何とレッド・ツェッペリンが今秋ロンドンにて一夜限りのライブ・パフォーマンスをやるという。全世界からチケットを求めて2000万人が殺到しているのだと。主催者のホームページにはここのところ平均して1分間に8万アクセスものクリックがあると報道されていた。誰もが待っていた19年ぶりのパフォーマンス。
彼らが全盛を誇った60年代末から70年代末までの約10年間で何回か来日しているが、当然幼い子どもだった僕は聴いていない。1980年ジョン・ボーナムの突然の死により解散しているため以降聴く機会が永遠に失われてしまった。そして、85年のライブ・エイドにて復活ライブがありテレビで食い入るように見ていたが、当時はむしろ他のバンドがお目当てで(ザ・フーとかクイーンとか)、ツェッペリンの凄さを今ほど理解していなかったこともあり、彼らのパフォーマンスについてはほとんど記憶が無い。何となく時間が過ぎていったのだろう・・・。
いつかのブログにも書いたが、ツェッペリンに目覚めたのは1990年頃にジミー・ペイジのリマスターによるBOX setが発売され、あらためて4枚のCDを通しで聴いてからのこと。そして、つい先年ライブDVDが発売され、ツェッペリン熱が再燃。ますます僕にとっての「神様」になったのである。
Led Zeppelin:Physical Graffiti
1曲目のCustard Pieから15曲目Sick Againまで、怒涛のツェッペリン・サウンドが詰まった究極の2枚組。そもそもツェッペリンを初めて聴かされたとき、そのサウンドの重さに辟易し、せいぜい「天国への階段」くらいのもので、それ以外の楽曲はしばらくは好きになれなかったことを思い出す。とはいえ、ロバート・プラントのハイ・トーンのシャウトはどう聴いてもヴォーカルではなく、楽器の一部と化しており、その天才性は理解できていたつもりだった。この声があり、そしてジョン・ボーナムの太鼓があり、ジミー・ペイジの強烈なリフ、ジョン=ポール・ジョーンズの卓越したアレンジ能力によってシナジーが生まれた奇跡のバンドであったことがあらためてわかる。
ジョンの息子ジェイソンのドラムによる再結成だが、果たしてどの程度ツェッペリン・サウンドが蘇るのだろうか?
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[…] Led Zeppelin:Celebration Day John Paul Jones, Jimmy Page, Robert Plant and Jason Bonham Recorded Live December 10th, 2007 O2 Arena, London ツェッペリンの普遍性は色彩豊かな多様性にある。 ついでに、20年前にジミー・ペイジがリマスターし、編集した4枚組ボックス・セットから2枚目あたりを取り出して聴いてみた。サードから「フィジカル・グラフィティ」あたりの音楽がばらばらに(というかペイジの思う順番に)収録されているが、久しぶりに耳にしてそう思った。アコースティックなツェッペリン、ハードでヘヴィなツェッペリン。そしてフォーク・スタイルのツェッペリン、ブルース・ツェッペリン、さらに第三世界的ツェッペリン、・・・ともかく自在に変化する彼らの(というかジミー・ペイジの)万華鏡の如くの音楽性を確認し、なるほど、確かに”Celebration Day”は感動的な記録であり、それを観る者(聴く者)を感激の坩堝に追いやるが、残念ながら繰り返し何度もという気にあまりならない(ように思う)。その理由がわかった。 […]