静寂の中で・・・

takemitsu_numajiri.jpg静寂の中にひとりぽつんと落ちていく感覚。何も考えず、ただ外に意識を向けてみても、昨晩はどういうわけか音が聴こえなかった。3連休の最後の日で単に静かだったのか。
それとも自分自身に意識を集中したお陰で、外部の音がまったく気にならなかったのか。

漆黒の宙に吸い込まれるように眠りに堕ちていった気がする。最近は夢を覚えているが(正確には忘れないようにしているが)、昨日の夢は覚えていない。いつも熟睡する性質だが、まるで丸太のように眠り込んでしまったという証拠・・・。
フランシラ社のピートを使用したたっぷりの熱いお湯に身体を沈めて良い汗をかいた。風邪なのか何なのか体調が万全でなく、しばらく喉のイガイガがとれない。特に熱があったりするわけではなく、また日常生活に支障を来すわけでもないので薬は飲まないがどうしたものか。

午後、新宿のサザンタワーのいつものラウンジでカウンセリング。
結果、再確認したことだが、人に何かを教えることでやっぱり人間は成長する。自分のことでいっぱいいっぱいになり他人に教えるということを忘れがちなのが現代人。少なくとも自分がしっていること、情報はオープンにして伝えていくことが重要だ。

30年もの間クラシック音楽を聴いていると、人に教えたくなる瞬間が多々あった。今でこそ「クラシック音楽講座」を通じて多くの方々に「西洋古典音楽」を聴く喜びをお伝えできているが、具体的に行動を起こすまではそういう機会をもつことがなかった。ともかく発信すべし。「伝えること」にこそ生まれてきた甲斐があるというのは大袈裟か・・・。

武満徹:オーケストラ作品集Ⅴ
堀米ゆず子(ヴァイオリン)
鈴木大介(ギター)
沼尻竜典指揮東京都交響楽団

久しぶりに武満の音楽を聴く。1995年に作曲されたヴァイオリン、ギター、オーケストラのための「スペクトラル・カンティクル」は作曲者最後の管弦楽作品。武満の音楽は現代作品にもかかわらず不思議にすーっと心に響いてくるところが素晴らしい。ほとんど違和感なく「自分のもの」になるのだ。
それに、1982年に早稲田大学の委嘱により作曲された「オーケストラのための星・島」も出色の出来。ちょうど僕が在学時、早稲田大学交響楽団のヨーロッパ公演を収録したCDを、友人がワセオケに在籍していたものだから売り込まれ、お義理で買って聴いたのが最初だったか。希望に満ちた響きがこれまた素直に身体に染み込んでくる。
武満徹の音楽は、まさに冒頭に書いたように「静寂の中にひとりぽつんと落ちていく感覚」に近い・・・。


2 COMMENTS

雅之

こんばんは。
武満徹は、自身も意識していたようですが、「ドビュッシーの後継者」という言葉が相応しいですね。私は思考の邪魔をしない最良の意味でのBGMとして、武満の音楽のCDを活用しています。
「ワセオケ」、大昔の私の学生時代のころから、「学オケ界のベルリン・フィル」だと思っていました。上手すぎて、可愛いげがないところがよく似ています(くやし涙+大笑)。

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岡本 浩和

>雅之様
こんばんは。
>私は思考の邪魔をしない最良の意味でのBGMとして
確かに!上手い表現です・・・。
>「学オケ界のベルリン・フィル」
>「上手すぎて、可愛いげがない」
ああ、そういわれればそうかもですね(笑)。何せ上記のCDも確かムジークフェラインかどこかでの実況録音ですからね。友人が第2ヴァイオリンを弾いているようです(笑)。

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