祭り(真釣り)

chopin_scherzo_pogorelich.jpg今日は近所の花園神社の神幸祭。午前中、リサイタルのためのピアノ調律で一旦杉並公会堂に向かい、帰りに神輿に遭遇した。新宿通りの一角が何やら騒々しく、何人もの輩たちが本気で喧嘩をしていたので、これも日頃の鬱憤を晴らすための「お祭り」なんだろうなと思い、通り過ごした。帰宅後愛知の弾く今晩の曲目のラスト稽古を聴きながら今晩の成功を祈りつつ瞑想。とにかく今日は「静かに(いつもの音楽なし)」午後が滞りなく過ぎ去る。
予め余裕を持って車で自宅を出たものの、例の「神幸祭」による道路規制が邪魔をして、自動車が動かない。普段なら歩いて15分ほどの距離がやけに遠い。これはまずいと、新宿三丁目で丸の内線に乗り換え、ぎりぎり定刻に間に合った。やっぱり大事な時は電車で移動するべきだな。

ところで、「祭り」の語源は「真釣り」だということをつい先日ある本を読んで知った。日本語はとてもうまくできていて、同じ音の言葉は近い意味を含んでおり(気、木、など)、まさに「言霊」というものを実感する。「真釣り」とは地球、自然と人間のバランスを明確にとることを表している。「真ん中で釣合う」ように祈りを施すことが「お祭り」なのである。納得である。
人間の身体もそうだが、西洋的な対処療法では病を完治させることは難しい。根本的な原因を明確にすることが重要だ。僕は全ては「不均衡」による問題なのだと思う。バランスが崩れているだけなのだと。心身の均衡をしっかり保てば解決する病気や問題は多いはずだ。

愛知とし子ピアノ・リサイタル~「愛と知と・・・」無事終了。杉並公会堂小ホールが満席になった(何人か事前にチケットを買っていただいていらっしゃれなかった方もいるが)。演奏者本人は緊張やら何やらで大変だったようだが(こういうときは僕自身も妙に緊張して会場内で正面から聴いていられなくなる)、ご参加いただいた方からは概ね好評で、とても良かったと思う。皆様本当にありがとうございます。第1部最後の曲目がショパンのバラード第1番だったこともあり、今日はバラードをとりあげようかと思ったが、スケルツォ全集にした。

ショパン:スケルツォ全集
イーヴォ・ポゴレリッチ(ピアノ)

今のところ、ポゴレリッチ最後の正規録音。かれこれ発売から10年になる。それまでルービンシュタイン盤で親しんで聴いていたこの曲集がまったく違った響きで聴こえてくる。まさにポゴレリッチはピアノの魔術師であり、破壊者(?)であり、再創造者である。異形のショパンを期待するだろうが、意外に普通である(といっても決して普通じゃないか・・・!)。とはいえ、ポゴレリッチ以外の何ものでもない天才的な響きが横溢する名演奏。実演のポゴレリッチもそうだが、異様なフォルティシモの中に妙な「静けさ」を感じられる神業的演奏なのだ。
滅多にCDトレイに乗っけることはないが、ショパンを聞くなら怖いもの聴きたさにポゴを聴いてみるのもいいでしょう。

今夜はさすがに疲れた。そろそろ寝るとしよう。
次回愛知とし子リサイタルは11月24日(日)東京都庭園美術館大ホールです。乞うご期待!

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