Led Zeppelin DVD

振り返ってみると、ここのところ結構な勢いでコンサート通いをしていた。
6月もまだまだ続くが(笑)、それにしても時間と空間の芸術である音楽はやっぱりその時その場で享受しない限り、実際の数%も体感したことにならないということを痛感する。半ば「音楽を聴くこと」が生業となりつつある現在、そういえば少年の頃に夢見ていた生き方に近づいているようだからこれはこれで幸運だと捉えた方が良いみたい。
もちろん僕には成し遂げたい本業というものがれっきと存在する。これについてはいろいろな意味でずーっと頭を悩ませる種でもあるが、とにかく1回1回の終わった瞬間の達成感と快感が他の何ものにも代え難い魅力を持つものだから、どうしても、何が何でも継続してゆきたい・・・。

さて、何だか今日は蒸し暑かった。時節は既に初夏の様相だが、まさかまだ梅雨には入るまい。こういう鬱陶しさを吹き飛ばすのに相応しいのが、レッド・ツェッペリン。解散から30年超が経つこのバンドの魅力は、後世のバンドが手本にし、追いつけ追い越せとそれぞれがいまだに競い合っている点からも計り知れない。
数年前に突如リリースされて、ファンを欣喜雀躍させたDVDセットを久しぶりに観る。全部は時間的に難しいので、アコースティック・セットを中心にした1975年5月のアールズ・コートでのライヴと最後期1979年8月のネブワースでの怒涛のハード・ライヴを抜粋で浸ってみた(曲目を見るだけでもう鳥肌もの・・・)。

Led Zeppelin DVD
Earls Court 1975
“Going To California”
“That’s The Way”
“Bron Yr Aur Stomp”
“In My Time Of Dying”
“Trampled Underfoot”
“Stairway To Heaven”

Knebworth 1979
“Rock And Roll”
“Nobody’s Fault But Mine”
“Sick Again”
“Achilles Last Stand”
“In The Evening”
“Kashmir”
“Whole Lotta Love”

ツェッペリンの凄さは、たった4人でこの壮絶な楽曲の数々を作り出しているところ。わずか10年余りの活動期間の中で、4人が全く同等の役割を担い、しかも一人一人が互いに影響を与え合うことで200%の力量を発揮していることが神業的。4人がこの4人でなければならなかった必然がこういう映像の随所に垣間見えるのである。
それにしてもこのテンションの持続力はどこから来るのか?あるいはエネルギーの放出量の凄まじさは、1970年代という時代背景もあるのだろうが、いかばかりか。

ジミー・ペイジの自己陶酔したエロスの表情たぎるプレイが最高!
ロバート・プラントの中性的なヴォーカルとの絡みは他の誰も真似できぬ。
それより、このバンドの軸はジョン・ポール・ジョーンズ&ジョン・ボーナムというリズム隊。2人がぶれない中心線となり、プラントとペイジがオーディエンスとの火花散る接点を見事に演出するといった風情。息苦しくなるほどの重い映像だが、ジメジメ感は吹っ飛ぶ・・・。一言・・・、かっこいい。


7 COMMENTS

雅之

>1970年代という時代背景もあるのだろうが、いかばかりか。

過去の音楽、映画、小説などを鑑賞しながら、現在の我々がすっかり失ってしまったもの、変質してしまったことは何なんだろうと、いつも考え続けています。

思いあたったのは、精神的に「ため」が少ない世の中になってしまったのではないかということ。「ため」が無ければ、エネルギーも蓄積されません。

では、そうなった原因は何なのか? 忙し過ぎて余裕が無いから? いいえ。

携帯電話の登場を境に、夢のない世界に変わってしまったんではないかと、私には思えてなりません。

改めて、
JR東海CM クリスマスエクスプレス (X’mas Express) 全編
http://www.youtube.com/watch?v=UwrAsaS5KbQ&feature=related

まだ夢が有った時代に作られた100系新幹線も、今年引退しました。

ビコム ブルーレイ展望 新幹線100系こだま 博多~岡山(Blu-ray Disc)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%82%A4%E5%B1%95%E6%9C%9B-%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9A100%E7%B3%BB%E3%81%93%E3%81%A0%E3%81%BE-%E5%8D%9A%E5%A4%9A~%E5%B2%A1%E5%B1%B1-Blu-ray-Disc/dp/B0053I097I/ref=sr_1_3?s=dvd&ie=UTF8&qid=1336775236&sr=1-3

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。

>精神的に「ため」が少ない世の中になってしまった
>携帯電話の登場を境に、夢のない世界に変わってしまったんではないかと、私には思えてなりません。

同感です。
我慢をすることからも「ため」というのはできますが、要は「間(ま)」だと思います。人間関係でも仕事でも芸術でも、やっぱり絶妙の「間」をとれるかどうか?それは相手の「気を読む」ところから始まりますが、確かに通信手段が発達することでコミュニケーションにおける「間の取り方」が下手になったのだと思います。ましてやメールだと尚更です。

鉄道には疎い僕ですが、JR東海CM はいつみても懐かしく良いですね。

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雅之

やたら「空気を読め」って命令される世の風潮も大嫌いなんですけど・・・。
村社会に「調和しろ」って命令するのもされるのも、活性化を削ぐので嫌いです。

私がいいたかったのは、現代人は自分でものをじっくり考える時間を持てなさ過ぎているってことですかね。携帯やメールは、それに拍車を掛けていますよね。

難しい問題を出された時に、深く考えずにすぐ解答を見るような日常に、知らず知らずの間になってしまったというか・・・。

当然、ネットに頼りきる癖が付いてしまった、強い自戒でもあります。

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岡本 浩和

>雅之様

>現代人は自分でものをじっくり考える時間を持てなさ過ぎている
>難しい問題を出された時に、深く考えずにすぐ解答を見るような日常に、知らず知らずの間になってしまった

なるほど、そうかもですね。
一方、僕が言いたいことは「空気を読む」というのと微妙に違います。人の気を感じるというか、察するというか、いわゆる「KY」と世間一般でいわれている意味での「空気を読む」とはニュアンスが違うのです。

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雅之

>一方、僕が言いたいことは「空気を読む」というのと微妙に違います。

こりゃまた大変失礼しました!!
「赤い飛行船」についての回でしたので、てっきり「空気を読む」話だと信じておりました。

人の静かな「電気」は髪の毛が立ったりしてよく感じるのですが、きっとそれと同じ話ですよね?

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岡本 浩和

>雅之様

>人の静かな「電気」は髪の毛が立ったりしてよく感じるのですが、きっとそれと同じ話ですよね?

はい、そういうことです(笑)
ちなみに、「赤い飛行船」ではなく「鉛の飛行船」ですが・・・。

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