そういえば昔、冗談でよく分裂していると言われた。高尚な(というか一般的にそう思われている)クラシック音楽を愛好する一方で、サブカル的な漫画や事物に興味を持つことがある人からは一貫性がないように指摘される。僕に言わせれば、どんな事柄にも高貴も低俗もないのだから「面白いもの」にはどんどん興味を持って深入りした方がよりためになるし、何より「人間というもの」を知る大きな資料になるということだし。知らないということは本当にもったいないこと。
昨日に引き続きマーラーを聴いた。この変人作曲家の音楽こそ分裂し、「正面から」理解し難いものはない。喜怒哀楽をそのまま、何の整理もなく垂れ流すような、時に高貴で、時に野蛮で、という音楽はまさに「感情のコレクション」である。だから、迷った時、気が滅入った時、落ち込んだ時などにとても相応しい。元気な時、調子が良い時などに聴いてしまうと、どうも調子が狂ってしまう。そんな危うさがまたマーラーの魅力なのだが。
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」&「花の章」
デイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
もともと「花の章」は「巨人」の一部だったようだが、あってもなくてもどうでもいい、そんなことを言ったら怒られるだろうが、少なくとも僕にはそう思われる。ただし、ジンマンの演奏そのものは透明で斬新で、余計なものが一切排除されており、素晴らしい。青年マーラーによって生み出されたこの音楽の「ありのまま」が眼前に表出する。
久しぶりに第1交響曲を聴いたが、すこぶる名曲だと思う。秋の夜長に・・・、長過ぎず短過ぎず。しかし、「花の章」はやっぱり余計かな・・・。
おはようございます。
>まさに「感情のコレクション」である。
これぞ陰陽。
http://www.youtube.com/watch?v=3iNDcwnwiB0
http://www.youtube.com/watch?v=8M-Zn9EMSJ4
音楽って不思議ですよね。
>「花の章」はやっぱり余計かな。
この曲の版の問題も調べるとそれほど簡単ではありませんね。
>雅之様
おはようございます。
まさに陰陽!
ありがとうございます。
>それほど簡単ではありませんね。
ややこしいですよね、これは。
こんばんは。
少し御無沙汰しておりました。というのもこの間まで内定式やらTOEICやらパーティー幹事などで忙しい日々を送っておりましてなかなかコメントできずで。
>この変人作曲家の音楽こそ分裂し、「正面から」理解し難いものはない。喜怒哀楽をそのまま、何の整理もなく垂れ流すような、時に高貴で、時に野蛮で、という音楽はまさに「感情のコレクション」である。
この岡本さんの評論で何故僕がバーンスタインのマーラーを聴くと吐き気を催すのか分かったような気がします。
ジンマンの演奏、良いですよね。僕も好きです。
ところで10日に行われる講座がムラヴィンスキー様ということもあり是非とも参加したかったのですが急用が入ってしまい参加出来なくなりました。断腸の思いですがどうかこの熱意を汲み取って岡本さんには素晴らしい講義を期待しております。
いつか、ブラームス嫌い、バーンスタイン嫌い、グールド嫌い、各代表諸氏が一堂に会して、
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 グールド(p)バーンスタイン&NYP
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1270347
のCD鑑賞会をやりたいものですね(笑)。いざという時のポリ袋持参で・・・(笑)。
>ふみ君
久しぶりです。忙しいところをありがとう。
>何故僕がバーンスタインのマーラーを聴くと吐き気を催すのか分かったような気がします
なるほど、ふみ君はアンチだったよね。僕は逆にだからこそバーンスタインのマーラーを支持するのだけど。まぁ、感じ方、考え方はひとそれぞれです。
講座の件も了解です。またの機会に。
>雅之様
何とも早朝にコメントありがとうございます。
しかし、その企画は面白そうです。
ブラームス代表は雅之さんにやっていただくとして、今のところ他が見当たりません(ふみ君はバーンスタインのマーラー限定ということですし・・・)(笑)。
>雅之様
そのセンス、なんとも素敵ですね(笑)あっ、バーンスタインもそうですがグールドも嫌いなので上記CDは僕にとっては都合が悪過ぎるかも知れません。ただ、岡本さんのおっしゃるようにバーンスタインに関しては基本的にはマーラーが苦手なだけです。
それより、雅之さんはそこまでブラームス嫌いだったんですね!僕も決して好きではありませんが(ましてやシューマンと比べると)雅之さん程では無いかも知れません。是非、雅之さんのブラームス論お聞きしたいものです。
>ふみ様
こんばんは。まず就職決定本当におめでとうございます。いいですねえ。
さて、本日お問い合わせの件ですが(笑)、ブラームス嫌い、バーンスタイン嫌い、グールド嫌いなんていうのは、所詮「好き」の裏返しであり、認めたくないけど自分の中に確実に存在する感情曲線や快感曲線を、音楽の中に無意識のうちに認識して思わず拒否する「近親憎悪」みたいなものなんじゃないかな。つまるところ、日頃経験する「嫌い」という感情の多くは、いうなれば低俗番組やアダルト・ビデオをちゃっかり楽しんで観ていながら、表向きプライドが邪魔して、それらを「汚らわしい」とか蔑み非難しているような矛盾した精神構造なのでは?(東京スポーツとか日刊ゲンダイとかもそういうところがある) 「イジメ」だって似てるよね。イジメる側とイジメられる側は紙一重で、どちらにもなり得るものだと思います。
ところで、音楽を聴いて吐くって、自分のいやな精神構造の部分を体外に排出する効果が期待でき、体によいかもしれませんよ(笑)。
・・・・・・たとえば嘔吐はいやなものですが、体が受け付けないものを外に出してやるという治癒の過程でもあるわけです。ですから、同じ症状を起こせるレメディーを入れることによって、その出ていく力を助けてやる…そのことだけをホメオパシーは行うのです。・・・・・・
http://nihon-homeopathy.net/homeopathy/index.htm
ホメオパシーはこれ以上よく知らんので、詳しくは岡本さんに訊いて!!