カラヤン19回目の命日に・・・

mozart_don_giovanni_karajan.jpg講師契約をしているW社から「職場を悩ますゆとり社員の処方せん」という書籍が送られてきた。ここ1-2年、モンスター新人が現れ、一般常識が通じない彼らをどう教育するかをサジェスチョンしている本なのだが、最近は大学生ともあまり接点がなく、世の中の状況がそんな風になっているとは知らず、我ながら驚いた。少なくとも僕が主宰するセミナーを受けに来るような若者は、素直で向上心も高く、近頃の学生でも人を想う気持ちがしっかりとあり、大したものだなと思っていた矢先だから、少々意外感もあったのだ。この本によると 2008年度に入社した新人は、いわゆる「ゆとり教育」が始まった1992年に小学校に入学した世代で、なるほど「ゆとり教育」というものの功罪がくっきりと現れているのが目の当たりにでき、非常に面白いと思った。モンスター新人は向上心も高いという。頭も良いらしい。しかし、他人と協調することができないことがどうやら特徴のようで、自分勝手な行動が目立つのだと。しかも新人の基本である「電話をとる」ということが全くできないらしい(要は、携帯電話世代であるゆえ、他人にかかってくる可能性のある電話に出る習慣がないのが原因とのこと)。

時代により人間のコンセプトも習慣も変化する。夕方、いつものサザンタワーで「人間力向上セミナー」のブラッシュ・アップ・ミーティングをやっていたのだが、「人間は先天的にもっている性格を変えることはできないが、誰もが自分の性格だと認識している『習慣化した癖』は自覚して逆反復すれば変革可能だ」ということが話題になった。おそらく、80年代中期以降に生まれた彼らの中にはいわゆるインディゴ・チルドレンがいることだから潜在的な能力は極めて高いはず。生まれ育った環境や教育からの影響が後天的な人間性を形成するわけだから「他とわかちあう、すなわち人への思いやり」というものを体感的に学習させれば、一気に力を発揮するのだろうと僕は考えた。

モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527
サミュエル・レイミー(バリトン)、アンナ・トモワ・シントウ(ソプラノ)
アグネス・バルツァ(メゾ・ソプラノ)、キャスリーン・バトル(ソプラノ)
ベルリン・ドイツ歌劇場合唱団
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ほか

カラヤン唯一の録音。何気に棚から取り出して聴いていたのだが、そういえば今日はカラヤンの命日であった。19年前の本日、自宅でソニーの大賀会長の目前で急死した彼は、今年が生誕100年でもあり、クラシック音楽界(レコード業界)では盛り上がっている。前にも書いたと思うが、基本的に僕はアンチ・カラヤンだ。何百点とある彼の遺産についてもオペラ以外は幾つかの例外を除いてほとんど所持しないが(そういえばR.シュトラウスは無条件に良い)、この「ドン・ジョヴァンニ」も大変な名演奏だと僕は思う。あまり世間一般では評価されることがないように感じるのだが、やっぱりオペラに関してだけはカラヤンは間違いなく一流だ。彼の演奏を生で触れるチャンスは何度もあったが、若かりし僕は「偏見」バリバリで、何より当時何万円も出してコンサートに行こうなどとは微塵も思わなかった(それでもC.クライバーの86年の来日は行った。S席¥16,000。今から考えると相当安い!)。返すがえすも残念でならない。

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