1,600万円!!のオーディオ装置

heidsieck_in_uwajima2.jpgNのススメで西武新宿線「下井草」駅に20:00集合。株式会社ユキムという高級オーディオ輸入代理店のI氏のご自宅に伺う。何と合計2000万円程かけているというハイエンド・オーディオ・マシーンを聴かせていただいた。いやぁ、これは凄いです。アバドがルツェルン祝祭管弦楽団を指揮したマーラーの「復活」冒頭やドビュッシーの「海」第3楽章の終結部分、マイケル・ティルソン・トーマスがサンフランシスコ響を振ったコープランドの「庶民のためのファンファーレ」などなど、びっくり仰天の連続で、こんなに生々しい音は生まれて初めて聴いた感じ。もちろん生演奏に敵うわけはないのだが、地下1階にあるゆったりとしたオーディオ特設ルームで独り静かに音楽を聴く悦びここにあり、という感じでとても羨ましい。

しかし、帰り道に同席したS社のI氏と話したのだが、あれだけの高級モデルになるとソフトも選んでしまうようで、どんな音盤も完璧に再現されるというわけではなく、かえって難しいところが曲者である。オーケストラものを聴くためにセッティングした装置だということだからオーケストラものであれば何でもOKかといえばそうでもない。我が家のチープな装置で聴いて名演だと思っていたCDが意外に凡演だったこと(例えばバルシャイのショスタコーヴィチなど)も驚きだし、想像もしなかった組み合わせがなかなかいいなと思えたりと、とても不思議な体験であった。

まぁ、僕などはそこそこの装置で自分が好きだと思える演奏をゆっくりと涙しながら聴くのが相応のように思えるので、結局は現在所有しているオーディオ装置で充分だなと再確認したのだが・・・。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調作品57「熱情」
エリック・ハイドシェック(ピアノ)

23:00前、帰宅してゆっくりとCDを聴く。久しぶりにハイドシェックの宇和島ライブ。初めて彼のピアノを聴いた頃が懐かしい。実演での「熱情」ソナタは、1998年の浜離宮朝日ホールでのツィクルスの際に聴いたのが最後か・・・。あの連続演奏会はハイドシェックの体調不良の問題等もあり、名演、駄演様々であったが、僕の記憶では「熱情」はエネルギッシュなとても素晴らしい演奏であった。
この6月には「悲愴」や第31番などのプログラムを引っさげて来日するようなので今からとても楽しみだ。

それにしても音楽鑑賞というのは「音楽」を聴く行為であり、「音」を品定めするのとはちょっと違うように思う。録音の良し悪しや技術の上手い下手を超越したところに「感動体験」があるというのも事実なので、あまり拘りがあったり耳が良すぎたりするのも考えものかも・・・。

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