MILES IN BERLIN

竣工間もないベルリンのフィルハーモニーでの実況。
各メンバーの完璧なテクニックに裏打ちされたスピード感溢れるコンサートの模様。当時僅か18歳のトニー・ウィリアムスのドラミングの凄さがあちこちで言い伝えられているけれど、冒頭の”Milestones”から眩暈くらくら。
演奏中の聴衆の息を凝らす光景が手に取るようにわかり、いかに緊張感に満ちたパフォーマンスであるかが理解できる。誰かがソロをとる時に堰を切ったように起こる拍手も実に整然としたもので、まるでクラシック・コンサートのよう。何とも神々しい。

ウェイン・ショーターを獲得し、いわゆる第2期「黄金クインテット」の揃い踏みとなった初ライブ・アルバム。まるで当日フィルハーモニーのシートに座っているかの如く沈思黙考、対峙して聴いてみると、ジャズがまさに即興の賜物であることを痛いほど教えてくれる傑作。実際この時のクインテットの演奏は破格。
各々が自立し、マイルスの下統合する。2013年の幕開けに真に相応しい。

MILES IN BERLIN(1964.9.25Live)

Personnel
Miles Davis (trumpet)
Herbie Hancock (piano)
Wayne Shorter (tenorsax)
Ron Carter (bass)
Tony Williams (drums)

名曲”So What”のテンポも例のスタジオ録音より随分早い。キレとスピードが半端なくかっこいい。ハービーとロンのリズムにトニーが絡み、マイルスのトランペットは「あれ」とは異なる旋律を吹きまくる(ほとんど原曲の形を保たないほどに崩されているけれど、よく聴くと間違いなく”So What”)。ショーターのテナーはすこぶる冷静だけれど、熱い。聴衆からの注目が並大抵でないことが収録された「音」から容易に想像できる。
それに、オリジナルLPには収録されていない”Stella By Starlight”!!ハンコックのピアノ・ソロ、そこにかぶさるマイルスの哀愁帯びたトランペット・・・。冒頭数小節でもう涙がこぼれそう(笑)。

本日の東京は初雪にして大雪。
乾いた空気と大粒の雪と。
パーソナル・セッション後早めに帰宅して繰り返しマイルス。素敵だ。


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