「上を向いて歩こう」というのは意外に理にかなっているみたい。
田中ちひろさんの「ストレスゼロテクニック公開講座」に参加した。2時間弱のレクチャーは、先日の集中講座をギュッと濃縮した、意味深いものだった。少しばかり西洋的な観点に立ち過ぎている点が気になるが、そこは東洋的エッセンスを採り入れながら多少アレンジすれば日本人の感性にぴったりのストレス回避講習になると確信する。
ストレスを感じると人間は(特に日本人は)ついつい俯きがちになる。そうすることで自身を内観し過ぎて悪循環に陥る。その状態を断ち切るのに、感情のリンクを切るのに、上を向くことが絶対なのだと。勉強になりました。ありがとうございます。
講座後、仲間と一献交え、良い気分になって帰宅。それならやっぱりベートーヴェン。僕自身「悟り」には程遠いが(苦笑)、作品101を聴くたびにいろいろなことを味わわせてもらえる。こんなにも明るい、上昇志向の音楽があるだろうか。まさに楽聖の「上を向いて歩こう」・・・。
ベートーヴェン:
・ピアノ・ソナタ第28番イ長調作品101
・ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調作品106「ハンマークラヴィーア」
ヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)
バックハウスの演奏は僕にとって原点。「ハンマークラヴィーア」が旧録音の焼き直しであることが至極残念だが、晩年の録音をこれだけきちんと残してくれただけでも感謝をすべきだろう。外に向かう力と内に漲る力が均衡するこの名作は、聴けば聴くほど畏怖の念を抱かせてくれる魅力を持つ。愛知とし子がいずれ近い将来ベートーヴェン・ツィクルスに臨むと公言しているが、全曲をやる前に「ハンマークラヴィーア」には挑戦しなければと言っている。早ければ来年夏。これはもう楽しみだ(ちなみに、今秋は作品109を披露する予定)。
先日のジョイステージ八王子でのコンサートのアンコールは「上を向いて歩こう」。
良い曲だ。
おはようございます。
「上を向いて歩こう」は名曲ですけど、
「上を向いて歩こう」という言葉自体は「頑張ろう」と同じで、
安全地帯にいる他人から「上から目線」で言われたくはない言葉です。
東京の人が大津波被災地の人に「上を向いて歩こう」と慰めたとして、
「大きなお世話。あんたには言われたくない」と、内心では反発する人こそ、
真に上昇志向の強い人だと私は信じます。
「上を向いて歩こう」と慰められなきゃならないくらい
今の日本人は上を向いていないのですか?
そんなに情けなくもないでしょう(笑)。
それと、現代の日本人はストレスを恐れすぎだと感じますけど。
だから、傷付くのがいやで議論を避けたがる傾向が最大の弱点なのでは?
むしろ適度なストレスが人間には必要なんだということを
もっとアピールしていかなきゃ、
この国は活性化していかないんじゃないですかねぇ。
「物事は両面からみる。
それでは平凡な答えが出るにすぎず、
智恵は湧いてこない。
いまひとつ、とんでもない角度
つまり天の一角から見おろすか、
虚空の一点を設定してそこから見おろすか、
どちらかしてみれば問題はずいぶん変わってくる」・・・・・・司馬遼太郎
上を向くことも、天の一角から下を見おろすことも、
横や斜めを、よそ見して眺めてみることも、
同様に大切なことだと、私も思います。
「坂の上の雲」や「燃えよ剣」に出てくる登場人物に、
いちいち「上を向いて歩こう」とは声をかけなくてもよいでしょう。
司馬遼太郎の名言より、
「人間、ひたすらに頼まれるほど
心の弱まることはない」
「日本人は均一性を欲する。
大多数がやっていることが神聖であり、
同時に脅迫である」
>愛知とし子がいずれ近い将来ベートーヴェン・ツィクルスに臨むと公言しているが、全曲をやる前に「ハンマークラヴィーア」には挑戦しなければと言っている。
そうこなくっちゃ!!
どんな一流外人ピアニストの演奏よりも、
何倍も何十倍も聴衆の心を打つだろうと、私は信じています。
>雅之様
おはようございます。
いつものように鋭いツッコミありがとうございます。
ちなみに、昨日のタイトルは単に「姿勢」の重要性という意味で書いたものです。
もちろんこの歌自体には訴えかける意味がありますが、要は昨日の講座で、姿勢を上向きにするだけで感情のリンクが切れるということを体感的にも学習したので、「なるほど」という思いから書いたものでした。
それと、特に東京では電車に乗っていて感じるのですが、ほとんどの乗客が携帯をいじったり、本を読んだり、下を向いて寝たりという姿勢の人が多いのです。今回の講座で田中さんがおっしゃるには、例えば「うつ的」なものは多様な側面があるので一概にはいえませんが、姿勢を上向きにするだけでも相応の効果が発揮されるということでした。そうかもなと納得しました。
あと、ストレスですが、もちろんいい意味でのストレスは重要です。ストレスがまったくなくなったら人間何もしなくなりますからね。
ちなみに、妻がたった今隣で口走ったのですが、「私はスケジュールがいっぱいで忙しいほうがいいかも」と言いました。忙しくてピアノが弾けないことがストレスだったようですが、それは思考、捉え方の問題で、忙しいからこそきちんとスケジューリングしてピアノの練習をする時間を取れるということにつながるということに気づいたようです。ストレスは社会生活をしていく上で重要なファクターでもありますね。
司馬さんの言葉共感いたします。
>どんな一流外人ピアニストの演奏よりも、
何倍も何十倍も聴衆の心を打つだろうと、私は信じています。
ありがとうございます。
本人にそう伝えます。
もしご予定合うようでしたら、6/25のリサイタルにまたいらしてくださいね。