Queen “Innuendo” (1991)

あの日のことは忘れない。フレディはこういったんだ。「僕の病気がどんな具合か、察しはついていると思う。そう、その通りなんだ。それについては話したくないし、知られたくもない。ただ僕は動けなくなるまで、仕事がしたいだけなんだ」とね。
(ブライアン・メイの言葉)
TOCP-67354ライナーノーツ

死への覚悟を決めたフレディ・マーキュリーの最後のメッセージ。
そのことを知っていたせいか、クイーンのアルバムにしては、どこか切なく、哀しく、何だか真正面から聴く気にならない時間が続いた。

あれから30年近くが経ち、4人が揃った最後のアルバムは、彼らの残した傑作の一つに数えられるものに(僕の中でも)なった。何より楽曲の多様性。そして、相変らずのフレディの果敢なヴォーカルと光る音楽センス。彼が病に侵されているとは到底思えない気力とエネルギーの充実。月並みな言葉しか並べられないけれど、それが2020年師走に思う率直な思いだ。

・Queen:Innuendo (1991)

Personnel
Freddie Mercury (lead vocals, backing vocals, keyboards, drum machine)
Brian May (electric guitar, backing vocals, keyboards, drum machine, acoustic guitar, lead vocals (“Lost Opportunity”))
Roger Taylor (drums, backing vocals, percussion, keyboards, drum machine, additional vocals)
John Deacon (bass, keyboards)
Steve Howe (Spanish guitar)
Mike Moran (keyboards)
David Richards (producing, engineering, keyboards)

これは、フレディの最後の声だという感傷を抜きにして語られるべき作品だろう。死というものが決して終りでないことを、永遠の作品を目の前にして思う。

ちなみに、名曲”The Show Must Go On”にまつわるフレディの言葉に感無量。

ある朝、この曲をフレディのところに持っていった。彼がどう受け取るか少し心配だった。でも、こういってくれたんだ。「ダーリン、僕はそれを歌うよ。そして僕のすべてを注ぎ込む」ってね。
~同上ライナーノーツ

言葉がない。

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