リゲティの「祈り」

人間の「想念」というのはやはりエネルギーだと痛感する。
「思考は現実化する」というが、「想念」がその環境、磁場に与える影響というのは計り知れないものがある。特に「怒り」や「哀しみ」というマイナスの「念」のパワーは「気の歪」を生じさせる。

よくポジティブな言葉を使うことを重視し提案している啓発本をみかける。確かに前向きな言葉を発することは重要なのだが、「言葉」はあくまで「想念」、「思考」を伝えるツールに過ぎず、表面上(つまり言葉の上で)どんなに取り繕って着飾ってみても「思念」そのものが汚れていれば、結局のところ場に与える影響はマイナスになりかねない。

言葉を発する人が自分自身の「想念」そのものを直視し、もしも過去の体験や環境からくるマイナス・エネルギーが溜まっているのであれば、本質的に浄化しないと、どんなに素晴らしい肯定的な言葉を発しても全てはきれいごとに聞こえ、その重みを半減させる。

ジェルジ・リゲティ:ルクス・エテルナ
テリー・エドワーズ指揮ロンドン・シンフォニエッタ・ヴォイセズ

リゲティが1966年に作曲した「永遠の光」と題するア・カペラ合唱曲は、スタンリー・キューブリック監督「2001年宇宙の旅」の映画中で使用され有名になった楽曲である。
人間の想念、いわゆる「祈り」を音化したきわめて現代的なお経のような音楽。一聴得体の知れない不気味さの中に、浄化されたあとに残る無色透明な「0(ゼロ)」エネルギーを感じさせる音楽である。
全曲ほぼpまたはppという音量で歌われる。

永遠の光で彼らを照らしたまえ、主よ、
あなたの聖人たちとともに、あなたは慈悲深い方たちですから。
永遠の安息を彼らに与えたまえ、主よ、
そして変わらぬ光で彼らを照らしたまえ。

思考を「正」に変えたいのならば、まずは自らの中にある「負」を浄化し、捨て去ること。「言葉」ではなく「想念」から変えなければ何も変わったことにならない。

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