日本人作曲家の作品に関しては特に若い頃随分とそっぽを向いてきたから、歳を重ねた今頃になってようやく武満徹や黛敏郎などの一部の有名作品を含め、いろいろな作品を聴き込んでみたいという欲が湧いてきている。伊福部昭、古関裕而、諸井三郎・・・などなど。古関先生などは「オールスター家族対抗歌合戦」で審査員を務められていたので子どもの頃よくみていた。当時はそれほど著名な方だとは露ほど思わなかったけれど。それにしても「スポーツショー行進曲」をはじめ、歌謡曲などその幅広さに舌を巻く。ひとつひとつじっくりと研究してみたい対象のひとり。
気がつけば3月も中旬。年度末だからか世間が忙しない。それに、昨夏の猛暑のせいか花粉がものすごいようで、花粉症を患っている方々にとっては大変な騒ぎ。僕は軽度の花粉症持ちだったが、いつのまにか完治していた(一時期完全菜食に切り替えて体質改善したお陰だろうが)。とはいえ、これだけひどいとさすがの僕も頭がぼーっとする。そのせいかどうか、昨日のB社での打ち合わせの時には猛烈な睡魔に襲われ、半ば眠ったような状態で、投げかけられた質問に的確に答えられなかった・・・(汗)。
それと、昼食時に清算しようとバッグを開けたら財布を忘れていることに気づき・・・独り飯じゃなかったからよかったものの・・・。
そんな頭をすっきりさせてくれる音楽。
DENONのCREST1000シリーズから、昨年末にリリースされた「山田耕筰ピアノ作品全集」。これは本当に素晴らしい作品集。山田耕筰というと、一部の管弦楽作品を除き、童謡や唱歌くらいしかまともに聴いたことがなかった。西洋音楽を日本に普及させることに尽力した第一人者であることは小学校の頃から教わって知っていたが、例の禿げ頭肖像画が子どもながらに妙におかしくて、作品よりその風貌だけが強烈に脳裏に焼き付いていただけ・・・(笑)。
彼のピアノ作品を初めて耳にしたが、どれもが美しい。プチ・ポエム集の哀愁。組曲「夢の桃太郎」の軽快な歩み。そして、シューマンを彷彿とさせる組曲「子供とおったん」、滝廉太郎の「荒城の月」を主題とする変奏曲(哀詩)など、繰り返し聴くにつれ「西洋に憧れた日本人のコンプレックスと、それでもまだまだ神国日本は毛党(失礼!)等などには負けないぞよなどという勝気さ・プライド」が交互に現れるようで何ともスカッとする。
イリーナ・ニキーティナというピアニストは初めて聴いたが、日本人の心をぴたっと捉えていてなかなかのもの。実演を聴いてみたい。
おはようございます。
山田耕筰の曲は、有名な『からたちの花』『この道』といった歌曲と、ナクソスから出ている、交響曲ヘ長調『かちどきと平和』 (名曲!)をかなり聴き込んだことがあるくらいですが、ピアノ曲にも室内楽曲にもいい曲が多そうですね。ご紹介のCDで勉強してみたいです。
連想ゲームを少し。
山田耕筰(1886年(明治19年)6月9日 – 1965年(昭和40年)12月29日)は、誕生年も没年も、
谷崎潤一郎(1886年(明治19年)7月24日 – 1965年(昭和40年)7月30日)とまったく同じ。
1886年(明治19年)生まれの著名人は、他に、
作曲家グスタフ・マーラーの未亡人、アルマ・マーラーと恋愛関係にあった画家、オスカー・ココシュカ(1886年3月1日 – 1980年2月22日)とか、岡本太郎の父親で漫画家、作詞家だった岡本一平(1886年6月11日 – 1948年10月11日)なんて人もいます(それで思い出しましたが、岡本太郎のピアノの腕前はプロ級だったらしいですね)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E6%9C%AC%E4%B8%80%E5%B9%B3
詩人、作家の萩原朔太郎(1886年11月1日 – 1942年5月11日)もそうですね。
山田耕筰、谷崎潤一郎、オスカー・ココシュカ、岡本一平、萩原朔太郎・・・、それぞれの人生を調べると皆さん大変お盛んで、男女関係、肉体関係、恋愛遍歴、それはそれは派手でご立派です(笑)。
ところで、指揮者としての山田耕筰では、新交響楽団を指揮した、ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』の録音を昔聴いたことがあります。中々立派な演奏だったと記憶しています。
1886年生まれ、忘れてはいけない大家はまだたくさんいます。
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー( 1886年1月25日 – 1954年11月30日)
エトヴィン・フィッシャー(1886年10月6日 – 1960年1月24日)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番『皇帝』 フィッシャー(p)フルトヴェングラー&フィルハーモニア管弦楽団
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2650716
「フィッシャーはここでもけっして、万全のメカニックをそなえた名手ではない。しかし、リズムといい、アクセントといい、ダイナミックといい、フレーズ全体で聴くと、一点の非のうちどころがない出来栄えなのである」「わたしにもうひとつ羞恥心が欠けていたら、これこそまさに、あらゆる第5協奏曲のレコードの中の皇帝である、とでも書いただろう」 ・・・・・吉田秀和 「世界の指揮者―吉田秀和コレクション」 (ちくま文庫) より
http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%8C%87%E6%8F%AE%E8%80%85%E2%80%95%E5%90%89%E7%94%B0%E7%A7%80%E5%92%8C%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%90%89%E7%94%B0-%E7%A7%80%E5%92%8C/dp/4480423923/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1299796823&sr=1-1
>雅之様
こんにちは。
初めて彼のピアノ曲を知りましたが、名曲ぞろいでびっくりです。あらためて「才能」を確認した次第です。
ところで、連想ゲーム(それぞれの人生を調べると皆さん大変お盛んで、男女関係、肉体関係、恋愛遍歴、それはそれは派手でご立派です)、本当に立派ですよね。皆さん肉食系で、現代の若者に爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいです。
ちなみに、山田耕筰指揮の演奏は聴いたことがありません。録音を探して聴いてみたいです。
それと、フィッシャー&フルトヴェングラーによる「皇帝」!!
これは懐かしいです。高校生の時、初めて買った「皇帝」のLPがこれでした。
それにしても吉田先生のこの言葉ー「わたしにもうひとつ羞恥心が欠けていたら、これこそまさに、あらゆる第5協奏曲のレコードの中の皇帝である、とでも書いただろう」ー、思わず笑みがこぼれます。