
プロローグ第2場、ボリスの戴冠式のシーン。
小川典子の、作曲家自身による自筆のピアノ譜による渾身の演奏に僕はただただ感動した。
これぞ本来あるべき姿という赤裸々な作曲家の内なる精神の叫びに触れることのできる機会といえる。
ムソルグスキーの清廉な魂からの喜びが反映される、美しき歌。
ボリスの治世には災害や飢饉、疫病が多発したらしい。
力ある王の前にはそういう劫難が得てして頻発するものだ。
プーシキンの戯曲は史実に基づくものだろうが、真偽のほどを僕は知らない。
ボリスは1605年4月23日(ユリウス暦では4月13日)に癲癇の発作で急逝したとされる。(僕の頭の中ではドストエフスキーと被る)。
没後420年!