でもやってみたいですね。その節はご子息の面倒みますよ(笑)。
>私なら、超悪役に仕立てることも可能です。
>「龍馬はの・・・わしがこの世で一番嫌いな男やった! あんな能天気で、自分勝手で、人だらしで、おなごに好かれて、あればぁ腹の立つ男は、どこにもおらんのじゃき!」
うまい!
毎回思うのですが、雅之さんのこういうセンスは抜群ですよね。今放映されている「竜馬伝」は偶然何度か観て感激しました。(福山雅治の演技はもちろんのこと、映像のとり方も素晴らしいですね)。ただし、普段テレビを観る習慣がないので、ついつい観るのを忘れたりしてしまいます。(もっとも録画しておけば済む話なんですが・・・)
>「グールドはの・・・わしがこの世で一番嫌いな男やった! あんな能天気にバッハを弾いて、自分勝手で、人の嫁はんに手を出して、人の家庭を滅茶苦茶にしよって、あればぁ腹の立つ男は、どこにもおらんのじゃき!」
(笑)
>グールドの指揮する「復活」の一部
じんときますね。もう少し長生きして指揮活動を本格的にやってほしかったですね。