ふたり

songs_for_drella.jpg最近味覚が子供の頃の自然な状態に戻っているようで、外食をするとほとんどの食べ物が「塩辛く」感じてつらい。基本的には昼でも夜でも外で食べなくて済むなら家で料理をする。雑穀米(または玄米)に味噌汁に納豆、野菜の何かという「薄味」が我が家の定番。これが一番落ち着く。

副都心線のお陰で池袋が近くなった。今宵「うちたて屋」でいつものように白味噌煮込みうどんを食し、そのあと店を変え生ビールを1杯。以前なら好んで食べていたメニューのことごとくがとにかく「辛い」。お酒を注文させるために料理の味付けをどうしても濃くする(お店の立場からすると当然か・・)のだろうが、こんな食事を続けていたら間違いなく「成人病」になってしまう。

Lou Reed & John Cale:Songs for Drella

70年代ニューヨーク・パンクのルーツであるThe Velvet Underground。その中心メンバーであったLou ReedとJohn CaleがAndy Warhol追悼の意を込めて20年ぶりにコラボレートした傑作アルバム。発表から20年近くを経過した今も「暴力性」と「叙情性」を秘めた「内なるエロス」をもつこの音盤の価値は色褪せない。The Whoのロック・オペラならぬ、シンプルなロック・ミュージカル仕立てでWarholのことを歌い紡いでゆく。
John Caleの奏でるピアノとエレクトリック・ヴィオラ(ヴァイオリンではなくどういうわけかヴィオラ!)。そしてLou Reedのほとんど朗読といっても良いいつもの歌唱。1曲目のSmall Townからラスト・ナンバーHello It’s Meまで全15曲、Andy Warholに捧げられた、「彼のこと」を歌った極めてPersonalな楽曲群が聴く者の涙を誘う。
火花を散らす如くの音楽の魔法・・・。

それにしても、音楽性の違いにより20年来袂を分かっていた天才二人がおそらく旧友の死を機に、軽い気持ちで創ったこのCDの出来は並大抵でない。The Beatlesの奇跡と同じくThe Velvet
Undergroundの奇跡は、LouとJohnの出逢いにAndyの意識が完璧に絡み合って(三位一体か・・・)生まれ出たものなのだとはっきりわかる。
人と人との出逢い-個性と個性のぶつかり合いがシナジーを生む。一方で、お互いなくてはならない存在の二人が後味の悪い別れ方をする。

Bunkamuraのオーチャード・ホール同様NHKホールはクラシック・コンサートには向かない。どんなに名演奏であったとしても席までその感動が伝わってこないから。
1990年にたった1度だけ再現された「Songs for Drella」公演。NHKホールとはいえ、PAを通してのロック音楽公演は完璧だった。

No matter what I did it never seemed enough
he said I was lazy, I said I was young
He said, “How many songs did you write ?”
I’d written zero, I’d lied and said, “Ten.”

“You won’t be young forever
You should have written fifteen”
It’s work

僕が何をしても十分にみえなかったようで
お前は怠け者だという彼の言葉に対して、僕は若いからと答えた
アンディが「何曲歌を書いた?」と聞くので
本当はゼロだったが「10曲」と答えた。

「いつまでも若くいたいなら15曲書け」と彼は言った。
それが仕事だ。

~WORK

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アレグロ・コン・ブリオ~第5章 » Blog Archive » 愚か者

[…] 来年4月にイアン・アンダースンが来日し、何と「ジェラルドの汚れなき世界」を完全再現するという。しかも、第2部には続編の「人生のもしも」をテーマにした「ジェラルドのその後」が据えられているのだからこれは何としても、という感じ(続編は未聴)。僕はこういうアンソロジー的再演ものに目がない。フロイドの「狂気」は聴けなかったけれど、マッカートニーの「アビー・ロード」B面メドレーも聴かなかったけれど、ブライアン・ウィルソンの「スマイル」、あるいは少しニュアンスは異なるがルー・リードとジョン・ケイルが演った「ソングス・フォー・ドレラ」などには実際に触れ、狂喜乱舞した。すべてが貴重な体験だった。 […]

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