自分は本当は何をしたかったのか?!

妻の弾くラフマニノフの第2ソナタの断片が戸を隔てて聴こえてくる。
すっかり天気が晴れた爽快な気分。
Sさんに、思いの丈を思う存分話をして、気がついたら4時間。仕事の話とはいえ、これまで自分が抑え込んでいたものが吐き出されるかのようなすっきり感を味わえたのは久しぶりかも。
自分は何をどうしたかったんだろう、あらためて思い出した。
すべてはタイミングかも。どんな体験をしてもすべてが順調であると口で言うのは簡単で、なかなかそんな風な行動はとれないものだが、ようやくその意味がほんの少しだがわかったような感じ。

今朝から食事をする暇もなく気がついたら17:00。いっそのこと今日はプチ断食だと決心して外出。ところが、ついついビールを飲んでしまい(笑)、揚句は食事まで。まぁ良い。決心とは裏腹に、食べたい時に食べ、寝たい時に寝て、そんなスタイルで生きてゆこうかと(怠慢に生きるという意味じゃないですよ、やりたいことをやって突っ走るということです)。

そう、ラフマニノフがニコライ・ダーリ博士の催眠療法により神経衰弱から脱却、第2協奏曲を生み出したその時に持ったであろう感覚。自分は本当は何をしたかったのか?!

ラフマニノフ:
・ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18
・ピアノ協奏曲第4番ト短調作品40
ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)
ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

このあまりに有名な音楽は、病み上がりの人々の心身を癒す。特に、第2楽章の憂愁とフィナーレの爆発的歓喜。人生山あり谷あり、日常もアップ&ダウンの繰り返し。まったくもって素のラフマニノフが、本来の自分を取り戻した瞬間が刻まれる。

夕べ、久しぶりにテレビをつけたら、ソルジェニーツィンとロシア大統領の特集をやっていた。思わず引き込まれて観た。晩年は大統領以上の人気と支持を集めていたといわれるソルジェニーツィンの未来を予見した言葉はいちいち重みがある。

ちなみに、亡命後に作曲された数少ない作品のひとつである第4協奏曲。一般的にはほとんど無視されているような音楽だが、作曲家の表には出てこない裏側の心情が投影されているようで僕は好き。特に、このアシュケナージ盤は出色。

「ロシアには独裁が必要だ。ただしそれは愛のある独裁でなければならぬ」
~アレクサンドル・ソルジェニーツィン


3 COMMENTS

雅之

こんばんは。

たまには岡本さんの業界に話を合わせようかな(笑)。
こんな本を読みましたよ。

《「また会いたい」と思われる人の38のルール》 吉原 珠央 (著)  幻冬舎
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E3%81%BE%E3%81%9F%E4%BC%9A%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%84%E3%80%8D%E3%81%A8%E6%80%9D%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%82%8B%E4%BA%BA%E3%81%AE38%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB-%E5%90%89%E5%8E%9F-%E7%8F%A0%E5%A4%AE/dp/4344017404/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1312808641&sr=1-1

49~50ページより

・・・・・・ところで、私は毎年、年に約100本以上のセミナーや講演を行っています。経験を積んできたとはいえ、毎回受講者も変わりますし、主催者側のねらいや私自身の精神状態も微妙に変化しますから、本番直前は心拍数が上がり、ほどよいプレッシャーと緊張感を常に感じています。
 あるとき、話し方のプロも参加するような社会人向けコミュニケーションセミナーの講師の仕事がありました。本番直前になってあまりに緊張したので、楽観主義の王道を行く母と話すことによって落ち着こうと考え、電話をしたことがありました。
 そのとき母は言いました。「たとえミスをしたって地球がひっくり返るわけでもないんだから大丈夫よ!」。確かにその通りです。こういうときは難しいことよりも、このくらい単純に言ってくれるほうが助かります。そして、続けてこんなことを言ってくれました。「とにかく、あなたは人に話を聞いてもらえる仕事ができることに感謝しなさい。それはとても幸せなことなのよ。世の中には、いくら話したくても、簡単には相手に話を聞いてもらえない仕事のほうが多いんだから。人生には2つあるのよ。人に話を聞いてもらえる人生と、人の話を聞くばかりの人生と・・・・・・。とにかく、全力を尽くしてきなさい!」
 このとき、体に電気のようなものが走ったのを今でも覚えています。自分の話を聞いてもらえるということは、決して当たり前のことではなく、人様の人生の一秒一秒を与えてもらっている。そのことに感謝の気持ちをもたなければいけないのだと痛感させられたエピソードでした。・・・・・・

吉原さんのお母さんの言葉に習えば、
「音楽好きにも2つあるよ。人に自分の曲や演奏を聴いてもらえる人生と、人の曲や演奏を聴き文句をたれるばかりの人生と・・・・・・。」

ラフマニノフは、何と幸せな人生だったのでしょう!

岡本さんご夫妻も、ねっ!!(笑)

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岡本 浩和

>雅之様
こんにちは。
この手の本も読まれるんですね。
いやあ、ほんとに幅広いので吃驚です。

>ラフマニノフは、何と幸せな人生だったのでしょう!

岡本さんご夫妻も、ねっ!!(笑)

ラフマニノフと同列ですか?!
滅相もございません(笑)。

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アレグロ・コン・ブリオ~第3章 » Blog Archive » アレコのカヴァティーナ

[…] 8月8日はいつも僕にとって大きな転換点。 すっかり本来の自分を思い出すことができそうで、頭の中であれこれと「やるべきこと」が目まぐるしく回る。俄然やる気が湧いてきた(笑)。 昨日、ラフマニノフを聴いてインスピレーションを得たものだから、本日も棚を探って長い間聴いていなかった音盤を見つけ出した。ネーメ・ヤルヴィが決して有名とは言えないラフマニノフの3つの歌劇を収録した3枚組セット。 各歌劇のあらすじも何も知らないまま、そしてほとんどまともに聴くこともないまま放ったらかしだったものを少し真剣に聴いてみようと、まずは作曲者がモスクワ音楽院の卒業制作の課題で書いた歌劇「アレコ」を何度となく繰り返す。いやはや、19歳のラフマニノフはやっぱりラフマニノフ。ロマン派風の濃厚で美しいメロディがさく裂。1時間足らずの1幕ものだから気楽に聴けるところがいいし、これはぜひとも映像なり舞台なりで鑑賞、確認したい。 […]

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