信じることをやめちゃいけない

どんなに人間のことを勉強、研究しようとも「自分」のことについてはよくわからぬ。
この言い方が正しいかどうかはわからないが、神様はよく人間をお創りになった。自分のことが全部見えてしまったらそれこそ失敗も挫折も経験できなくなる。ということはこの世の中に生まれてきた価値、甲斐が半減する、というよりなくなってしまう。すべては修行といってよい。その経験を通じて成長してゆくという意味において。

人生を気楽に自然体でやっていくことが大切だとここのところ強く思う。そう、風船のように。時には萎み、時には空気の入れ過ぎで破裂する。それでも自由に大空を往来できる。とはいえ風来坊のようにただふわふわと風のたなびくままに流されろということではない。あくまで糸は地にしっかりと着いているという状態。それでいて軽く自由にということである。

このバランスがある意味難しい。「自由」というのは自律しているからこその特権なり。依存しながらやりたいようにやるというのは勝手気儘ということ。結局、世の中、他人に貢献できる仕事をしっかり全うしない限り、真の意味で得るべきものは得られない。そして、そういう経験の中に楽しいこともあれば辛いこともある。自分のことなど明確に知らなくてもいいのかも。それより無心に「今」を懸命に生きて、尽くすことが大事。

人の意見に真剣に耳を傾けると、たとえ自分より随分年下だと思っていた人の話、忠告でも心に響く。人生経験というのは年齢じゃないんだとつくづく思う。失敗の数が多い人ほどそこから出てくる言葉の意味も深い。

苦節6年、下積みを経て、メンバー・チェンジを繰り返し、Journeyがようやく全米ナンバーワンになったのは1981年9月12日のこと。リハーサルを終えた時、ツアー・マネージャーの2人は飛び上がるようにして拳を天高く突き上げ、こう言ったという。
「必ず、このアルバムは1位になるぜ。そう予言したとおりだろう」

Journey:Escape

Personnel
Steve Perry(lead vocals)
Neal Schon(guitars, vocals)
Jonathan Cain(keyboards, vocals)
Ross Valory(bass guitar, vocals)
Steve Smith(drums)

高校3年生だった当時、ロック音楽など音楽でないと斜に構えていた僕は残念ながら”Escape”をオンタイムで聴いていない(その頃、僕はクラシック音楽一辺倒だったが、仮にロックを聴いていたとしてもたかが「産業ロック」と一蹴していたかも)。ジャーニーを初めてまともに聴いたのは次作”Frontiers”から。痺れた。

今になってじっくり聴いてみると、この頃の音楽はどれも味わい深い。青春時代の思い出とオーバーラップするのか、ひとつひとつの楽曲に妙な親密感すら覚えてしまう。

Don’t stop believin’(信じることをやめちゃいけない)
Hold on to the feelin’(自分の感覚を信じるんだ)

ところで、2006年デジタル・リマスター盤には4曲のボーナス・トラックが収録されている。3曲がライヴ音源だが、これらが実に素敵。ほとんど完璧な再現とスティーブ・ペリーの伸びのあるハイトーン・ヴォイスが聴衆の心を揺さぶる。


3 COMMENTS

EBJ

>神様はよく人間をお創りになった。自分のことが全部見えてしまったらそれこそ失敗も挫折も経験できなくなる。ということはこの世の中に生まれてきた価値、甲斐が半減する、というよりなくなってしまう。すべては修行といってよい。その経験を通じて成長してゆくという意味において。

だから、人生は「悪くはない」「捨てたものではない」のでしょうね。どんな人生でも、プラス・マイナスで均衡しているのだと思います。

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岡本 浩和

>EBJ様
こんばんは。

>どんな人生でも、プラス・マイナスで均衡しているのだと思います。

ですね!無駄はないということです。

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