興味深いことを教えてもらった。当たり前のことだけれど、現実世界で豊かに生きてゆくための秘訣を。事実を科学的に検証し、論理的に生きること、すなわち地に足をしっかり着けるということ。自然や宇宙を信ずること、すなわち信仰心を失わないこと。そして宇宙とつながること、すなわち芸術的感性を保つこと。これらの3つをバランス良くもつことが大切だと。さらには文学的素養を育むことも大事であると(なお、僕的にはもうひとつ音楽的センスを磨きあげることも生きてゆく上で非常に重要なポイントであると考える)。
日々、様々な音楽を聴き続けていてあらためて思うこと。もっと知りたい、もっと理解したい。ここには科学があり、もちろん信仰もあり、そして芸術として一流のフレームがある。
久しぶりにホロヴィッツを聴いた。
どうしても彼の弾く「悲愴」ソナタを聴きたくて。かつて、少年の頃、繰り返し聴いたアナログ・レコードの柔らかく懐かしい響きを思い出すかのようにCDの少しばかり硬い音に聴き惚れる。そういえば、ホロヴィッツはどの作曲家にせよ全集というものを作らなかったのではないか。少なくともこのソナタを聴く限りにおいて、彼の弾く最後の3つのソナタやハンマークラヴィーア・ソナタ、あるいは「テンペスト」などは聴いてみたかった。女性が演奏するような、一般的にイメージするホロヴィッツとは違った音楽宇宙が現出する独特のベートーヴェンの世界。真に美しい。
ホロヴィッツが復帰する前、いわゆる隠遁生活を送っていた頃のCBSの録音はどれも極めつけ。技巧的な素晴らしさももちろんだが、音楽的に高貴で柔和で、ふくよかな音色が夜半の静けさを鋭く破る時、心が一層豊かになる。
「悲愴」ソナタ1曲を聴くつもりが、結局この1枚を聴き通してしまった。シューベルトの哀しみ。ショパンの祖国への想い。変幻自在のドビュッシー。そして自家薬篭中のスクリャービン。これらはホロヴィッツが当時自らの生まれた国に想いを馳せて弾いたものなのだろうか。
科学と信仰とピアノ芸術と・・・。私生活では変人であっただろうホロヴィッツの音楽にはそれらが垣間見える。
おはようございます。
ホロヴィッツ→妖刀=名刀→虎徹
「いっしん虎徹」山本兼一(著)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%84%E3%81%A3%E3%81%97%E3%82%93%E8%99%8E%E5%BE%B9-%E5%B1%B1%E6%9C%AC-%E5%85%BC%E4%B8%80/dp/4163258507/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1334524223&sr=1-1
>ここには科学があり、もちろん信仰もあり、そして芸術として一流のフレームがある。
日本刀の世界も同様です。
>雅之様
おはようございます。
>日本刀の世界も同様です。
なるほど!
先日いただいた「いっしん虎徹」の冒頭部分を少しばかり読みましたが、惹きこまれます。
今、暇を見つけてざっと「明暗」を読み直しているところでもあります。
あわせて堪能させていただきます。ありがとうございます。
こんばんは。
もうひとつ、今私が心底岡本さんにとても読んでいただきたい作品をご紹介します。面白くて、得るところが途轍もなく多い傑作であると保証します。
「命もいらず名もいらず」 山本兼一(著)
http://www.amazon.co.jp/%E5%91%BD%E3%82%82%E3%81%84%E3%82%89%E3%81%9A%E5%90%8D%E3%82%82%E3%81%84%E3%82%89%E3%81%9A_-%E4%B8%8A-%E5%B9%95%E6%9C%AB%E7%AF%87-%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E5%85%BC%E4%B8%80/dp/4140055804/ref=pd_sim_b_3
http://www.amazon.co.jp/%E5%91%BD%E3%82%82%E3%81%84%E3%82%89%E3%81%9A%E5%90%8D%E3%82%82%E3%81%84%E3%82%89%E3%81%9A_-%E4%B8%8B-%E6%98%8E%E6%B2%BB%E7%AF%87-%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E5%85%BC%E4%B8%80/dp/4140055812/ref=pd_sim_b_4
山岡鉄舟については、この小説を読むまでよく知りませんでしたが、いや、天晴れの極みな人生です。
「いっしん虎徹」「明暗」などの次にはぜひ!!(来年くらいまでにで結構です・・・笑)
※明日から大阪に滞在し、週末まで部屋に缶詰で研修です。その間はコメントしません。
>雅之様
こんばんは。
ありがとうございます。
これは絶対に読んでみます。
※今夜とある有名な音楽ジャーナリストの方と会食しました。いろいろと面白い話がいっぱいでした。