クリスマス?!

先日の「東京ハガキ祭」で知り合った方々から早速今日何通か複写ハガキをいただいた。直筆の心のこもったお手紙はとても嬉しいものである。あれ以来僕も1日何通か出逢った方に手紙を認めている。とにかく相手の顔を思いながら喜んでいただけるよう一生懸命書いている。

そういえば先日東松山のSさんのお宅に伺った際に、ちょうど30年前に朝比奈先生からいただいたというサイン色紙とツーショットの写真が部屋に飾ってあったのをみて、とても羨ましく思ったと同時に、かの御大も生前はとても筆まめでファンからもらった手紙やハガキには必ず返答を書いていたんだということを思い出した。そして、毎年この時期になると「朝比奈隆」の音楽を思い出してしまう。
もうすぐ6回目の命日が訪れる。

今日はクリスマスだからもっとクリスマスに因んだ音楽を聴けばいいのに、そういうことを考えていたものだから、朝比奈の音楽を聴かねばという心境になり、結局取り出したのが死の7ヶ月前に都響と奏ったブルックナーの7番。この演奏は久々に聴いた。以前、聖フローリアンでのライブ録音をとりあげたが、 26年後のこの演奏はテンポもきびきびしたものになり、年を重ねるごとに青年と化していく朝比奈の、「若々しさ」を前面に押し出したような名演奏である。このコンサートも当日実演で聴いていたのでとても懐かしい。まさかその年の内に亡くなってしまうとは思いもしなかったが。

ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(ハース版)
朝比奈隆指揮東京都交響楽団(2001.5.25Live)

朝比奈先生ほどファンや人間を大切にした人はいなかったのではないか。そういう彼も家族には厳しく、長男の千足氏によると子供の頃はまともに愛情を与えてくれないような父親だったらしい。
「愚直」を座右の銘にした朝比奈御大が最も得意にしたのは野人ブルックナーの音楽。ゴツゴツした剛毅な音楽を書き続けた彼がふと何かの拍子に自身の持つ「女性的」な部分を表現したかのようなロマンティシズム溢れた優美で滑らかな肌心地の楽曲がこの第7交響曲なのである。
聖フローリアン盤には及ばないが、この曲を演奏させたら朝比奈御大の右に出るものはいない。それほどテンポ感、バランス感含めすべての表現がぴったりと当てはまる。

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