台風一過。今日もブラームス。
ブラームスというとクララ・シューマンとの恋愛関係が取り沙汰されることが多いが、今日は青年期の恋についてちょっと書いてみよう。
ブラームスがまだ25歳の頃、アガーテ・ジーボルトという女性と知り合い、恋に落ちたという。婚約までした仲であった。しかしながら、どういうわけか一方的にこの婚約は破棄され、若きブラームスは失意のどん底に落ちた。
その最中、失恋の悲しみを払拭するかのごとく生まれたのがかの名曲「弦楽六重奏曲」であった。ルイ・マル監督の「恋人たち」という映画に使われたのはこの曲の第2楽章である。
先日の日記で若い頃ブラームスの音楽が苦手であったことを書いたが、彼の音楽に開眼させられた楽曲がまさにこの弦楽六重奏曲だったことを思い出す。
ブラームス:弦楽六重奏曲第1番変ロ長調 作品18
アマデウス四重奏団、セシル・アロノヴィッツ(第2ヴィオラ)、ウィリアム・プリース(第2チェロ)
第1楽章の出だしから何ともいえぬ懐かしさと優しさが入り混じった「人間らしい」音楽である。第2楽章も「失恋の悲しみ」を表現する感動的な名曲。
独り静かにじっくりと聴いていただきたい。
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