人間、そして自然

rolling_stones_beggars_banquet.jpg昨日の深夜、震度3だか4だかの地震で叩き起こされ、それからうつらうつらと浅い眠りを彷徨っていつの間にか朝を迎えていた。その昔、子どもの嫌いなものを「地震・雷・火事・親父」と称する時代があったと思うが、僕も地震と雷は嫌いである。というより恐い。
何を40過ぎた大人が何を言っているのか情けない、という声も聞こえてきそうだが、恐いものは恐いのだからしょうがない。たかだか数秒間に過ぎない揺れなのだが、どうも心臓がバクバクしてしまう(苦笑)。
地球や大自然という見地からみてみると、人間はとてもちっぽけである。現代人は、まるで地球が自分たち人間のためだけに存在していると勘違いしている。狂牛病の原因となった、草食動物である牛に肉骨粉を混ぜた飼料を与えるという事実。貴重な資源である石油を根こそぎ使い切ろうとする先進国の人々。京都議定書にまつわる「排出権取引」という名のビジネス。全てを金に替えようとする身勝手な人間の姿。目先の利益にとらわれ自然や環境を大事にしない「自己中心性」。大自然に身を委ね、真に共存することの大切さ。とはいえ、今更江戸時代の生活には戻れないであろうもどかしさ。
まずは意識だけでも変えてみることが重要だろう。人間や自然と直接に対峙してみれば、すべての虚飾や欲が不要になる。「不自然」とはよくいったものである。

世の中には多くのセミナーや研修がある。いろんな切口から「Win-Win」や、「To give is to receive」などを教えられ、人間関係においては「人のことを想う」とか「まず人に与える」とかという考え方が理屈の上ではあるが少しずつ浸透してきている。ただし、人間以外のことについてはどうなのか?今朝、捕鯨船がアメリカの反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」に警告弾で対抗したという記事を読み、どんな場合も、根底には各々の主張があり、結果的には白黒の決着がつかないだろう問題が世の中あまりにも多く、どこまでいっても結局は「欲」というものと自分自身との闘いなんだろう、そういう意味では人間は「人のため」ではなく「自分のため」に生きているのだろうと思い巡らす。「自分のため」というのは、もちろん自己中心的ということではなく、これまでの犯してきた罪を反省し修正していくという「自己成長のため」ということである。それは、昨日Mさんと語っていて、教えていただいたことでもある。

The Rolling Stone:Beggars Banquet

Brian Jonesの在籍する60年代ストーンズ、いやストーンズの全キャリアという観点から見てもベストではないかと思える屈指の名盤。引き締まったパワーのある音、様々な趣向を凝らしたカラーの違う楽曲(にもかかわらず、あくまでストーンズであるというIdentityを保っている点がすごい)、このアルバムを最後に脱退するBrianの遠慮がちに、しかも寂しそうに響くシタールの音色(No Expectations)など聴きどころは満載。
とにかく、MickとKeithが産み出した楽曲をBillとCharlieのリズム隊とともにdriveするストーンズの泥臭いsolidな響きに華を添えていたのはBrianのマルチな楽器プレイであったことは間違いない。そのあたりの微妙なバランスが僕は好きだったんだなぁ、と痛感。

今晩は笹塚のC君宅でC君おすすめのDVDを観る会。偶然だが、人間と自然をテーマにそれぞれ別の角度から制作している映像を観た。
1.「Listen(リッスン)」(ミロスラブ・セベスティク監督)
全編インタビューと音作りの現場の映像がコラージュ風に繋がれた、「音」に関して様々な角度から追求したドキュメンタリー。ジョン・ケージの「静寂という音」に関しての言及など印象的な場面はいくつもある(ただし、映像の「展開」があまりに速いのでもう一度観るべきかな・・・)。面白い。

2.EAMES FILMS:チャールズ&レイ・イームズの映像世界~Power of Ten
これも面白い。70年代の初めに制作されたらしいが、当然CGを一切使用せず、全編実写とアニメで作られているという。わずか10分弱のマクロ・コスモスとミクロ・コスモスの大旅行とでもいうべき傑作。必見です。ところで、イームズというと椅子のデザインで有名。そういえば昨日Mさんのところでトリートメントをやってもらっている最中、たくさんのいろいろな種類の椅子のビジョンが見えるといわれた。何を暗示しているのかよくわからなかったが、イームズのことだったのかな・・・?

3.Ashes and Snow(グレゴリー・コルベール)
途中までしか観ることができなかったが印象的なDVD。昨年お台場の「ノマディック美術館」で開催された際に流されていたものらしい。グレゴリー・コルベールは、人間と動物が交流する究極の瞬間を、フィルムに収めつづけているアーティスト。これはいい!チベット僧(?)と象がモチーフ。なぜだろ?

ちなみに、今日は「新月」だ。お願事をせねば・・・。

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1 COMMENT

アレグロ・コン・ブリオ~第4章 » Blog Archive » ストーンズは先進的だ

[…] そういえば昔、The Beatlesを聴き始めの頃、仲間内ではThe Beatles派とThe Rolling Stones派に二分されていた。僕は間違いなくThe Beatles派。正直言ってストーンズのどこが良いのかさっぱりわからなかった。それでも”After Math”や”Beggars Banquet”などは後々になってそのグルーヴ感と黒っぽさに痺れて随分聴き込んだのだが、問題作と言われていた”Their Satanic Majesties Request”に関してだけはいつまでも理解できなかった。 このアルバム、巷では”Sgt. Pepper’s”への回答だともいわれていたが、ただビートルズの最高傑作の二番煎じで、一方はトータル・アルバムの金字塔として君臨していたけれど、こちらはどうにもこうにも雑多に入り乱れ、まったくストーンズらしさに欠ける駄作だと決めつけきちんと聴かずにレッテルを貼っていたというところもあった。 […]

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