優しい歌

明日から研修でまた4日間缶詰状態。研修といっても受講する側。この1ヶ月怒涛のような勢いでいろいろな知識を吸収しているが、少しばかり頭が「爆発」状態。貯め込んだ知識を早くアウトプットしないと気が狂うかも・・・(笑)。

やるべき宿題が多い。ともかく次から次へと湧いてくる。身はひとつだからともかくひとつずつ着実にこなしていくしかないのだけど。ひとつ気づいたこと、やはり正しい感性で正しい選択をすることが大切だということ(といって今間違った選択をしたということではないが)。

まる一日、音楽講座に向けて資料を作った。やっぱりエンマ・バルダックとの関係抜きにはドビュッシーは語れまい、ということでその周辺を中心に。いろいろと文献を斜め読みしてみて、フォーレが一時期彼女に想いを寄せていたことを再確認し、エンマという女性がいかに魅力的な女性だったかということをあらためて思い知らされた。小柄で知的で上品で、しかも素人ながら歌も上手ときては音楽家が放っておかないということなのだろうが、何せ人妻、である。結果的に彼女は後年ドビュッシーと駆け落ちまですることになるのだが、身分制度や社会的常識や、当時の抑圧された生活の反動というものがいかに大きいかがわかって興味深い。常識に縛られれば縛られるほど、想像力、創造力が飛翔する。「束縛」が「自由」と「勇気」とを人々(特に芸術家)に与えてくれる。

フォーレがエンマに想いを寄せて1890年代に生み出したヴェルレーヌの詩に基づく歌曲集。

フォーレ:歌曲集「優しい歌」作品61
ジェラール・スゼー(バリトン)
ダルトン・ボールドウィン(ピアノ)

EMIの全集からの1枚。スゼーの歌唱は相変わらず「雅やか」という言葉が相応しい。
その楽曲の裏側に秘める作曲家の心情を知って聴くと、より一層心に染み入る。名曲なり。

第3曲「白い月」
白い月が森を照らし
枝々から
その葉を伝って
囁きがもれる

ああ、愛する人よ
深い鏡のように
池が映し出す
黒々とした柳の影を
風が泣いている・・・

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