アルマゲドン、フランク

franck_alain.jpg僕は普段映画を観ない。今までの人生においても劇場で鑑賞したことは極めて少ない。自宅でビデオやDVDを観るという行為もほとんどない。だから、みんなが当たり前のように観ている映画のストーリーをほとんど知らないし、一般に話題になったものであろうと食指が動かないものだから後になっても敢えて観ることはしていない。「マトリックス」や「スター・ウォーズ」を観たのも必要に迫られて随分後になってからだ。「必要に迫られて」というのは、2年ほど前まで毎月新作DVDを10本近く観て、日常英会話の必須フレーズをピックアップしクイズ形式で原稿にするという仕事をしていた時期があったからだ。

久しぶりに夜ゆっくりする時間があったので「アルマゲドン」を観た。もう10年も前の作品で、当時相当話題になったが、例によって僕は観ていなかった。2時間半ほどの長編だがあっという間に時間は過ぎ、楽しく観ることができた。隕石群の地球衝突から人類を救うという途轍もない使命に勇気を持って挑むブルース・ウィリス演じるハリー。まさに「愛」に溢れる内容で、エアロスミスの音楽も不思議にぴったりとはまっている(エアロスミスはもうちょっとハードで泥臭いイメージがあったので・・・)。

こういう映画を観ていると突如敬虔な音楽を聴きたくなるもの。「神」に到達する「愛」の音楽の最右翼はJ.S.バッハの無伴奏独奏曲やオルガン楽曲。しかし、敢えて今日は19世紀のフランスが生んだ大器晩成のオルガニスト、セザール・フランクの静謐なオルガン曲に耳を傾ける。

フランク:前奏曲、フーガと変奏曲作品18
マリー=クレール・アラン(オルガン)

フランク若き日(といっても40歳の時だが)の傑作。64歳のときに産み出したヴァイオリン・ソナタは特に有名な楽曲だが、以降68歳で亡くなる数年の間に歴史に残る名曲を幾つも書き上げた。まさに「大器晩成」を絵に描いたような作曲家なのである。
慎ましい生活をしながら謙虚に生きた大音楽家の人生をあらわすかのような優しい音色はフォーレの静けさに通じるところもあり、格別だ。

そういえば、今日も「田園」交響曲の第4楽章&第5楽章をとりだして聴いた。朝比奈隆&新日本フィルの名演奏でである。しかし、何度聴いてもこの音楽は素晴らしい。ひょっとするとベートーヴェンの9曲の中で1番かもしれないと密かに思うようになってきている。日曜日の「音楽講座」が楽しみだ。

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