人は独りではない!

昼、先日の「人間力向上セミナー」に参加したK君との個人セッション。いろいろと話を聞いてみると、家庭に問題があるわけではないのだが、人生で初めて両親と過去のことや生育歴について語ったという。セミナーのお陰で親ともゆっくりと話すことができたし、何より友人に指摘されても納得いかなかった自分自身の問題や性格を自ら認識することができ、とても良かったと彼は言ってくれた。いえいえ、本当は僕の方こそ勇気をもってご参加いただきありがとうと感謝をしたいくらいだ。

人は「環境」に敏感に左右される。一番身近で密接な環境といえば「家庭」である。もっと突き詰めると「両親」と言い切れるかもしれない。それほどに親からの影響は大きい。ちなみに、最近父がブログを始めたのでリンクしてあるのだが、遠く離れて普段会話することもないのに日記をお互いに毎日見ていると近くにいるような錯覚を覚えるから面白いものである。人間の関係は生のコミュニケーションが最も重要だが、今のようなネットの時代ではブログを通じての交流も乙なもので意外に楽しめるんだという発見があったことが収穫である。

本夕、学生のために第1回「就活エントリーシート講座」を開催する。直前になって体調不良ということで2名がキャンセル。その辺にも学生の甘さが垣間見える。とはいえ、講座そのものは一期一会の真剣勝負なので気合い充分で臨む。今は学生の就職活動も「売り手市場」で随分楽だと聞く。しかしながら、「楽」だという情報に惑わされて危機感が薄く、動きが鈍いということも一方で感じられる。実際、今日久しぶりに会った学生たちには、昨年の12月中頃に「就活ワンポイント講座」で宿題をきめ細かく出したのだが、具体的に教えられたとおりに行動している人は極めて少なかった。そう、やれと言われたことを素直にやらないのだ。

グラズノフ:交響曲第8番変ホ長調作品83
ネーメ・ヤルヴィ指揮バイエルン放送交響楽団

昨日ブログでも紹介したリムスキー=コルサコフに学んだ彼は、先日の「クラシック音楽講座」でもとりあげたラフマニノフの交響曲第1番を初演し、大失敗を招いた張本人でもある。この初演の失敗が結果的にラフマニノフの神経衰弱(ノイローゼ)の直接の原因になっているわけだから、作曲家からしてみると顔も合わせたくない人物だったのかもしれない。グラズノフ自身もスランプによりアルコール中毒になったり、故国を離れてホームシックに罹ったりと精神的にはあまり強くなかったようだ。
ところで、この交響曲第8番は朝比奈隆も愛したロシアン浪漫的な名曲。確か15年ほど前だったか新星日響とのコンビで御大が振ったのをサントリーホールで聴いたことを思い出す。

人間は基本的には「弱い」生物だ。だから「ユニークな存在」でさることを忘れがちになる。逃避から酒に溺れたり、最悪は麻薬に走るようにもなる。どうすれば「強く」なれるのか?自分と他者との「境界」を認識し、その殻を破り、「愛」というものに体感的に触れることしかないだろう。人は独りではないのだ。そのことを「知る」ことがとても大事である。

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