勇気こそわが座右の銘

今僕がここで指摘するまでもないことは重々承知の上であえて採り上げるが、佐野元春の「SOMEDAY」とBruce Springsteenの「Hungry Heart」はやけにそっくりだ。いずれも発表より少々遅れて、大学生時代によく聴いていた音楽。佐野の曲が1981年で、Springsteenが1980年に発表されているわけだから、佐野元春がBossの影響を受けたのだろうということは歴然としている。曲調だけでなく歌い方まで似ているのだからこれはもう間違いない。

「Hungry Heart」はSpringsteen初の全米ヒットチャート・トップ10入りした佳作である。一方佐野元春の「SOMEDAY」も当時一世を風靡していた。

Bruce Springsteen：The River

Everybody needs a place to rest
Everybody wants to have a home
Don’t make no difference what nobody says
Ain’t nobody like to be alone

誰もが休む場所が必要だ
みんな家庭を持ちたいんだ
人が言うことにはたいした違いはない
誰でも一人ぼっちにはなりたくないんだ。

誰もが渇いた心を抱えてる
みんな渇いた心を抱えてる
自分の金を賭けて自分の役割を演じるんだ
誰もが渇いた心を抱えてる
～Bruce Springsteen “Hungry Heart”

30年経った今でも、普遍性を失わない歌詞。世知辛い世の中で我々は誰もが「渇いた心」を癒してもらいたいと願っている。誰だってひとりは嫌だ。硬派のSpringsteenに対して佐野の歌詞は多少女々しい（笑）。いかにも大陸の狩猟民族であるSpringsteenに比して佐野元春は明らかに農耕民族っぽいのだ（まぁ、そこは島国日本の民だから当たり前なのだが）。自分に照らし合わせてみると、どちらかというと僕は女々しい・・・。佐野の詩の方が一層心にぐさりと刺さる。

佐野元春：SOMEDAY

Happiness & Rest
約束してくれた君
だからもう一度あきらめないで
まごころがつかめるその時まで
Someday
この胸にSomeday
ちかうよSomeday
信じる心いつまでもSomeday

「手おくれ」と言われても
口笛で答えていた　あの頃
誰にも従わず
傷の手当もせず　ただ
時の流れに身をゆだねて
いつかは誰でも
愛の謎が解けて
ひとりきりじゃいられなくなる
オー・ダーリン　こんな気持ちに揺れてしまうのは
君のせいかもしれないんだぜ
～佐野元春「SOMEDAY」

どんな人もチャンスを手に入れるためには一旦リセットが必要だと思う。そう、何度も書くが「捨てないと入ってこない」のだ。過去に決別すれば新しい人と出会い、そこから恋愛が始まり、思ってもみなかった人生がスタートする。勇気と決断が大切だ。