明日から名古屋でいよいよ「人間力向上セミナー」。セミナーそのものは10数年もやってきているので、間違いなく成功するという自信はあるのだが、新しい環境、場所、そして新しい人達との出逢いということもあり直前は必ず緊張する(良い意味で)。
頭の中でいくらシミュレートしようと、あるいは話すことを事細かに念入りに創り込んだとしても、結局その通りにはいかないので、全く白紙の状態でリラックスすることにしている。要はセミナーそのものについては必要なものの準備だけをきっちり済ませて、あとは考えないのがベストなのだ。人それぞれ感じ方、考え方、そして反応も違う。その時、その瞬間、目の前にいる方々と「直接に出逢う」ことが最も重要だ。
音楽之友社から発刊されている「作曲家◎人と作品シリーズ」の一冊、「マーラー」をざっと読み返してみた。10代の頃この作曲家には随分お世話になった。思春期のあの頃もつ独特の「憧れ」や「不安」、あるいは「清らかな気持ち」や「怒り」といった種々雑多な感情がごった煮のように詰め込まれたグスタフ・マーラーの音楽は今となってはなかなか正面から聴くことは難しい。美しいと思える瞬間は多い。しかし、あまりに支離滅裂で、分裂し、しかも1時間超という交響曲に対して、物理的精神的な「余裕」と「根気」が要るのだ。
例えば、指揮者でもあった彼のスコアの緻密さ、そして演奏者に対しての細かい指示などは半端ではない。解釈者が勝手な自由意思を挟み込むのがとても憚れるようで、相当にエゴの強い不安症の人間だったのだろうと想像できる。マーラーの妻であったアルマは、1910年頃(すなわちマーラーの亡くなる前年)、建築家のワルター・グロピウスと公然の不倫関係にあったというが、父のような年齢である夫の強迫観念に駆られたような「縛り」に対して反抗心をもつ一方、100%は抵抗しきれないという矛盾の中にいる自分自身に随分悩んだことだろう。
人を「枠」にはめることってできない。みんなそれぞれ違うんだっていうことを知らないと。結婚した途端に夫が豹変した、妻が変わってしまったという話をよく聞く。特に夫婦や恋愛関係の場合、相手を「自分のもの」だと思ってしまった瞬間「罠」に陥ってしまうもの。常に新鮮な気持ちで相手に接することが大事だね。人と人との関係は「即興」がベストなり。
今日はこれから名古屋に移動。2、3日ブログはお休みします。
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