今夜もマーラーの交響曲第4番ト長調。
マーラーは、存命中、常に楽譜の補筆改訂作業を行っていたから、この作品も最終稿は初めの稿から随分進化しているようだ(1901年にも加筆修正され、さらに1910年にも手も加えられている)。
音楽は生ものだと思う。
マーラーの作品は、指揮者がそれだけ入念に手を入れているものだから、譜面通りに正しく演奏すれば誰が振ってもそれなりに良いものになるそうだ。あとはオーケストラの力量がものをいうが、今のプロ・オケはどこも技量が高いからその点は問題ないだろう。
ハノーファー北ドイツ放送フィルの演奏を聴いた。
第3楽章ポコ・アダージョ(「平安に満ちて」)でのコンサートミストレスの弾く独奏がかなりのポルタメントが効いていて、(とってつけたような印象も残るが)浪漫豊か、かなり劇的で感情の浮沈を表現した素晴らしい演奏だと思った。
(マルク・アルブレヒトの指揮は初めて聴いた)
・マーラー:交響曲第4番ト長調(1900)
ハイディ・ストーバー(ソプラノ)
マルク・アルブレヒト指揮ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団(2022.5.20Live)
ところで、終楽章におけるストーバーのソプラノ独唱は少々個性が前面に出過ぎているような感(大袈裟?!)もあるが、これくらい劇的な方が聴衆を惹きつけるという意味で効果的なのかもしれない(少なくとも会場で聴く限りにおいては)。