数人のお客様を相手に、クライアント本人に気づき与えつつ事を進めていくのは気持ちの良い「疲れ」を伴う。決して嫌な「疲れ」じゃない。ただ、こういう時は心身をリフレッシュするのに邪魔にならない心地の良い「音楽」が必要だ。
頭を疲れさせない「癒し」の音楽は何か?それは好きな音楽なら何でもいいと思う。
例えば、僕にとってはバックハウスの弾くモーツァルトがそう。
バックハウスの弾くベートーヴェンならともかくなにゆえモーツァルトなのかと思う人も中にはいよう。しかし、なぜか「鍵盤の獅子王」の異名を持つバックハウスなのである。
まだCDが開発されない頃、僕はLPでバックハウスのモーツァルトを初めて聴いた。
それは色気のないゴツゴツしたクールなモーツァルトであった。
リリー・クラウスも聴いた。
ハイドシェックも聴いた。
バレンボイムも聴いた。
内田光子も聴いた。
グールドの弾く異形のモーツァルトももちろん聴いた(残念ながら受け容れ難い)。
しかし、やっぱりバックハウスのモーツァルトを一番聴きたくなる。そして、好きである。不思議なものである。
モーツァルト・リサイタル
ヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)
今年の3月に浜離宮でハイドシェックが感動的な演奏をしたヘ長調ソナタK.332に始まり、同じ日に彼が奏したイ短調ロンドK.511で幕を下ろす巨匠晩年の透明感に溢れる珠玉のアマデウス。
心が洗われる・・・。まさに浄化である・・・。
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