ブリキの太鼓

Mick Karn死して1年。稀代のベーシストの傑作パフォーマンスは数多あるのだろうが、僕が知る限りにおいて、当時決定的に衝撃を受けたJapanのアルバム”Tin Drum”を追悼の意味で聴いてみる。
それにしても30年前の創造物とは思えない斬新かつアンニュイな音色が深夜の静けさに満ちた田舎の家中に細く小さく響く。あの頃、本国イギリスではほとんど無視されていたこのバンドを日本の聴衆、特に若い女性たちが受け容れたことが彼らの存続の大きなポイントとなり、結果的に名盤”Tin Drum”が生まれたことにつながったと想像するが、こういう芸術的高踏的楽曲(?)を真に理解して騒いでいたのかどうかは微妙。それこそメンバーの身なりや所作に惹かれての一時的なブームだったのかもしれないが(アルバム発表当時、つまり1981年の頃残念ながら僕はクラシック音楽一辺倒だったから噂を聞いて知っていただけ)、現代のシーンに織り交ぜても全く遜色のない音楽が届けられる。

昨夜は京都の嵯峨野に住む友人夫婦を訪ね、夕食を美味しく頂いたが、ワイン数杯で早くもダウン(笑)。お陰で深夜3時前にまたもや目覚め、iPhoneに収めておいたJapanの音源を独り聴いた。そういうシチュエーションにどういうわけかSylvianの声質が見事にマッチする。

ところで、ミック・カーン。いや、とにかく彼のベース・プレイは聴きモノ。いかにも東洋的なセンスに満ちた各楽曲の見事な統一感は、スティーブ・ジャンセンとのリズム隊が肝。

Japan:Tin Drum

Personnel
David Sylvian(vocal)
Mick Karn(bass)
Steve Jansen(drums)
Richard Barbieri(keyboards)

評判高い“Talking Drum”は、まさにカーンとジャンセンの二人舞台!!
I hear a voice I hear a sound
But nothing plays on my mind
I take the car I travel round
But nothing stays on my mind

What do you do when things go wrong?
I’m winning
In the heart of the bushland

中華風の“Canton”や”Visions Of China”のファンキーな妖しさは僕好み。Sylvianのこういう西洋と東洋のコラボレーション的作曲センスは人後に落ちない。

3 COMMENTS

雅之

こんばんは。本年もよろしくお願いいたします。

Mick Karnは52歳で亡くなったのですね(1958年7月24日 – 2011年1月4日)。早い。

突然私事ですが、本日1月5日 50歳になりました。人間50年か・・・、そろそろ潮時ですかね(笑)。

でも、50の時、大作曲家の皆さんどんな曲を書いていたのかと調べたら、
素敵なサイトを見つけました!!
http://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/21c88e91d0ae3d2a6e998970ddcba9fb
勉強になりますよ。

というわけで、今年最初の私のオススメ盤はこれです!!
http://www.icoins.net/shopdetail/002011000011/product/

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岡本 浩和

>雅之様
あけましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いいたします。
それと、50歳のお誕生日おめでとうございます。素敵です。(潮時なんてとんでもない!)
2年後には追っかけますので、少々お待ちを(笑)。

あと、素敵なサイトありがとうございます。こういう風に見てみると面白いですね。本当に勉強になります。
あと、50歳の50円玉!!座布団1枚っ!!!(笑)

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