今年の夏もすっかり終わったというのに、少々夏気分を取り戻すのに最適な音盤をということで・・・(山下達郎じゃないですよ、サザンでもありません。ましてやTUBEでもないのです)。30年前にリリースされたときには、この都会的センスに溢れながら少しアンニュイな雰囲気をもつアルバムの普遍性について正直あまりよくわかっていなかった。その後、CD化され、20周年記念エディション、30周年記念とリマスターされるたびに音像も鮮明になり、いよいよ殿堂入りかとまで思わせるような師匠の緻密な拘りに敬服しながらも、どうにか新しいアルバム―いやシングルでもいいので発売してもらえないものかと思うほど虜になっていった。それくらいに懐の深い、超名盤。
帯には「BREEZEが心の中を通り抜ける」なんていうキャッチフレーズが踊っているが、とはいえ単なる夏ミュージックでないのは繰り返し聴くことで自ずとわかる。どちらかというと秋真っ只中の今頃の時期に相応しい。特にラスト・ナンバーの「さらばシベリア鉄道」は詞といい(しかし松本隆の仕事の質は相変わらず大変なもの。どうしたらこんなのが書けるのだろう)音楽といい、これほどの深みのある音楽がよくもまぁ生み出せたものだと感心するそれくらいの出来(偉そうだなぁ・・・笑)。
『さらばシベリア鉄道』作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一
初出である太田裕美のバージョンももちろん捨て難いが、やっぱりこの曲は師匠本人が歌うこのバージョンにとどめを刺す。
自分を観ることと人とのかかわりを観ることと、今この時代に「自分を知る」ことはとても重要だが、徹底的に自分を見つめ直したときにすべてに裏表があり、それが一体なんだということがわかるのだろう。「疑うことを覚えて人は生きてゆくなら、ふいに愛の意味を知る」なんていう言葉はそれがわかった人にしか書けそうにない。
詩人というのは大した観察眼と鋭い感性をもっている人が多い・・・。
あと「カナリア諸島にて」という作品も素敵(今井美樹のバージョンもいいよ)。「夏の影が砂浜を急ぎ足に横切ると生きることも爽やかに視えてくるから不思議だ」というフレーズも一般人では思いつかないようなもの。そういえば、カルロス・クライバーが1999年、最後の演奏旅行を行った地にカナリア諸島って入っていなかっただろうか??よくもそんな辺鄙な場所を選んだものだと当時感心したが、その地名をタイトルにもってきていたとは(関係ないか?笑)さすがは松本隆!!
さて、明日はワークショップZEROの初日。楽しくなりそうだ。
こんばんは。
ところで岡本さん、こんな歌知ってます?
『冷麺で恋をして』
作詞:松松本隆 作曲:大瀧詠一
替え歌作詞:高田文夫
歌:小滝詠一(Take2東貴博)
レーメンで恋をして
キムチのマシンガンで
ぼくの舌 打ちぬいてよ
レーメンで微笑んで
炭火網の上で
クルクルと踊るよカルビ
とびきりのシャツに紙エプロン
札束を抱えて
今夜 君をすすりにゆくよ
レーメンで恋をして
泣けそうなチャンジャと
ビビンバで 決めたい夜さ
テーブルはまるでミラーボール
クラクション鳴らして
今夜 君をすすりにゆくよ
レーメンで恋をして
レーメンの指定席に
君だけを招待するよ
肉の裏表を知り抜いてるぼくが
ミノにあったら BABY
もう おかわりさ
レーメンでときめいて
水割りJINROを手に
カンパイさ 君の瞳に
コムタンな気持 横に置いて
夜明けまで カクテキ
今夜 ガムを渡さないさ
レーメンで恋をして
キムチのマシンガンで
ぼくの舌 打ちぬいてよ
レーメンで恋をして WOW
http://www.youtube.com/watch?v=zMnWZNveHe8
http://www.amazon.co.jp/%E5%86%B7%E9%BA%BA%E3%81%A7%E6%81%8B%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%A6-%E5%B0%8F%E6%BB%9D%E8%A9%A0%E4%B8%80/dp/B00005HU8Z/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1319288906&sr=8-1
東京時代、昼間、車で移動中、ニッポン放送を聴いている時よくかかっていた歌で、
もう笑ろた笑ろた!! 楽しませていただきました。
大瀧詠一もこの替え歌、随分気に入っていたそうで・・・、そりゃそうですよね(笑)。
そういえば、こんな歌もかかっていたなあ!
『ヨーデル食べ放題』 桂雀三郎withまんぷくブラザーズ
http://www.youtube.com/watch?v=Jg4MC2jhfoc&feature=related
>雅之様
こんばんは。
「ヨーデル食べ放題」は知ってましたが、「冷麺で恋をして」は知りませんでした!!
最高ですね。
確かにこれは師匠本人に歌っていただきたい代物です。
ありがとうございます。
[…] はっぴいえんどの凄さは、大瀧詠一の歌唱や音楽性、それに細野晴臣らの斬新なプレイにあることは間違いないが、実に松本隆の生み出す詩の魅力に依るところが大きい。ロック音楽に日本語を乗せた最初のケースとして名高く、桑田圭祐のそれとも井上陽水のそれとも違って何ともわかりやすくかつ新鮮で、直接心に響くところが昔から好きだった。 ちなみに、僕の中で松本隆の傑作は大瀧詠一のファースト・ソロ・アルバムに収められた数々の名曲たち(あ、「ロンバケ」の「さらばシベリア鉄道」なんてのもあったか・・・)。例えば、「それはぼくぢゃないよ」、あるいは「乱れ髪」。特に「それはぼくぢゃないよ」なんていうのは絶対的マスターピース。 […]